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【続編】第2回「Tokyo Green Finance Market(仮称)」の実現に向けた検討委員会を開催しました!

前回の投稿では、第2回「Tokyo Green Finance Market(仮称)」の実現に向けた検討委員会の開催についてお知らせしましたが、今回は、取りまとめられた提言の具体的な内容と有識者から頂いたご意見等をご紹介します。

改めて、今回の検討委員会に参加頂いた有識者はこちらです!

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「我々が直面している気候危機に対し、ファイナンス面でどのような取組が必要か」
グリーンファイナンスの第一線で活躍されている有識者の方々により熱い議論が交わされました。
本日は、検討委員会での議論をご紹介します。

まず、グリーンファイナンス市場の発展について、

・東京都が保有する企業等のESG関連情報やCO2排出量などのデータ開示はアドバンテージになる。
・グリーンボンドの発行体にとって負担となっている外部機関のレビュー等のコストに対し、魅力あるインセンティブを設けることが大変重要。
アンカー発行体としての東京都のグリーンボンドと、グリーン施策をうまく結びつけて議論していくと良い。

といったご意見を頂きました。

投資先企業のESG情報のさらなる開示を求める動きが広がっており、新たな発行体や投資家を東京市場に呼び込む上でも、開示情報の充実は重要な要素となります。
また東京都は、2017 年度に国内自治体で初めてグリーンボンドを発行し、以降、毎年、機関投資家及び個人投資家向けのグリーンボンドを継続して発行しています。アンカー発行体として一定規模の発行を継続していくことで、プレゼンスを維持・向上していくことが重要だとのご意見を頂きました。

また、参加プレイヤーの裾野拡大について、

中小企業におけるグリーンファイナンスの活性化は極めて重要な視点。東京を真のグリーン都市にするためには必要不可欠な乗り越えなければいけない課題。
・個人投資家を対象とする検討は当初から進めるべきだろう。個人が ESG 関連の投資に参入しやすい環境整備のため、つみたて NISA の参照指数への ESG指数の組み入れ等が必要。

というご意見がありました。

東京市場において ESG 金融やグリーンファイナンスを発展させていくためには、この分野にノウハウを持つ資産運用業者や、フィンテック・スタートアップ企業の海外からの誘致、国内関連企業の育成支援に取り組んでいくことが重要です。
また、個人投資家に対してもESG投資という運用の選択肢を提供し、グリーンファイナンスの裾野を広げていくことの重要性も本提言書に盛り込まれています。

情報発信と人材育成については、

・大学や企業、地域等の連携を強化しながら「エコシステム」に着目してベンチャーキャピタルやスタートアップ支援を進めていくことが大切。
・国外からの投資も呼び込むため、東京都が異常気象や地震等に強い都市であることを発信することが重要。
・海外人材の招致と日本国内の人材の育成が必要。
・『貯蓄から投資へ』の流れを確かなものとするためには、金融経済教育の推進等により、都民の金融リテラシーの向上を図ることが重要。
・都の脱炭素化に向けた施策や、ホームページ、公開しているデータ等あらゆるコンテンツを英語化しないと国際金融都市にはならない。

などのご発言がありました。

昨今サプライチェーン排出量への関心の高まりとともに、企業が付加価値創造の「」を選ぶ傾向が強まっております。東京が、気候変動という大きな危機に対し、自然と調和したサステナブルな都市の姿を描き、都市全体のグリーン化を強力に進めていくという大きな方針をメッセージとして打ち出し、世界の注目を引き付けていく事が重要です。

これらの意見や議論を踏まえ、取りまとめられた提言の概要は☟こちらです。

提言の概要

20210611 TGFI提言(概要)v9


提言全文をご覧になりたい方はこちらからどうぞ!

「Tokyo Green Finance Initiative (TGFI) ~グリーンファイナンス発展に向けた提言~」

ご覧の通り、グリーンファイナンス発展に向けた考え方、施策の方向性等、これまでの熱い議論がぎっしり詰まった32ページの内容となっております!

ここで、この提言を取りまとめるまでの舞台裏についてもご紹介します。

短期間で提言を取りまとめるため、検討委員会とは別に、国内外の金融に精通した中堅・若手の実務者からなるプロフェッショナル会議を設け、議論を重ねてきました。

プロスタッフ

プロフェッショナルスタッフとの会議は毎週水曜日に1時間、合計13回開催しました!プロスタッフの皆さまのご協力に改めて感謝します。

金融・経済・環境のエキスパートの方々と東京都事務局のスタッフの間で深い話し合いができたということ。
行政・民間という立場を超えた一体感』を肌で感じました!新鮮な体験でした。

最後に、検討委員会では、これからのTGFIの進め方についてもコメントを頂きました。

・提言がまとまった今、スタートラインに立っている。
・TGFIの実施にあたってはスピード感が大事。
・TGFIを打ち出したことで、マーケットにとって1つのターニングポイントになることを期待。

国や民間事業者など幅広い関係者・ステークホルダーと協力しながら、スピード感を持って施策を実践していくことが重要です。

以上、有識者より様々な観点から力強いエールを多数頂きました。
これらをしっかり受け止め、具体的な取組へと活かしていきます!

東京が、日本が、グリーンになる。
そのために、ここからがスタートだという気持ちで、職員一同全力でTGFIの取組をしっかりと前に進めていきます!

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