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【バーティカルSaaSスタートアップ調査】 2021年6月第4週に調達している世界の注目事例5選!vol.05

皆さん、お疲れ様です!
Gazelle Capital アソシエイトの山木です。
今週も海外で資金調達をしたバーティカルSaaSスタートアップをご紹介し、ニュース形式で発信していきます!
関連領域で起業している方・起業準備中の方ぜひ、こちらにご連絡ください!

①在宅介護事業者向けSaaS「AlayaCare」

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https://www.alayacare.com/

設立:2014
拠点:カナダ
調達日:2021/06/23
調達額:$225M
ラウンド:シリーズD
今回の投資家: (リード)Generation Investment Management LLP
           (その他)Klass CapitalInovia CapitalCDPQInvestissement Québec

【事業内容】
2025年、所謂「団塊の世代」と呼ばれる方々800万人が後期高齢者(75歳以上)となると言われており、このことが訪れることで生じるさまざまな影響を指す「2025年問題」が日本でも取り沙汰されています。
そのような高齢化社会に向かっている中で、「AlayaCare」は在宅介護事業者向けに従業員の訪問のスケジュールを管理し、請求書と給与などの管理タスクも効率化させるSaaSを提供することで、従業員不足といった課題解決に取り組んでいます。
専用のモバイルアプリと連携して、従業員が事業者側から送られてきたスケジュールやシフトのオファーを簡単に確認できたり、サードパーティのAPIとの統合が可能で、顧客が既存のシステムに総合的に使用できます。
現在、500以上の事業者にこのSaaSは使用され10億人以上の患者をサポートしているようです。
超高齢社会を迎える日本ですが、介護領域のスタートアップは退院後や在宅療養が困難な要介護者と介護施設をマッチングするサービスを提供する「KURASERU」や、仕事を探しているヘルパーとヘルパーを募集している介護事業所をマッチングするサービスを提供する「みーつけあ」のようなマッチングサービスが立ち上がっており、他にはデバイスを使って高齢者の日常生活をサポートするといったサービスもあります。
今回取り上げた、「AlayaCare」のように訪問介護事業者のバックオフィスの業務効率化という文脈のサービスは既存のサービスが横展開してくるのか、はたまた違う切り口で展開されるのか楽しみですね!

記事リンク:https://www.businesswire.com/news/home/20210623005361/en/AlayaCare-Raises-225-Million-to-Accelerate-the-Digital-Transformation-of-Home-Health-Care

②E2Eで輸送の管理をするSaaS「Forto」

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https://forto.com/en/

設立:2016
拠点:ドイツ
調達日:2021/06/23
調達額:$240M
ラウンド:シリーズC
今回の投資家: (リード)SoftBank Vision Fund
              (その他)UnboundNorthzoneInven CapitalH14
G SquaredCiti VenturesCherry VenturesCavalry Ventures

【事業内容】
「Forto」は中国と欧州間を中心として出発地から目的地までの移動をエンドツーエンドで管理するプラットフォームを提供しています。
貨物のサイズや集配場所などを記入して即時に見積もりを出し、そこから比較して陸・海・空それぞれからニーズにあったプランを選ぶことが可能で、そのコストの内訳までもみれるなど透明性も非常に高いものになっています。
また、リアルタイムで積荷がどこにあるのかの把握や、関係者間のコミュニケーションコストを削減するために、「Forto」のサービス上で、簡単にコミュニケーションが取れる取れることを可能にしています。
今回の調達では、ソフトバンクビジョンファンドがリード投資家として参画しており、評価額は$1.2Bに達するなど今回の調達でユニコーンの仲間入りも果たしました!
国内の類似例で挙げるとするならば、デジタルフォワーディング事業を展開する「Shippio」ではないでしょうか。2019年にはシリーズAで10.6億円の調達を完了しています。

記事リンク:https://finance.yahoo.com/news/freight-tech-startup-forto-raises-061859473.html

③グローバルに従業員を抱える企業向け人材管理SaaS「Oyster」

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https://www.oysterhr.com/

設立:2019
拠点:米国
調達日:2021/06/23
調達額:$50M
ラウンド:シリーズB
今回の投資家:(リード)Stripes
          (その他)EmergenceCapitalThe Slack FundAvidVentures

【事業内容】
このサービスは、当社のCEOであるTony Jamesが最初に起業したときにグローバルな人材を雇用すると、国ごとに法規制が違うことによる契約や税金などのプロセスの難しさに課題を感じたことが原体験になっているようです。
そこで、「Oyster」は本国以外で働く契約社員や正社員の雇用、オンボーディング、給与計算、福利厚生、給与管理を支援するサービスを提供しています。
採用も数週間かかっていたところを数日で完了するまでに時間を短縮し、給与を支払うときにも本国の通貨から社員がいる国の通貨に自動で変換、それぞれの国の法律面の問題も解決することが可能です。
マネタイズは契約社員の場合、月に従業員1人あたり$29、正社員の場合は$399と、あとは自分たちが使用したい機能だけをカスタマイズできる従量課金制のプランになっています。また、無料でいくつかの機能は使えるようにもなっているようです。
現在、このサービスはインド、エジプト、ペルー、フィリピン、レバノン、タイ、ナイジェリアなど世界で91カ国に展開されており、収益は年初から8倍に増加するなどコロナの影響もあり大きな成長を見せています。

記事リンク:https://finance.yahoo.com/news/oyster-hr-platform-distributed-workforces-161215935.html

④教育事業者向けモバイルSaaS「Classplus」

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https://classplusapp.com/

設立:2018
拠点:インド
調達日:2021/06/23
調達額:$35M
ラウンド:シリーズC
今回の投資家:(リード)Tiger Global Management
          (その他)GSV VenturesAlpha Wave Incubation
Blume VenturesRTP Global

【事業内容】
先週の記事でも、先生と生徒を繋げる、宿題・テストの管理SaaSを提供する「Formative」を紹介しました。同じ教育事業者向けではありますが今回紹介する「Classplus」は塾や家庭教師のような民間の教育事業者へのモバイルSaaSを提供しています。
機能としては、コンテンツ配信や生徒とのコミュニケーション、生徒の評価といった教育の業務に関わること以外にも、決済などのプロセスも効率化できるものになっています。
2020年上期のインド全体のVC投資のうちEdTechスタートアップは17.2%を占めるなどVCから大きな1つの投資ターゲットになっているインドのEdTech市場ですが現在、「Classplus」は1,000人以上の家庭教師や塾の講師に使用され1,500の都市で、2,000万人の生徒に提供されています。
過去には、プレシリーズAでの投資で日本のSTRIVEが出資していたり海外大手VCのSequoia Capitalからも出資を受けている当社は新たに今回でTiger Globalからも出資を受けました。
こちらにも大きな注目が集まります!

記事リンク:https://www.businesswire.com/news/home/20210623005203/en/Sendle-Raises-35-Million-Series-C-Led-by-Afterpay-backed-AP-Ventures-to-Reshape-Package-Delivery-for-Small-Business

⑤マイクロモビリティのシェアリングサービス事業者向けSaaS「Joyride」

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https://joyride.city/

設立:2014
拠点:カナダ
調達日:2021/06/23
調達額:$3.7M
ラウンド:シード
今回の投資家:(リード)Proeza VenturesUrbanInnovation Fund                                     (その他)Liil VenturesTwoSmall Fish Ventures、Craig Miller(元Shopify CPO)

【事業内容】
先日、電動キックボードのシェアリングサービスを提供する「Bird Rides」がSPACによる買収を通じて、ニューヨーク証券取引所に上場する計画を発表していましたが、実際にコロナのパンデミックにより出勤などの手段として、電車といった公共交通機関を利用する代わりに電動自転車や電動スクーターといったマイクロモビリティのシェアリングサービスを利用する人が海外でも急増したようです。
そういった流れのなかで「Joyride」は、マイクロモビリティのシェアリングサービスの立ち上げ・管理・拡張をサポートするホワイトラベル版のアプリを提供しています。イメージとして近いのは、Shopifyのマイクロモビリティシェアリングサービス版という感じでしょうか。
当社のプラットフォームでは、アプリを通じてリアルタイムのGPSトラッキングや、サービスの稼働範囲、使用されている傾向の分析、決済などを機能として付けることでマイクロモビリティサービスの管理を簡単にしています。
現在このサービスは世界で南極以外の大陸には進出し、160以上のマイクロモビリティのシェアリングサービス事業者に使用されているそうです。
先日、資金調達を発表した「LUUP」を先駆者として日本国内でもマイクロモビリティのシェアリングサービス事業は拡大していますが、日本版「Joyride」が出てくるのか楽しみです!

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/06/22/micromobility-software-provider-joyride-raises-3-7-million-seed-round/

以上、2021年6月第4週に調達している世界の注目事例5選でした!
Gazelle Capitalは、日本を築いてきた国内産業をインターネットの力で変革していくスタートアップを支援するシードVCです。
お気軽にDMでご連絡,お問い合わせください!!

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