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うつ病、引き籠もり、精神疾患②


太陽が心を救ってくれる

パンの配送の続き。東京の冬の夜明けはとでも美しい。真っ暗だった空が群青色に変わり、やがて太陽が昇る頃になると、空の一点が橙色に染まります。そして、光り輝く太陽が見え始めるとグングン昇ってきます。トラックを止めて昇ってくる朝日を見ては感動していました。「ああ、すごいなぁ!」。

ラジオからルーテルアワーのフレーズが聞こえてきます。「暗いと不平を言うよりも、進んで明かりを点けましょう。私はクリスチャンではありませんが、この言葉は今も私の支えになっています。

もう亡くなられましたが、統合失調症の専門家、中井久夫氏は統合失調症(中井氏は分裂病と言っておられます)病院内に日の光が差し込んでくる明るい病棟を設計しました。心の病には太陽の光がとても重要だと考えていたのです。

ある時、30歳半ばの精神病で長期入院している男性から、退院したいので相談に乗ってくれないか、と電話がありました。そこはとても良い日差しが入るところにありましたが、彼は鉄の扉で鍵がかかる太陽の光も少ししか入らない閉鎖病棟に居ました。中井久夫氏も言っておられますが、閉鎖病棟は独特の臭いがあります。中井氏は日差しと共に病棟は清潔でなければならないと仰っています。

彼はアドバイスを守り、1年後に退院しました。また別な例ですが、縁あって苫小牧の精神病院に行ったことがあります。ここもとても明るく開放的で、事務室には扉がありましたが、鍵はかかっていませんでした。患者さんは自由に出入りできるのです。病院内に喫茶店があるのですが、驚いたことに入院している患者さんがカウンター越しにコーヒーを入れてくれるのです。

最後にもう一カ所、ここは行ったことが無いのですが、NHK「心の時間」で京都いわくら病院が紹介されてとても感動したのでひと言。崔秀賢(前院長)さんが50年かけて、地域の方々を説得して、精神病患者受け入れてくれる解放医療を実現しました。ヨーロッパなどでは地域に溶け込む解放医療が殆どですが、その先駆けを作った素晴らしい方です。この番組はNHKオンデマンドで見ることができます。

うつ病や統合失調症などの精神疾患は日照時間が短い所、あるいは北の寒いところに多いようです。

陰の地域ですね。北海道や日本海側に比較的多く、世界的に見ても同じ事が言えます。日照時間や気圧などは無関係と言う学者も居られますが、自分の体験などを通してみると、心の病を改善するには、やはり太陽、つまり「陽の気」が必要と思われます。

日本の場合、鬱や統合失調症などの精神疾患に対しての偏見が根強くありますから地域が受け入れず、入院期間が長くなります。先程揚げた崔医師による精神病に対する地域ぐるみのサポートがあれば入院期間はもっと短くなるでしょう。

食べものの面から言うと、精神疾患の割合が最も多いのが京都府、次が新潟県、福岡県。いずれも日本海側、病院が多いのが北海道です。牛肉の消費量のトップは京都、福岡は9位、新潟は豚肉で3位。患者数で見ると東京が1位、人口密度が高く、ストレスが多い事が原因していると考えられます。

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