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YC W23 Batch - Bluedot

YCの採択企業から個人的に面白いと思ったスタートアップを紹介します。
今回はEV(電気自動車)の充電支払いを簡素化し、経費管理を容易にするBluedot。

さて、あなたが電気自動車(EV)のドライバーで、街中を走っているときに突然充電が必要になったとしましょう。どうしますか?まずやるのはGoogle Mapで検索ですかね。確かにガソリン車であればGoogle Mapでガソリンスタンドを検索すれば最寄りのスタンドが見つかりそこにいくだけですが、EVはまだそれほど単純な状況になっていないようです。
EVドライバーは複数のアプリを開いて、最寄りの充電ステーションを探し、さらにそれぞれ支払い方法が異なるのでそれを把握しなければならずかなり面倒なようです。これが現代のEVドライバーが直面している現実です。

2030年までに販売される車の50%以上が電気自動車になると予想されますが、現在EV充電および関連経費の支払い管理インフラは存在しません。
EVの市場は、現在アメリカ新車販売の5%を占め、バイデン政権は2030年までに市場シェアを50%まで増加させるという目標を掲げています。またこれを促進するため、連邦政府はこれらの車用に50万の新しい公共充電ステーションの建設に投資しています。

しかし、充電と支払いに関するいくつかの課題が残っています。
アクセス性の問題:現在、EVドライバーは車を充電するために5〜6種類の異なるアプリやカードを使用しています。これは特に、頻繁に充電が必要なフリートドライバーにとって非効率極まりない。
追跡可能性の欠如:フリートマネージャーやドライバーが、充電タイミングや支出を包括的に把握することが難しい。
経費の払い戻し問題:上記アクセス性と追跡可能性の欠如は、フリートドライバーが充電経費の払い戻し手続きを非効率にしています。また、多くのドライバーは自宅でも車を充電しているため、その線引きが難しくなっておりなおのこと難易度の高い精算プロセスをしています。

Bluedotドライバーアプリでは、EVドライバーはアメリカ全充電ステーションの60%にアクセスすることができ、複数のアプリをダウンロードする必要がなく、EVコストに関する面倒な精算プロセスを省略できます。
また、法人のフリートマネージャー目線でもドライバーがBluedotアプリで一元化して支払いを行うことで、自動車関連の経費をダッシュボードでリアルタイムで一覧管理できるようになり、フリートの効率を改善し、コストを抑制することができます。

創業者の一人であるFerhat Babacanは、ZipcarやBoschでの勤務経験があり、トルコの国家バレーボール選手でもありました。14歳でGoogleやMicrosoftから多くの賞を受賞し、大学時代には気候活動家として多くの研究に参加。ミュンヘン工科大学の修士課程を中退し、高校時代の友人であるSelinay Parlakと共にBluedotを設立しました。
その他Bluedotのチームは、高校時代からの友人であるFerhatとSelinayをはじめ、Zipcar、Bosch、Mercedes-Benzなどの著名な自動車・モビリティ企業での勤務経験を持つメンバーで構成されています。Selinayは複数のEVプロジェクトに携わり、Business InsiderによってEV業界のライジングスターとして認識されており、C40 citiesによるWomen4Climateにもノミネートされています。技術リーダーのEmreとYunusは、マーケティング予算なしで300万人のユーザーにリーチしたアプリケーションを構築しました。

週に40-45%の成長を遂げ、11万ドルのGMVを記録するなど、トラクションは順調。またすでにY Combinator、Axel Springer、Porsche、Ford、TechNexus、DRF、Pritchard Automotiveという著名投資家・OEMからプレシード資金を調達しておりその期待の高さが伺えます。

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