【バーティカルSaaSスタートアップ調査】 2021年7月第4週に調達している世界の注目事例5選!vol.08
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【バーティカルSaaSスタートアップ調査】 2021年7月第4週に調達している世界の注目事例5選!vol.08

皆さん、こんにちは🙇‍♂️
Gazelle Capital アソシエイトの山木です。
遂に先週末から東京オリンピックが開催されましたね!
さて、今週も海外のバーティカルSaaSスタートアップの中でも個人的に気になったところを5社ピックアップしてご紹介していきます。
小売事業者の返品の作業コストを削減するSaaSや、経費報告を自動化するSaaSなどご紹介しています!

①SMB向け人事・給与計算・福利厚生をカバーするE2Eのプラットフォーム「Employment Hero」

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https://employmenthero.com/

設立🏢:2014
拠点🏠:オーストラリア
調達日🕑:2021/07/20
調達額💰:$103M
ラウンド🚉:シリーズE
今回の投資家👤
(リード)Insight Partners

【事業内容】
「Employment Hero」は、SMB向けに人事・給与計算・福利厚生を自動化するE2Eのプラトフォーマーです。
人事面では、採用の際に15種類以上のジョブボードに求人広告を掲載し応募者を管理でき、そこからオンライン上で契約の部分を迅速に完了し、オンボーディングも簡単に済ませることが可能です。
また、給与管理の面では自動で給与計算できる機能だけではなく、従業員はモバイル上での休暇申請が可能で従業員の休暇を管理できるなど、業務効率化も促しています。
また、記事によると今回のファイナンスにおいての投資家である「Insight Partners」から資金調達しないかというコミュニケーションがあったようで、海外投資家が早めのラウンドを仕掛けてリードを取るという流れを顕著に表しているようなファインナンスになっているのではないでしょうか。
今回取り上げている、「Employment Hero」はSMB向けのサービスですが国内のSMBの動きを見ていきたいと思います。中小企業庁のレポートではコロナの影響によりデジタル化に対する優先度について、デジタル化の優先順位を高い、やや高いと答えた割合が感染流行前では全体の50%に満たなかったものが感染流行後では60%を超えるなど、デジタル化への意識が高まっているのは事実なようです。

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/07/20/smartrecruiters-raises-110m-at-a-1-5b-valuation-to-expand-its-end-to-end-recruitment-platform/

②建設商品の店頭ソリューション「Brokrete」

スクリーンショット 2021-07-25 9.20.24

https://brokrete.com/

設立🏢:2017
拠点🏠:カナダ
調達日🕑:2021/07/20
調達額💰:$3.2M
ラウンド🚉:シード
今回の投資家👤
(リード)
Xploration CapitalMaRS Investment Accelerator FundL-SPARK
(その他)
Ronald RichardsonY CombinatorAvlok Kohli

【事業内容】
建設企業においてDX化は遅れていると言われています。建物を建てる際、コンクリートやレンガが必要になるたびに仕入れの交渉をしなければならずそして同時に記帳もしなければなりません。
今回紹介する「Brokrete」はその注文と管理の煩わしさを解消し、建設のshopifyを目指しています。
「Brokrete」のプラットフォームは、業界固有の販売と注文の管理をオンラインで行います。サプライヤーはiOSやAndroidのアプリでECを動かし、顧客からのオフラインの注文を受け取ります。また、アプリはオーダー管理や支払いと発送、ロジスティクスそしてリアルタイムでの配達を行います。さらに「Brokrete」は財務とオペレーションの基幹システムも統合しています。
現在1000社あまりの請負建設企業を顧客としており、250社あまりのサプライヤーのネットワークを構築しています。「Brokrete」のプラットフォームによって自分自身のオンラインチャンネルを作ることができ、何千何万という今までオフラインだった企業が、オンラインでオーダーを受け取るようになるのなるのです。

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/07/20/brokrete-wants-to-be-the-shopify-of-construction-raises-3m-seed-led-by-xploration-capital/

③ShopifyコミュニティでEC事業者の返品コストを削減する「Loop Returns」

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https://www.loopreturns.com/

設立🏢:2017
拠点🏠:米国
調達日🕑:2021/07/21
調達額💰:$65M
ラウンド🚉:シリーズB
今回の投資家👤
(リード)CRV
(その他)ShopifyRenegade PartnersFirstMarkRidge VenturesPeterson VenturesLerer Hippeau

【事業内容】
これを読んでいる読者の皆さんも、ECサイト上でいざ商品を購入してみるとサイズが合わなかった、思っていた色と違ったという理由で返品したいと思う体験をしたことがあるのではないでしょうか?
「Loop Returns」はそんなECの返品の体験を向上させるSaaSプロダクトを提供し、返品に伴うコストを削減させています。
当社のサービスは、Shopifyを利用してEC上で販売しているブランドのみ導入可能で、当社サービスを導入しているブランドで返品をする際には、消費者が返品すると返金されてして現金が帰ってくるという仕組みだけでなく、そのブランドの他の商品を購入できるような仕組みになっているので返品による機会損失を防ぎ、リピーターの向上を促すことでLTVの向上にも繋がるなど、このサービスを導入しているブランドは業務効率化に加えて、LTV向上にも繋がるメリットが提供されるのです。
WWDジャパンによるとコロナ禍の影響でECの売上が伸びていることに影響してアメリカの2020年の返品数も増加の傾向にあり、ECの売上5650億ドルのうち、その18.1%に当たる1020億ドルが返品されたようです。
国内のEC市場はコロナ流行前の経済産業省のデータでさえ増加傾向で約10兆円ほどであり、コロナ後さらに伸びていることが見込まれるので、今後さらに返品数は増加していると考えられるのではないでしょうか。
実は、弊社の投資先ANVIE社もこの領域の課題解決に取り組んでおり、返品交換自動化SaaS「Recustomer」を提供しています。ぜひ、返品のコストを削減したい小売事業者の皆さんはANVIEさんへご連絡を!

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/07/21/loop-returns-locks-in-65-million-series-b-led-by-crv/

④プリペイドカードと連動して、経費を追跡する「Soldo」

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https://www.soldo.com/en-eu/

設立🏢:2014
拠点🏠:英国
調達日🕑:2021/07/21
調達額💰:$180M
ラウンド🚉:シリーズC
今回の投資家👤
(リード)Temasek Holdings
(その他)Sunley House Capital ManagementDawn CapitalCiti VenturesBattery VenturesAdvent InternationalAccel

【事業内容】
従業員に自動経費管理システムと連動したプリペイドカードを発行し、経費の管理・追跡するプラットフォームを提供しており、APIを通じて自動で会計システムとも連動しているので経費管理の時間を短縮してくれます。
中小企業だけではなく、大規模な多国籍企業にも使用されるこのサービスは、規模の大きさに関わらず30ヶ国で26,000社以上の顧客を抱えており、その中にはドイツの自動車ブランドのメルセデス・ベンツも名を連ねています。
使用の流れとしては、
①従業員にプリペイドカードを発行する
②カードとSoldoのモバイルアプリを連動させる
③カードで買い物するたびにそのカードで支払い、レシートを撮影すると自動で経費報告完了
というように、経費報告を簡単に行うことが可能で先日こちらのnoteで紹介している「Pleo」と、経費報告の体験の流れもほとんど一緒であることがわかります。
欧州では経費管理は巨大な市場であり、1,700億ドルと言われていますが日本はどうでしょうか。デロイト トーマツ ミック経済研究所によると、2020年の経費精算市場規模は256.4億円(前年比131.8%)で、着々と市場は伸びているようです。また日本でSoldoと類似のサービスを提供しているのは、「Concur Expense(経費精算・経費管理)」などを提供する株式会社コンカーであり、国内経費精算市場において50%以上のシェアを獲得しているようです。

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/07/20/soldo-raises-180m-for-its-expense-management-platform-for-businesses/

⑤デスクレス労働者のタスク管理、コミュニケーション、トレーニングを行う「YOOBIC」

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https://yoobic.com/

設立🏢:2014
拠点🏠:イギリス
調達日🕑:2021/07/23
調達額💰:$50M
ラウンド🚉:シリーズC
今回の投資家👤
(リード)Highland EuropeInsight PartnersFelix CapitalPetribox
(その他)BNF Capital

【事業内容】
コロナ禍において世界中で多様な働き方が受容されるようになり、日本も多くの企業がリモートワークの推奨を始めました。
「YOOBIC」はこのような状況下 デスクレスの従業員のタスク管理、モバイル学習、コミュニケーションなどを最適化するためのデジタルワークプレイスを提供しています。
拠点であるロンドン以外にニューヨーク、パリ、テルアビブ、サンパウロ、ミラノに拠点を置き、200人以上の従業員を擁するYOOBICは、Boots薬局チェーン、Lancôme、Lacoste、Kate Spade、Puma、Canada Gooseなど、世界中の150を超えるブランドと小売店で使用されています。
現在、推定27億ものデスクレスの労働者が世界の労働力の80%以上を占めていると言われています。しかしデスクレスの労働者が大多数であるにも関わらず、IT予算の1%しかそれらに対して費やされていないと言います。上記の現状かつコロナがまだ収まらず定着した新しい働き方により、この分野においてさらなる企業からの投資が見込めるのではないでしょうか?

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/07/22/yoobic-raises-50m-for-its-chat-and-communications-app-app-aimed-at-frontline-and-service-workers/

今週もここまで読んでいただきありがとうございます🙇‍♂️
以上が2021年7月第3週に調達している世界の注目事例5選でした!
投資家側からの提案で前回のファイナンスから僅か4ヶ月で調達している「Employment Hero」は、今回の投資家である「Insight Partners」が事前にコミュニケーションをとって狙っていたのかが窺えますね。
Gazelle Capitalは今回ご紹介したような既存産業に対するソリューションとしてSaaSを提供しているスタートアップに多く投資をしております。
この事業領域で起業を検討中の方や、このような領域で起業されている方はぜひGazelle Capitalの問い合わせフォームまたは山木のTwitterにてDMでご連絡くさだい!

その他、海外SaaSスタートアップ調達ニュースはこちら⏬

ACHを中心とした高速決済を企業が構築・促進するためのAPIを提供「Dwolla」
拠点:米国 調達額:$21M ラウンド:不明

エンドツーエンドの採用プラットフォームを提供「SmartRecruiters」
拠点:米国 調達額:$110M ラウンド:シリーズE

ユーススポーツ組織のオペレーティングシステムを提供「LeagueApps」
拠点:米国 調達額:$15M ラウンド:シリーズB

データと機械学習をベースにした不動産査定サービスを提供
「PriceHubble AG」

拠点:スイス 調達額:$34M ラウンド:シリーズB

レストランとサプライヤーをつなぐデジタルプラットフォームを提供「Choco」
拠点:ドイツ 調達額:$100M ラウンド:シリーズB





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