eSports?スポーツ?色々あるけどさ、対戦ゲームってまずは楽しめばいいと思うんだよ。スマブラしようぜ。
昨今"eSports"というワードが広がるとともに「ゲームはスポーツか否か」という類の問答が、ある時は重めに、そしてある時は軽めに、飛び交うようになってきた。
ここら辺のことを掘り下げてみても1本の記事になるのだが、それでは少し味気ないし、ゲームを楽しむゲーマーとしても幾分か煮え切らないものを感じる。ゲームをプレイするものにとってそれがスポーツか否かは枝葉問題なのである。
本稿はその問題に返答するというよりも、むしろ"eSports"だったり競技として扱われるゲームのプレイヤー目線で、「なにはともあれゲームを楽しもうじゃないか」ということを綴りたいと思う。ゲームイベント、とりわけスマブラのイベントに参加しようかどうか迷っている人の背中を推せたらうれしい。
結論としては、カジュアルにイベントに参加するのが最も「楽しみ」の幅が広いですよということになる。この記事を読んで『スマブラDX』のプレイ人口が1人でも増えたら執筆者冥利に尽きるの一言である。
ちなみに、ブログ『GCC's blog - スマブラDX情報誌 -』ではカジュアルな記事から大会レポまで幅広く扱っているので、ぜひそちらも見てみてほしい。
目次
きっかけ
楽しみにも色々ある
イベントは大きく分けて2つ
幅のあるスタンスはどのようなものであり得るか
そもそもガチ勢ってなに
ガチ勢の捉えなおし
気軽に参加すればいいと思う
スマパ! in Red Bull Gaming Sphere Tokyo
きっかけ
筆者は『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(以下『スマブラDX』と略記)のプレイヤーだ。いわゆるガチ勢というやつである。
「楽しみ」のスタンスというのは多様であり得るし、実際に多様だなと感じている。このスタンスは個人の趣味趣向なのでどれが善くて悪いのかということについて述べる気持ちはさらさらないが、ここいらで自分の考えていることを出来るだけ整理してみたくなった。
きっかけは先日のツイートである。これは筆者がしたものなのだが、ちょろちょろ反応があったことも本稿を執筆しようと思った理由だ。
このツイートをした後、数日に渡って少しづつ反応があった(なぞべーむさんに影響がないように言っておくと、引用元のツイートは今回の件に直接の関係はない)。中には歓迎する意を込めた人もあるだろうし、その反対もあるだろう。筆者の予想では「え?楽しければよくね」という一文をどう解釈するかで大きく違ってくるではないかと思っている。
筆者としてはこの文章の前に添えた「いい意味で」という部分にポジティブな意味を込めた。つまり「いい意味で『え?楽しければよくね?』」だ。しかしながらいささか言葉足らずではある。
楽しみにも色々ある
「楽しみ」という言葉を聞いてあなたはどう捉えるだろうか?「俺/私さえ楽しければ他人はどうだっていい」「プレイするの単純に楽しいよね」「エンジョイプレイなんかせずに真剣勝負を楽しみたい」「みんなで楽しもう」。さっと挙げただけでいくつかの種類「楽しみ」があることがわかる。「楽しみ」は人それぞれだ。
ここで挙がった各種「楽しみ」のスタンスは、「他人はどうなってもいいから自分だけが楽しみたい」~「みんなで楽しむのが最優先」の間に位置づけることができる。
イベントは大きく分けて2つ
『スマブラDX』のイベントには「トーナメント」と「フリー対戦」がある。ゲーマーの読者の方なら知っているか、だいたい想像が付くと思うので、この章はとばしていただいて構わない。
トーナメント
所定のルールに則って1対1でどちらが強いのかを決めるために試合を行い、勝者が次の試合に駒を進める形で進行するもの。
フリー対戦
対戦相手に勝つことよりも、練習してきた行動が実践で通用するのかチェックするために対戦したり、たんにワイワイと対戦するもの。
『スマブラDX』のイベントでは、これらの内どちらかの形式が採用されるか、もしくは両方が採用されるのが通常である。
幅のあるスタンスはどのようなものであり得るか
上記のようなイベントにおいて、最も幅のある「楽しみ」のスタンスを模索してみたい。ここで言う「幅」とは、イベントに参加するに当たって結果としての得られるメリットの総量と考えてもらいたい。
つまり、イベントが終わったときに「あー楽しかった」と最も感じられるのはどういったスタンスを採ったときなのかを考えてみたい、ということである。
「楽しみ」のスタンスを再度挙げると、
(A)俺/私さえ楽しければ他人はどうだっていい
(B)プレイするの単純に楽しいよね
(C)エンジョイプレイなんかせずに真剣勝負を楽しみたい
(D)みんなで楽しむのが最優先
であった。そして、プレイヤーが採りうるスタンスは、お話上(A)~(D)の間のどこかに位置づけられるが、対戦ゲームであることを理由に(A)は除外され、参加者は参加費を払って参加するという理由から(D)は除外されることになる。
対戦ゲームにおいて対戦相手を欠くことになる前者は選びようがないし、イベントに参加する手前自分の楽しみの優先順位をそこまで下げることはできないからである。
そういう理由から、実際的にプレイヤーは(B)か(C)ないし(B)と(C)の3種類のスタンスからどれか1つを選ぶのである。
結論を先に述べてしまうと、最も「端」のあるスタンスは(B)と(C)を両方採用する「楽しみ」のスタンスだ。というのも、最もバリエーションに富んだ楽しみ方が可能になるからである。
でもこう思われるかもしれない。「(B)と(C)って矛盾してない?」、と。確かにこれは一見矛盾するように感じるかもしれないが、実践的にはけっこう納得のいくスタンスの採り方であることを知ってもらいたい。
そもそもガチ勢ってなに
ゲーマーの中でよく使われる言葉で上記2つのスタンスを分類すると(B)は「エンジョイ勢」で(C)は「ガチ勢」ということになる。その信条の違いによって「エンジョイ勢」と「ガチ勢」は時として衝突する。
「エンジョイ勢」はワイワイプレイするイメージで、「ガチ勢」は自身の強さを証明するためにプレイするイメージでとらえてもらえれば、想像しやすいと思う。
だけど気づいていたかい?大衆的な目線で言えばゲームのイベント、とりわけトーナメントを設けているゲームのイベントに参加している時点で僕らは<ガチ勢>に分類されてしまうことを。
たとえばディズニーランドはどうだろうか。1年を通じて使用することのできるいわゆる「年パス」を持ってディズニーに通う人は「ディズニー<ガチ勢>」といって差し支えない。
海外旅行を年に何回もする人たちはどうだろうか。「海外旅行<ガチ勢>」と呼んで問題ないし、そこまでしているのだから、彼ら/彼女らは本気で海外旅行を楽しんでいるに違いない。
「ディズニー<ガチ勢>」や「海外旅行<ガチ勢>」の中で、きっと温度差は存在している。みんなちょっとした違いを持つそれぞれの楽しみ方を持っているからだ。
総じて、余暇を使って自分の好きなことにお金を払ってまで打ち込むのであれば、そうでない人からしたら共感は得られないので、他人目線では、趣味を持つ人は誰しもが何かの<ガチ勢>なのである。ここで大事なのは「趣味を同じくしない他人の視点」だ。尊重し合えるのであればこれくらいドライでいいと思う。
ガチ勢の捉えなおし
話をゲームに戻そう。『スマブラDX』のイベントは参加するのに少額ではあるがお金がかかる。ゲームに興味のない人から見れば「すでにある家庭用ゲーム機で遊ぶのにわざわざお金を払うってなに?」となる。
この時点で大衆的には<ガチ勢>意外のなにものでもない。余暇にお金を使ってまで好きなことに勤しむからだ。額は関係ない。
加えて『スマブラDX』のイベントでは基本的に「トーナメント」が設けられている。上記で説明したように、これは自身の強さを証明するためにプレイするものだ。(C)の「エンジョイプレイなんかせずに真剣勝負を楽しみたい」というスタンスである。
対戦には緊張感が走り、敗者は悔しい想いをするし、遠征してまで負けた日にはなかなかショックがでかいはずだと思う。大衆視点で<ガチ勢>でありコミュニティー視点でも「ガチ勢」なのである。
筆者自身の体験を引き合いに出すと、筆者は大阪で開催されたKVO×TBS2018に東京から遠征参加したが結果は振るわなかった。傍目にどう見えていたのかは知らないが、かなり複雑な感情を抱いていた。
トーナメントでは3回戦より上に駒を進めた経験がなく、筆者は強いプレイヤーではない。練習の質・量においても比較的おそまつな部類だろう。ただ、負けたときに悪態を口にしないだけで、心境的には当然苦々しい。
ところで、トーナメントが進むと試合数が減り、フリー対戦用の場所が増える。そうなるとプレイヤーは相手を見つけてフリー対戦がしやすくなる。もちろん苦々しい気持ちがなくなっているわけではないので、終始ワイワイしてはいない。だけど、フッと笑顔になる瞬間が誰にでもある。リフレッシュしているのだ。
うまくいくと久々に会えたスマブラ友達とゲームしていること自体が楽しくなってくる。トーナメント外で勝ち負けは関係ないのにまだスマブラしてる。そう、(B)の「プレイするの単純に楽しいよね」という状態だ。こうなるともはやフリー対戦だけでも楽しい。
気楽に参加すればいいと思う
つまり、負けていようが勝っていようが『スマブラDX』をプレイすることは最終的には楽しいのである。だからたとえ勝てなくてもイベントに参加する。状況によってはほぼ一勝もできなそうという予感があっても「いやわからんぞ」と出来る限りのプレイをもって参加する。
せっかくフリー対戦も行えるイベントに参加するなら、その楽しみにも気づいた方がお得だ。これができると一度の参加で二度おいしい。フリー対戦目当てで参加したっていい。
トーナメントで抱いた苦々しい気持ちがあることで、たった一瞬だけしかフリー対戦が楽しくなかったとしても、フリー対戦しなかった場合よりは「楽しみ」の数は増えている。
ディズニーランドや海外旅行に行くとして、スケジュールと予算に問題がないなら、なにを戸惑うことがあろうか。きっとそんな必要はない。同じチケット代を支払うなら、数多くのアトラクションと地域をめぐるほうがお得じゃないか。効用は高いほうがいいのである。
選ぶことのできるすべての選択肢で楽しめたほうがメリットが大きくなる。もし各種ゲームのイベントに参加しようか迷ってるのなら、各々の温度でカジュアルに「<ガチ勢>」すればいい。だって、そのほうが楽しいのだから。
スマパ! in Red Bull Gaming Sphere Tokyo
ところで、東京は中野駅近くにあるRed Bullのイベントスペースを知っているだろうか。様々なゲームイベントが開催されるこの箱で、先週『スマブラDX』をプレイできるイベントが産声を上げた。
さらにうれしいのは、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』と『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』のイベントと同時開催されることである。それも毎週だ。
スマパ運営のアカウントだ。これをフォローしておけば募集や告知、イベントの盛り上がりの様子など随時チェックすることができる。ぜひフォローしてみよう。
Twitterで「#スマパ」付きのツイートをすると500円割引になるサービスも実施している。トーナメント参加枠1,500円、見学枠1,000円だ。ここから500円割引になるため、実質500~1,000円でレッドブルを飲みながら遊び倒すことができる。
さて、レッドブルが飲めて、スマブラやり放題の会場の様子はこんな感じだ。
画像はだりもこさん撮影の写真が収められたSmugMugのスマパ!ページより。
どうだろう?ゲームのイベントに対する世間のイメージよりもオシャレな場所ではなかろうか。ゲームってかっこいいじゃん。「なんか楽しいことないかな」、「んーこのまま家に帰るのちょっともったいないな」、「ゲームのイベントっても俺/私は弱いからなぁ」。色々考えてしまうかもしれないけれど、結局のところ気軽に遊べばいいのである。カジュアルに、そしてガチに。
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