アイドル彼氏炎上問題~今日から始めるリスクマネジメント~
はじめに
先日、とあるアイドルの炎上問題について話題になっていた。
詳細は伏せるが、そのアイドルについて本人が望まない写真・動画が元カレ経由で流出した事に起因するらしい。
さて、早速だが皆さんは「アイドルに彼氏がいる」という事についてどう思うだろうか?
今アイドルを推している人、そうでない人、色々いるだろう。
アイドルではパッとわからない方なら、好きな声優やVtuber、なんでもよい。
考えて頂けただろうか。
まず、皆さんの意見とは別に、私の結論を発表したい。
私としては「アイドルに彼氏がいて良い なんならいた方がいい」を結論としている。
理由としては、そもそも憲法で行動の自由が保障されている事があり、
どのような立場であれ本人の恋愛についてとやかく言うのは憲法違反ではないのか、という考え方がある。
さて、上記の考えを述べた上で、「何故アイドルに彼氏がいると炎上するのか」「そもそも何が悪くて何がダメなのか」について解説していこう。
アイドルの販売物は「イメージ」である
まず最も勘違いされている事から解説していきたい。
アイドルはアイドル自身が売り物かのように判断されるが、実はそうではない。
彼女ら自身の生い立ち等色々あるだろうが、それらは全部どうでもよく、
彼女らから受ける「イメージ」こそが商品なのである。
例えば清純派アイドルが爽やかなスポーツドリンクのCMをしていたとしよう。
それを見て「爽やかで美味しそうだ!」という体験を受ける人は多いと思うが、もちろんアイドルは全く製造工程に関係がない。
基本的にアイドルとは関係ない企画室で企画され、アイドルと関係ない製造部で試作品が作られ、アイドルと関係のない品質管理部で品質を担保され、アイドルとは関係のない営業部で各代理店への販売促進があり、アイドルとちょっと関係のある広報部まで話が下りてきてやっと出番である。
だが、好きなアイドルがCMをしていたというのは購入意欲として十分な理由を持つ。これが商品価値たる「イメージ」なのである。
大事だよ!リスクマネジメント
さて、ここまで、アイドル≠販売物という事を伝えてきた。
アイドルはあくまで販売物である「イメージ」の生産者であり、
彼女らのプライベートに何があろうとその責任を持つ必要はない。仕事は仕事、プライベートとは別だからね!
しかし、それはそれとして炎上はする。彼女らの一体何が悪かったのか。
それは9割くらいの場合、「望まないイメージの流出」にある。
どう考えても100%悪いのは故意に悪意ある形で情報流出をした人間で、法的に見ても普通に違法(不法侵入だったり肖像権の侵害だったり盗撮だったり名誉棄損だったり……)なのだが、割を食うのは結局アイドル側であることが多い。
じゃあどうすればいいの?という事だが、ここで「リスクマネジメント」の考え方が登場するのだ。
まず大前提として、守るべくはアイドルの「イメージ」である。
これは本人の行動や性格とは無関係に、市場に価値として提供されているものの事だ。
そのイメージを損なう事は事務所にとって大きなリスクであり、
事前のリスクマネジメントは必須である。
ちなみにリスクマネジメントでは、以下の用語があり、
今後ビジネスで役立つかもしれないので覚えておこう。
リスクヘッジ……想定されるリスクが許容範囲内に収まる様、低減、分散すること。
リスクアセスメント……存在する危険性や有害性を特定し、そのリスクの除去・低減措置を行う一連の手順。
クライシスマネジメント……準備していても避けられない危機はあるので、危機発生を前提とし、二次被害の回避を行うこと。
具体例を挙げてみよう。
「アイドルに彼氏がいたことが発覚し、大炎上してしまう」ことへのリスクマネジメントとしては、
リスクヘッジが、「事前に弟の存在をほのめかしておき、いざ彼氏の噂が出た時に弟の存在を強調して対応する」
リスクアセスメントが「彼氏と別れさせる。会わせない。元カレを調べ上げて写真や動画を全て消させる」
クライシスマネジメントが「脱退後の別メンバーを用意しておく、複数のグループを同時に運営する」等だ。
(※間違ってたら指摘してください)
当然、潜在的リスクなど存在しない方が良い。
彼氏がおらず交際経験のない女性をアイドルにして、徹底的な管理を行えば炎上することは少ないだろう。
しかし、それでは間違いなく成功しないだろう。
たのしいクライシスマネジメント
さて、ここまでで大体理解してもらえたと思うが、
アイドルに彼氏がいるという状況は結局リスクであるという事だ。
最初に言った通り、自分はアイドルには彼氏がいて問題無い派だが、
それはそれとして社会人なら情報漏洩のリスク管理くらいしっかりやれという気持ちもある。
そもそもの話として、アイドルなんて顔もいいしスタイルもいいし声も可愛い事が多いんだから、彼氏なんてそらいるだろという感覚だ。
だかしかし、オタクは彼氏のいないアイドルのイメージを買いに来ているのであって、
「オタクく~ん♡いつも貢いでくれてありがと♡オタクくんの雀の涙みたいなカスの貢ぎで、彼氏とのゴム買うね!」
みたいなアイドルには……、
いや、これは私が悪かった。このレベルなら逆にちょっと推せるね。
話を戻そう。オタクくんたちはアイドルにおける清純だったりそういう「イメージ」を買いに来ているのである。とどのつまり、
イメージを守るために不利な要素は徹底的に叩け!である。
情報漏洩があったときは情報漏洩者を徹底的に訴えて巨額の賠償金を奪え!
情報拡散元を特定して開示請求しろ!
拡散に寄与したまとめブログやらも全部訴えていけ!
これが今回のおすすめリスクマネジメント、名付けて「共倒れクライシスマネジメント」だ。
実際やるかどうかはおいておいて、スシローペロペロ事件のように、
「これをやったらこれくらいの賠償が発生しますよ~」と周知しておくのが大切なのだ。
それに加え、現代は気軽に炎上する土台が完全に出来上がっていることもある。
ご所属のアイドルの方々に、「SNSリスクマネジメント検定」や、「SNSリスク管理士検定」を受けさせてみるのも大事なのではないだろうか。
おわりに
後半かなり駆け足になってしまったが、いかがだっただろうか。
アイドルの彼氏問題は、かれこれ数十年前、いやもっと前から根強い問題として議論されてきたものである。
ただやはり、アイドル本人たちと、提供されるイメージを結び付けて考える人が多く、この問題の複雑さ、解決の難しさを感じるばかりだ。
私が伝えたいことは、アイドルに彼氏がいるのが良いとか悪いとかではない。
社会人、もっとリスクマネジメントをしっかりやれ。
全員もうちょっと情報漏洩とかそういうのに気を配れ。
気軽に第三者に社外秘の情報を提供するな。
潜在リスクを社内に秘密にしたままプロジェクトをやるな。
報告・連絡・相談はこまめにやれ。
以上である。
アイドルである前に、人であり、
アイドルである前に、社会人なのである。
まずは名刺交換から、一緒に社会勉強をしていこう。
それではまたいつか。ゲゼノでした。
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