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#26 プロ野球 オフシーズン トレーニングプログラムについて 『秋季練習』

おはようございます。

今日はプロ野球のオフシーズンに処方する、トレーニングプログラムを紹介します。

オフシーズンとは?

プロ野球のオフシーズンとは、明確な定義はありません。

僕個人的には最後の公式試合から、来季のキャンプ初日までの期間だと考えています。

米国ではほぼ上記の様なオフシーズンを送ることが出来ます。マイナーリーグでは9月ごろにシーズンが終わり、2月のキャンプまで計5ヶ月程度の期間を設けることが出来ます。メジャーリーグではプレイオフなどを含めると10月〜11月まで試合を行いますので、マイナーリーグよりはオフ期間は少なくなります。

日本のプロ野球は日本シリーズまで進出すれば、10月後半まで試合が行われます。唯一違うのが、選手は契約上11月末まで球団に拘束されているため、日本シリーズに出場有無関係なく、契約期間中はチーム練習・チーム管轄の活動を継続することになります。

その間の練習は『秋季練習』『秋季キャンプ』と呼ばれています。その期間も含めて、オフシーズンのプログラムを構成し、提供するようにしています。

秋季練習・秋季キャンプで何をするの?


簡単に言うと、沢山練習します 笑。

公式戦終了後に1週間ほど休み、そこから11月末まで4勤1休のペースで練習します。

球団によって傾向は違うと思いますが、所属先のチームは猛練習が売りなので、11月末まで突っ走ります。

技術練習量は勿論増えますし、チーム成績が悪いほど首脳陣から『鍛え直してくれ』『走って鍛えてくれ』と依頼されるケースが多いでしょうか。

秋季練習・秋季キャンプで何を処方する?


理想を言えば、上記の写真で言う『回復期』にあたります。回復期では鍛えるための準備・リカバリーに時間を費やします。 

しかしチームとしては練習量を増やして、技術向上・パフォーマンス向上を目標としてますので、回復期に100%費やすことは不可能です。

怪我がある場合の選手はリハビリ組に合流しますので、基本的に健康な選手が対象にプログラムを構成することとなります。

僕たちにできることは、『シーズン中の不具合を加味し、障害リスクを最小限にしながら、12月からチーム管轄から外れた期間に独立して良いトレーニングを行えるように準備する事』です。

基礎エクササイズの徹底


秋季練習中は技術練習量が増えていき、トレーニングに費やせる労力と時間が限られてきます。 

こちらでも追い込んで、筋肥大・筋力アップを図ろうとすると、障害リスクばかりい上がってしまい、結果選手の成長を妨げてしまいます。

投手に限っては、近年投球練習量が管理され、昔のように『投げ込み』が減ってきたこともあり、コンディショニング部門主導で練習を遂行しやすくなってきています。 

そこで基礎エクササイズのフォーム指導、徹底を図ります。

フォームと意図を叩き込むことで、12月から自分で追い込む際に正しく行える様になります。 そしてシーズン中など細かく指導しづらいエクササイズの意図や意識するポイントを、耳にタコができるぐらい言えるチャンスとも言えます。

エクササイズとしてはウェイトトレーニングの複合関節動作(スクワット、RDL、ランジ)や肩・肘のエクササイズ(肩甲帯、ローテーターカフ、胸郭可動性など)

秋季練習開始直後は、エクササイズの強度を落とし、反復練習とフォーム徹底を心がけ、12月から強度が上げられるよう、慎重に強度・量をコントロールしていきます。

中・長期的な目的を定める

目的もなしに地味なエクササイズやトレーニングを継続することは非常に大変です。

各選手と面談し、コンディショニング部門で管理しているデータのフィードバックをし、今後の取り組みを定めます。 

・体組成
・筋力
・パワー
・スピード

など、シンプルに数値を見返し、個々の課題、伸び代を共有し、オフシーズンに取り組めるように努めています。

いつ休むの?


シーズン終了後たった1週間休んだだけで、シーズン中の疲労は回復するのか? 

おそらくしないでしょう。 

休養後すぐ全快で動くわけでもないですし、11月後半や12月1週目は選手各自でイベントも多く、練習時間が極端に減るので、その期間をまた休むことが出来ます。

そのイベント期間なども考慮し、継続してトレーニングを行えるよう、プログラムを構成することが重要です。

まとめ

簡単にまとめると、日本プロ野球界はシーズン終了後も、あまり長期間休まずに11月末まで練習を継続します。シーズン終了後から来年の2月1日までの期間を期分けし、目的をもったトレーニングプログラムの提供が必要になります。

効率的ではないと個人的に思いますが、日本の文化・伝統、契約など様々な問題があり、今後簡単には変わらないでしょう。個人の力では変えようがない事ですので、そこは受け入れて、限られた環境で自分のベストのサービスを提供することに重きを置いています。

今回はオフシーズンプログラムの紹介でしたが、避けては通れない『秋季練習・秋季キャンプ』の紹介で終わってしまいました。 

改めて、秋季練習も含めてオフシーズンですし、スタートが肝心だよなぁと書いてて思いました。

次回は12月から2月までのオフシーズンプログラムについて書きたいと思います。


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