湾岸プレイリスト

あくまでも物語で書いています。 文書スキルアップのためでもあります。

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最近の記事

報告

「2km先にHシステムがあるわ、気を付けて」 「ああ、わかってる。そして、その先に何があるのかも」 「何があるの?」 「ちょうど曲る所にバウンス(跳ね上がり)がある」 「O.K. みんなにシェアしとくわ」 「ついでに、隣に乗ってくれるカワイ子ちゃんも募集しておいてくれよ」 「1km先にHシステムよ」 「冗談だ」 ご先祖様へ、 いつも見守ってくださり、ありがとうございます。 私は今日初めて、ターボに乗りました。 桜も咲き始め、皆も元気です。 「500m先にHシ

    • ラブ・ストーリーは突然に

      インターネットで君を見つけた時、僕の中であるギターのフレーズが鳴った。 この広い世界で、僕は君と出会った。 たとえ世界の整備士たちが僕たちを祝福しなかったとしても、僕が君を守る。 そう思っていた。       「好きなんだよ、君の事が」 「ずっと一緒にいたいんだ」 「私もあなたの事が好きよ」 「でも、私たちだけではやっていけない」 「そんな事言わないで」 「僕が何とかするから」 「パーツとか絶対に手に入れるから」 「わたしはあなたが思うようなアップグレード

      • B2

        ここ地下2階の駐車場は東西にかけて長く伸びており、地上への出口がある最東エリアから反対側におよそ700mも離れている最西エリアは、このような季節の真夜中でもせいぜい10℃はキープしている。 「暖かい…」 "車庫"という名の国を持たない放浪の果てに、昨年の1月1日、私はこの地に辿り着いた。 おそらくこの古き都で一番暖かい場所だ。 だが、そこは決して予断を許せる場所ではなかった。 無数に設置されている監視カメラの死角に居ると、自転車に乗った"やつら"がやって来る。 私「こ

        • 口紅の付いた吸い殻

          後部座席の灰皿に、 口紅の付いた吸い殻が、 こんなに多く残っていたなんて… ずっと気が付かなかったよ。 「そっか、辛かったんだな…」 さぞ、落胆しただろう。 きっと、絶望しただろう。 前のオーナーの心が、 僕は段々と見えてくる。