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グッズの山が襲ってくる【日記7】

 ここのところ、レンタル倉庫の中身を整理している。
 仕事上のグッズなどを放り込むだけ放り込んで、一〇年以上放置していた倉庫だ。
 自宅から歩いて三〇分くらいという微妙な遠さも仇となって、まったく触っていなかった。

 見かねた妻が、毎月の倉庫代がもったいないと、健気に自転車で通って整理を始めた。
 そうなるとさすがに申し訳ないし、倉庫代が無駄なのは確かなので、ようやく最近、筆者も重い腰をあげた。
 亡くなった親戚の件もある(日記4)。
 自分はまだ長生きするつもりだが、やはり不要品は自分で処分しておかなくては、将来家族に面倒をかけてしまう。

 倉庫にあったのは、まったく使うあてはないが、捨てるには忍びない物品ばかりだ。

 たとえば、2002年に放映した拙著のアニメ化作品のフィギュア付きDVD。一巻ごとにフィギュアが付いているので、非常にかさばる。
 それが全12巻。
 しかも3セットくらいある。ダンボール箱で4〜5箱分だ。
 同じアニメのVHS(!)もある。
 今にして思えば、出版社は自分の倉庫代をケチって作者にグッズを押し付けていたのではないかと勘繰ってしまう(売れてたらしいからそれはないか)。

 あの時代はDVDにおまけをつければ、結構な本数が売れたのだ。
 自分は売る側に回ってしまったから大きな声では言えないが、正直、いくら高画質でもアニメ二話を5〜6000円くらいで売るのはどうだかなぁ、といつも思っていた。
 そうしないと元が取れない作品も多かったのも事実だが。
 自分にできるのは、それでも買ってくれるファンが少しでも満足してくれるようにサービスをすることくらいだった。
 書き下ろしのオーディオドラマやコメンタリーなどを頑張ってたのはそういう理由もある。

 閑話休題。
 限定DVDを3セット持ってても仕方がないので、美品を1セット保管し、他は処分した。
 きれいな商品をゴミ袋に突っ込むのは気分が悪いが、やむを得ない。
 サンプルなので売れないし(メルカリも脳裏をちらついたが)、持っていても住空間を圧迫するだけだ。

 2003年に放映したアニメのDVDもごっそりある。フィギュアもいろいろ。
 ヒロインの等身大ポップとか、ガレージキットとか、カードゲームとか、ポスターとか、抱き枕とか。
 だんだん気が遠くなってきた。

こんなの序の口。こういうのが3セットとかある。
フィギュアはとにかく嵩張る。出来はいいのだが。 

 こうしたグッズが相当な量ある。
 心を鬼にして、ポスター類やガレージキットなどは処分する。
 ガレージキットは商業のプラモデルのように簡単には組み立てられない。完成させるには非常に手間隙がかかる(フルスクラッチよりはマシといったレベルだ)。自分にはちょっと手に負えないので、処分だ(ごめんなさい)。

 完成品フィギュアはテッサというキャラのものが多い。
 学校の制服を半脱ぎしている、原作では一度もやったことのないシチュエーションのフィギュアがやたらとたくさんある(半脱ぎなのは、フィギュアの会社の社長さんに酒の席で「別に構いませんよ」とか安請け合いしたせいだろう)。
 下着の色ちがいで幾つも商品を出したらしく、律儀に全バージョンの下着のフィギュアを2〜3個ずつ送ってきた。
 当然、凄まじくかさばる。一畳分くらいはあるだろう。
 半脱ぎの美少女フィギュア(色違い)で一畳分。これを全部、これから何十年も保管しておくのは、こう、人生の大切なリソースを浪費しているような気がして辛い。
 田舎に山でも持っていて、そこにでかい倉庫でもあるなら別だが。
 東京23区内の住環境で、美少女フィギュア(色違い)に一畳は割けない。割ける人もいるかもしれないが、自分には無理だ。
 基本カラー(白下着)だけ残して、悪いが処分する。
 ごめんなさい。

 まだまだある。
 そのアニメ化した作品は、ロボットものでもあるのだ。
 そして筆者はたぶん、著作に登場するロボットが最も数多く立体化された「小説家」である(漫画家も含めると、永井豪先生がいるので絶対にかなわないが)。
 ロボットのフィギュアとプラモがまたすごい数ある。
 しかもこれは(心情的に)(絶対に)処分できない。
 どうしよう。

 つづく。

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