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YC W23 Batch - Peeba

YCの採択企業から個人的に面白いと思ったスタートアップを紹介します。
今回はアジアの小売事業者向けにB2Bで製品の卸売マーケットプレイスを提供するPeeba。香港発のスタートアップということでついにきましたアジア勢。

従来のやり方で小売事業者が消費者に販売する商品を買い付けるためには膨大な時間とコストがかかります。バイヤーが電話や対面のミーティングを通して商品を買い付けるため時間がかかり、国を跨いだ出張が必要になることもしばしば。新しいブランドから新商品を買い付けようと思っても関係構築やサプライチェーンの構築が大変でリスクが高いため、新商品開拓もなかなか捗りません。
国土が広大で言語もバラバラ、支払方法や通貨、物流、商習慣もバラバラなアジアという地域になるとこれらの問題が輪をかけて大きくなります。こうした背景からブランドと小売事業者の関係構築はかなり難しいものとなっていました。

PeebaはワンストップのB2Bホールセールマーケットプレイスを構築することでこの問題を解決します。多くの卸売と小売がいるマーケットプレイスを構築し、機械学習アルゴリズムを導入することで小売事業者が即座に理想のブランドを発見することをサポートします。(→それまでの購買履歴から算出されるレコメンデーション機能と思われます)
また調達プロセスや国際輸送などのサプライチェーンの複雑さも同プラットフォーム上で解決されるとのことです。
さらに、"buy-now-pay-later"オプションと無料返品制度によって、商品が売れなかった場合の小売事業者側の在庫リスクを回避し、積極的に新商品の購買にトライできる環境を構築するとしています。

Y Combinatorサイトに掲載されているUI

実際にオンラインサイトをのぞいてみると、化粧品やパーソナルケア、飲料、デオドラントスプレー、赤ちゃん用品、ジュエリーなどが多く、女性向けブランドを扱うECサイトや小売店がメインターゲットであることがわかります。

実際のPeebaのWebページ

”buy-now-pay-later"と無料返品のオプションは確かに小売事業者側からすると便利で、本当にビジネスとして成立するのか心配になるレベルですが、成り立つとするならかなり魅力的ですね。

2020年創業から現在約3年ですが、現在アジア13カ国、2,500ブランド、100,000商品以上の取り扱いがあるということで急ピッチで成長している様子が見てとれます。

創業者CEOのJacky Laiは過去2つの事業を創業しておりうち一つはECビジネスで売上$40m超の規模まで成長させていたようです。当該事業を運営しているときに発見したペインを解決するソリューションが今回のPeebaのようですね。

Wholesalerにとってこれだけ便利なプラットフォームが提供されてくると小売事業者を省いてD2Cの流れも長期的な目線では加速しそうですが。。。

日本でもすでにPeeba経由の製品が小売で販売されているのかもしれませんね。アジアを席巻するビジネスになるんでしょうか。


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