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ノンケがゲイになってた

僕が大阪に遊びに行ったときの話です。
大阪だけじゃなく、西日本の方言はなんだか温かみもあるし、なんだか温かい人が多いイメージがあるので好きです。あと、やんちゃな言葉遣いも個人的に大好物です。今回はそんな西日本の大阪での出来事です。

関西弁がコッテリ味のノンケ

大阪のとあるバーで知り合った彼の名前は悠馬(仮名)。
ゲイバーに入って席についた途端に「めっちゃエロいですね」と初めて声をかけてきました。コッテリ味の関西弁でオラオラ口調。
僕もそのお店に入ってすぐ彼を見つけて、かっこいいし、かわいいなって思ってたので願ったり叶ったりの展開。
自分を下げて面白おかしく話す関西特有のフランクなコミュニケーションで、会話も弾みました。
日に焼けた肌と声が透き通ってるけどハスキーな声にも惹かれました。

1人でポツンとしてるのころをみかける

ゲイバーを出たあと、僕は少し大阪観光も兼ねて街の写真を撮ったりしてたらいつのまにか電車ももう終わりそうな時間になっていました。
そう遠くないし、梅田までタクシーでホテルに帰るか。そう思ってると、先ほど楽しく会話した悠馬がポツンと1人、駅前にいました。
悠馬に声を掛けるとバーの雰囲気とは違い子犬のような雰囲気。
悠馬は家が少し遠く、泉南方面に住んでる。
だから、ひとりでどうしようかと悩んでたように見えました。
僕は「一緒にこの後も飲みに付き合ってくれない?」と知らずうちに口が滑ってました。
お酒の勢いとはいえ、お酒がそうさせたわけではなくアルコールは本性を出すだけです。

みんなの前では気前がいいタイプ

ゲイバーなど大勢でいるところでは気前がよく気さくな関西弁で面白おかしく会話をする悠馬。
2人っきりになると結構静か。
気をつかうタイプなんだろうなぁと思いながら僕は次のお店に向かいました。
タクシーの中の会話は僕も覚えていません。さっきまでガツガツしてた悠馬は子犬のように見えてたのかもしれないです。

彼女がいる彼とホテルで一夜を過ごす

ゲイバーで出会う人に彼女がいるかどうかを気にしたことがありませんでした。
僕のホテルに一緒に帰って一夜を過ごした悠馬は朝になると彼女がいることを話してくれました。
確かに言われてみると全ての違和感はここなのか、と脳内でいろんな点が結ばれていきました。
話し方もノンケっぽいと思ってたし、不慣れな感じはノンケだったからなようです。
僕はそんな悠馬に対して、このままこっちの世界に入ってこないで、彼女と幸せになって欲しいなと思いました。
ゲイの世界は今でこそ少しずつ生きやすくなってますが、結局は孤独です。
いまだに日本では偏見もあるし、法改定もなし。こんな修羅な道を歩くより一晩知り合っただけの彼が片足を突っ込んでいるのを見て、こっちに来ない方が良いのに…そう考えたりしながら見送りました。

再会は突然に

とある日大阪にまた行く機会があり、1人で大阪旅行。
悠馬の連絡先を知っていたけど、声かけてもなあという気持ちがあって誰も誘ってませんでした。
楽しい大阪のゲイトークに花を咲かせてる時、突然「おー!久しぶり!乾杯!」とグラスをカツンと当ててくる人がいて、顔を見るとTくん。

ノンケがゲイに?結構あるある?

自分の記憶はそのままだけど、永遠に変化しないものってないですよね。
再会した悠馬は雰囲気や話し方こそ変わらないものの、色んなことが変化してました。
彼女と別れていたこと、ゲイバーにもすっかり慣れて、ゲイ遊びもこなれていたこと。
前よりもゲイの世界にひたひたに浸かっていました。
実はこのノンケだった人がセクシャリティがゲイになるパターンって僕はよく経験しています。
30代40代でセクシャリティが変わることは別に珍しいことじゃないんじゃないでしょうか。
その時々でセクシャリティが変わるのも全然ありますよね。ゲイだからとかバイセクシャルだからとか、レズビアンだからとか、ってそこで1色に決める必要もないですもんね。

心のどこかの気持ちが整理できた

大阪に行くとき、また会えたらいいなという気持ちというかあの人好きだったなという気持ちがほんのり心の底に置いてあったので再会できたのは嬉しかったです。
それが蓋を開けてみるとゲイになってるし…それですごい楽しそうに過ごしてたので気持ちが整理できました。
僕の記憶はそのまま、その時のままでも、街や人は変化し続けているんです。そこに自分が登場人物じゃないということもわかりました。
ノンケっぽいままだったのでこのまますごくモテそうな予感。

次は大阪に行くとき、誘って一緒に御飯でも行きたいなって思いました。


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