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【バーティカルSaaSスタートアップ調査】 2021年6月第3週に調達している世界の注目事例5選!vol.04

皆さん、お疲れ様です!
Gazelle Capital アソシエイトの山木です。
今週も海外で資金調達をしたバーティカルSaaSスタートアップをご紹介し、ニュース形式で発信していきます!
関連領域で起業している方・起業準備中の方ぜひ、こちらにご連絡ください!

①SaaS企業の税金の計算や送金を一元化するSaaSを提供「Anrok」

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https://anrok.com/

設立:2020
拠点:米国
調達日:2021/06/14
調達額:$4.3M
ラウンド:シード
今回の投資家:(リード)Index VenturesSequoia Capital

【事業内容】
アメリカでは、州ごとにSaaS企業に対する課税規則が違い、またSaaS企業は顧客の所在地で税金を納めなければいけないので、その決済・計算などは大変面倒なようです。
そこで「Anrok」はAPIを介して税金の決定、計算、管理を可能にするSaaS企業向けのSaaSを提供しています。
APIを介してSaaS企業の見積書、請求書、および決済システムに連携し、登録・支払いのプロセスを自動化することで、その納税までの業務のプロセスを効率化させています。また、プライシングは課税対象となる売上ごとの従量課金制で、課金率は売上高に応じて下がり売上高の0.19%を超えることはないので、比較的導入しやすい金額の設定になっています。
日本では、都道府県ごとにSaaS企業の課税規則が異なるといったことはありませんが、現在市場を大きく拡大しているSaaS企業向けのSaaS(SaaS for SaaS)という比較的新しいジャンルは国内でもどんどん出てくるのではないでしょうか。
Coral Capitalさんも『SaaS市場拡大で伸びる「SaaS for SaaS」という新領域』という題でSaaS for SaaSについての記事をまとめていらっしゃいましたが、国内のこの領域も注目ですね!

記事リンク:https://www.finsmes.com/2021/06/anrok-raises-4-3m-in-seed-funding.html

②EC事業者の簿記のプロセスを自動化するSaaSを提供「Synder 」

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https://synderapp.com/#home

設立:2016
拠点:米国
調達日:2021/06/15
調達額:$2M
ラウンド:シード
今回の投資家:(リード)TMT Investments venture fund

【事業内容】
EC領域で、15年以上の経験を持つMichael AstreikoとIlya Kiselによって設立された「Synder」は、EC事業者に特化した簿記のプロセスを自動化する会計SaaSを提供しています。
簿記のプロセスを簡潔にすることで業務効率化だけでなく、事業者側が様々なチャネルで販売をしている場合でもShopify・Amazon・WooCommerceといったEC販売プラットフォームや、PayPal、Squareといった決済システムと連携できる為、全ての取引をこのサービスを通じて管理することも可能です。「Synder」は、2020年に数千にも登るEC事業者に対して、$1Bもの取引を処理するなど顕著な伸びも見せています。
また、プライシングプランは3つあり月額$19.99・月額$39.99・月額$199.99、それぞれに応じて対応できる取引量や決済プラットフォーム数が変化する形になっています。
国内では、クラウド会計ソフト 「freee」と、クラウド型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」とのシステム連携を行う freee専用「会計ソフト連携アプリ」が開発されていますが、どの販売チャネル・決済システムにも対応したECに特化したSaaSは出てくるのか注目ですね!

記事リンク:https://finance.yahoo.com/news/saas-startup-synder-raised-2m-123900235.html

③先生と生徒を繋げる、宿題・テストの管理SaaS「Formative」

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https://goformative.com/

設立:2013
拠点:米国
調達日:2021/06/16
調達額:$70M
ラウンド:不明
今回の投資家:(リード)Emerson Collective
       (その他)Fika VenturesMac VenturesRethink Educationなど

【事業内容】
皆さんも小中高生の時のテストは、紙が配られ鉛筆で記入するような形式で行われていたのではないでしょうか?
そこをオンライン化し宿題・テストの作成・管理・配布できるSaaSを提供して、レガシーな教育現場をDXしているのが「Formative」です。
先生はオンライン上で、設問のフォーマットや解答のフォーマットを選択し簡単にテストや宿題が作成できるだけではなく、生徒の解答や進捗度の確認、生徒にフィードバックを送るといったコミュニケーションを図ることまで可能なプロダクトになっています。
コロナウイルス流行の影響でオンラインでの授業が行われることが多い現代で、昨年は400万人以上の生徒がこのプラットフォームを利用し、年間の経常収益は約700%の成長する伸びを見せています。
日本で類似サービスをあげるのなら、学校・塾・語学教室などの教育機関向けを中心に学習支援SaaS「Monoxer」を提供しているモノグサではないでしょうか。昨年4.4億の調達を完了している当社ですが、自分自身もこのサービスを学生時代非常に使ってみたかったです笑

記事リンク:https://finance.yahoo.com/news/formative-announces-70-million-minority-110000906.html

④保険会社が損傷を特定し、修理費用を予測するSaaSを提供「Tractable」

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https://tractable.ai/

設立:2014
拠点:英国
調達日:2021/06/17
調達額:$60M
ラウンド:シリーズD
今回の投資家:(リード)Insight PartnersGeorgian Partners

【事業内容】
事故で損傷した車両を写真からAIがスキャンを行い、保険会社が修理費用を計測できるSaaSを提供しています。
事故を起こしてしまった車の所有者が写真を撮影し、モバイルのWebサービスにアップロードすることで瞬時に、どのくらいの被害なのかを計算してくれます。保険会社の業務効率化だけではなく、事故を起こしてしまった本人の不安をいち早く取り除くことで顧客体験も向上もできているのではないでしょうか。
このサービスは、過去24カ月間で売上が600%増加を見せるほど成長させており、現在では日本にもマーケットを進出させ、「東京海上日動」「三井住友海上火災保険」「あいおいニッセイ同和損保」といった国内の大手保険会社にも提供を開始しています。
当社は日本を高齢化社会であることに加えて、携帯電話の利用率が非常に高い国である点からアメリカよりも大きな市場であると考えているようで、日本での事業展開に力を入れているようです。
また、今回の資金調達を通じて評価額が$1Bに達したことでユニコーンの仲間入りを果たしました!

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/06/16/tractable-raises-60m-at-a-1b-valuation-to-make-damage-appraisals-using-ai/

⑤トラック運送会社の安全管理を支援するハードウェアとSaaSを提供「KeepTruckin」

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https://keeptruckin.com/

設立:2013
拠点:米国
調達日:2021/06/18
調達額:$190M
ラウンド:シリーズE
今回の投資家:Greenoaks CapitalIndex VenturesIVP
                           Scale Venture PartnersG2 Venture Partners

【事業内容】
評価額は$2Bを超え、ユニコーンの仲間入りも果たしている「KeepTruckin」は元Khosla Venturesのキャピタリストで、「Instacart」や「Indiegogo」の投資を行なってきたShoaib Makaniによって設立されました。
トラック運送会社向けにドライバー・車両の安全を管理するハードウェアとSaaSを提供しています。ドライブレコーダーのデータによるドライバーの運転スキルのスコア化や安全性の向上、ハードウェアデバイスと連携しGPSでリアルタイムでドライバーを管理することで最適なルートへ導いたり、IFTAリポート(燃油税に関する監査のためのリポート)が作成ができるといった機能を備えて、これらを一元化しています。
実際にこのプロダクトを導入している企業では、年間32%の事故を減少するなど成果も出ており、業務効率化だけではなく、安全性を向上させるという付加価値を与えています。
「KeepTruckin」は、トラック輸送の需要がドライバーの供給を上回り続ける中で、このような技術をいずれは自動運転車両にも導入し、運転の安全性を向上させていくことを目指していくようです。

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/06/17/keeptruckin-raises-190-million-to-invest-in-ai-products-double-rd-team-to-700/

以上、2021年6月第3週に調達している世界の注目事例5選でした!
Gazelle Capitalは、日本を築いてきた国内産業をインターネットの力で変革していくスタートアップを支援するシードVCです。
お気軽にDMでご連絡,お問い合わせください!!

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