仏領インドシナ連邦の基本情報

 浅学非才の平凡な主婦が、どういった縁か不思議な現象に促されて、本を翻訳出版したり、こうやって文章を書いたりしているのか。はっきり言って、私本人にも分かりません(笑)。ただ、全て何事かの力に動かされている様に思います。もうそろそろ出番が来たのだ、ベトナム志士達もそれを望んでいるのだ、そしてその白羽の矢が当ったのだから、やらねばならぬ。そう自分自身で思い込むことに決めました。。。

 ベトナム史に興味を持って頂いた方の為に、当時の仏領インドシナ(仏印)の基本情報を纏めて置きます。私の本、ベトナム英雄革命家 畿外候彊㭽 - クオン・デ候: 祖国解放に捧げた生涯 | 何 祐子 |本 | 通販 | Amazonを読んで頂いた方は、改めて歴史背景の確認をして頂けると思います。当時の歴史的基本情報が欠けては、遥か前の遠い異国の史実理解は中々難しいものがありますので、これら基礎情報を補足確認として、より深く理解して頂けることと思います。

 参考にした仏印基本情報は、昭和15年(1940)、地理教育研究会発行の『地理教育 佛領印度支那研究号』。**************

仏領インドシナ連邦の行政組織

*正式名称:フランス領インドシナ連邦       *各邦構成:コーチシナ(南部)・東京(トンキン 北部)・安南(中部)・カンボジア・ラオス・広州湾の全部で6邦  *各邦内訳:                   コーチシナ:フランスに割譲、純粋の仏国領土。   東京・安南安南帝国領土でフランスが保護権を持つ保護領。                      カンボジアカンボジア王国領土フランス保護領。 ラオス:以前若干の小土候が土地を割譲。仏国が主にルアン・プラバン王国やその他の土地を保護領とする。 広州湾:支那からの租借地             *仏印総括統治者:総督(フランス国閣議を経て大統領令を以て任命)
*総督附属の会議機関:総督府会議・財政経済高等会議
  (これら諮問機関の総督補佐に総務長官が当たる)
*各邦行政長官(これ以下は、ベトナム帝国情報のみ。):
   ‐コーチシナ:知事
   ‐安南、東京(トンキン):理事長官
*各邦行政長官附属の会議機関:
   ‐コーチシナ:機密会議・植民地会議
   ‐安南、トンキン:保護領会議・仏人財政経済会議・人民代表会議
*安南:君主は『皇帝』と称し、その下に内務・文部・財務厚生・司法・土木・美術・祭祀の6大臣。安南政府の国務範囲は、一切を理事長官の補佐による。
*東京:理事長官が仏国代表者として保護権と、安南帝国からの受任者として統治権を兼任。保護領と云えども実態はフランスの統治権限はコーチシナに近い。
*第2次以下地方行政組織:
 ‐コーチシナ:21省(各省の省長→省事務官=仏人官署) 
 ‐トンキン:23省(各省の省長→理事官=仏人官署)
 ‐安南:18省(同上)
 ‐ハノイ・ハイフォン・サイゴンは市(市長が市会議長=仏人官署)  
 ‐安南・トンキンには仏人官署以外に土民官署も置く:総督(大省)と巡撫(小省)
*第3次以下地方行政組織(仏人職員は無し):
   ‐コーチシナ:省の下に総(該総、副総)。更に村(村会と社長)
   ‐安南・トンキン:省を分けて府(知府)、又は県(知県)。辺境地方で州(知州)。府・県・州の下に総(正総、副総)、更に社・村・廊(里長、副里)

附言:安南民族居住地方の村は、国家並びに社会組織上相当重要なる意義を有するものであるから、此等は充分考究の必要がある。」

仏領インドシナと戦前の日本人|何祐子|note
ベトナム英雄革命家 クオン・デ候 祖国解放に捧げた生涯|何祐子|note




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