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SIは見た No.24『井の頭公園』の場合

私たちは今、どんな時代を生きているのか──。サンデー・インタビュアーズ(SI)とは、そんな問いを探求するロスジェネ世代の余暇活動です。

月に一度の日曜日、6人のメンバー*は84巻あるホームムービー*をひとつずつ紐解きながら、オンライン上で話し、聞き、考えます。

今月(2022年10月)のお題は、No.24『井の頭公園』。さて、そこには何が写っているのでしょうか。メンバーの言葉を紹介します。

*本テキストはSIが毎月行うオンラインワークショップの記録です。
*メンバーは2022年度の公募で集いました。
*ウェブサイト『世田谷クロニクル1936-83』をご参照ください。

No.24『井の頭公園
撮影時期|昭和35年11月27日
撮影場所|井の頭公園、多磨霊園、自宅(船橋)
井の頭公園やお墓参り、家での団欒を提供者の父(47歳)が記録。「逆再生で兄が消えたり、祖母が手品をしたり。お酒が好きだった祖父もここにはいる。父の手作りの麻雀牌でよく家族麻雀をやった。母の竹細工の花器を割って、セルロイドの下敷が貼られ、牌は手彫りの字や絵があつらえてあった」。

『世田谷クロニクル1936-83』より

00:26

「井の頭公園、現在とさほど変わらない印象。でも今は池の鯉に餌をやる人はあまり見かけないような…。私が気に留めなくなっただけかもしれないけど」

「橋の欄干が本物の丸太なのか丸太を模した鉄筋コンクリート製なのか気になった。後者は現在よく見るものだが、この当時からあったとすると少し驚きだ」

05:34

「楽しそうなお墓参りの様子」

「ジャンパースカート? 肩紐が背中でクロスされていて、昭和50代まであったような形なのかな!? 私もよく着させられた」

「広くて立派なお墓。単に墓石が建っているだけなのと、このように広いスペースが有るのとではお墓参りの方法も家庭内での意味合いもかなり違いそう。別の女の子も制服で来ているので、当時の中高生の正装=制服ということなのだろう。当時の正装すべきTPOが具体的にどんなところだったのか興味が湧いた」

08:28

「瞬間移動すごい。楽しそうな表情」

「消えたり出たり。8ミリの撮影を楽しんでる。編集に意識的だ」

09:25

「スマホの画面で映像を見ていたのだけど、なんの踊りだろうと思って反射的に音量ボタンを押したくなった。もしかして手で持って映像を鑑賞していたからかも」

「何のお遊戯だろう? はじめは象さんの鼻みたい」

10:55

「家族で麻雀。うちもよくやった」

「こたつで麻雀。雀荘などでは椅子に座ってテーブルで麻雀をするが、床に座ってテーブルを囲ってする麻雀の図がしっくりくる感じがあった。これだけお互いに距離が近くても不自然に見えない不思議」

11:54

「おばあちゃんの顔のアップが長めにクロスフェードしてくる独特のセンス。思わず笑ってしまった」

「多重露出を入れて、実験的な撮影を楽しんでる」

「すごく楽しそうに演じているお婆ちゃん。みんなで8ミリを楽しんでいる感じが伝わってくる」

「逆再生かと思っていたら、逆再生で撮影していた場合、皿が割れたりするから、本当に手品をしているように見えた。二重で騙されている感じがした」

次回(2022年11月)は、No.48『No.1』をみんなで見ます。

サンデー・インタビュアーズとは
昭和の世田谷を写した8ミリフィルムを手がかりに、“わたしたちの現在地” を探求するロスト・ジェネレーション世代による余暇活動。地域映像アーカイブ『世田谷クロニクル1936-83』上に公開されている84の映像を毎月ひとつずつ選んで、公募メンバー自身がメディア(媒介)となって、オンラインとオフラインをゆるやかにつなげていく3つのステップ《みる、はなす、きく》に取り組んでいます。本テキストは、オンライン上で行うワークショップ《STEP-2 みんなで“はなす”》部分で交わされた語りの記録です。サンデーインタビュアーズは「GAYA|移動する中心」*の一環として実施しています。https://aha.ne.jp/si/

*「GAYA|移動する中心」は、昭和の世田谷をうつした8ミリフィルムのデジタルデータを活用し、映像を介した語りの場を創出するコミュニティ・アーカイブプロジェクト。映像の再生をきっかけに紡がれた個々の語りを拾い上げ、プロジェクトを共に動かす担い手づくりを目指し、東京アートポイント計画の一環として実施しています。

主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、公益財団法人せたがや文化財団 生活工房、特定非営利活動法人記録と表現とメディアのための組織[remo]