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【ネタバレ注意】ターミネーター:ニューフェイトをみてきたのでレビューします。

えー事前にぼろくそにいっていた本作、観ることになったので見てまいりました。

結論からいえばぶっちゃけビミョーでした、はい・・・・。


確かに冒頭のカーアクションや、主人公のサイボーグ女戦士を演じるマッケンジー・デイヴィスのスピーディなアクションスタイルなどは称賛がもてる。

しかし、肝心のストーリーや設定やキャラクターがおざなりでその結果、話に集中できなくなってくる。

そしてその結果、本作の良かったアクションの部分が印象が薄くなってしまうのだ。

では、本作の何がダメだったのか順を追って説明していこうと思う。


①ストーリーが滅茶苦茶

まず肝心のストーリーだが、ジョン・コナーが死んでしまいそこから「T1」「T2」以降の世界線はなくなり、今作独自の世界線・タイムラインが生み出されてしまう。という複雑なものになっている。

つまり、ジョン・コナーは英雄ではなくなったのだ。

ここでの問題点をあげるとあれだけ人気を集めた「ターミネーター」の1と2であれだけ守っていたはずのジョン・コナーを死人にするというアイデアは非常に安易そのものであり、簡単にあの人気作の設定を全否定するのは正直どうなのかとおもってしまった。

ジョン・コナーは長年ファンの間で人気があり、一種のアイコンとして君臨していたキャラクターだ。

それを死なせてしまうということは「ターミネーター2」で死んでしまったダイソンやT-800の存在意義が無意味になってしまうということになる。

これを英断と判断するか、愚かと判断するかで批評はわかれるとおもうが、残念ながら俺は大失敗だったとおもう。

ツイッターの複数ユーザー曰く「ターミネーター2」以降のターミネーターでは久々の傑作と称賛する人もいるが、どう考えても「ターミネーター4」のが面白いだろう。

まず、T4はストーリーはシンプルそのものだった。

本作は上記でもあげたように本作はかなりストーリーは複雑であり、みているこっちが調子を崩しそうなほどに情報量が多い。

最近はやたらと情報量が多い映画がオタク受けがいいが、今一度考えなおしてほしい。映画は文学ではなく時間は限られており、その中にいかに入れる情報を精査するかで映画の内容は決まるのだ。

映画というメディアを選び、創作表現をするならまず情報はなるべく少なくしたほうがいいだろう。


②既視感がひどい

次に本作の問題点をあげるが、実は本作それまでのシリーズにあった要素をごった煮にして混ぜ合わせているのだ。このごった煮感が結局既観感がすさまじく結果的に本作を恐ろしいほどに没個性的な話にしている。

未来の戦場で主人公がサバイバルする場面は完全に「ターミネーター4」であり、老年のシュワちゃん風味のT-800が出てくるところは「ターミネーター/ジェネシス」であったものだ。

とどめに本作のヴィランである新型ターミネーターは「ターミネーター3」の悪役TXを彷彿とさせる液体合金とターミネーター素体の融合体である

さらになんと「ターミネーター2」であった「ターミネーターの中にも特殊なチップがあり、それも消さなければならない」という感動的なエンディングをそのまんまトレースしており、その要素も非常に「あ、そうだったの。フーン」という感じである。

というのも女サイボーグの中に秘密兵器が隠されておりそれを使わなければ新型ターミネーターを倒せないというものらしいのだ。

非常にあほらしい限りである。

監督はファンサービスのつもりだろうが、これははっきりいって大失敗であり恥ずべき行為だと思っている。

引用とパクリではなくオリジナリティある要素で戦ってほしいものだ。


③ひどいキャラクターたち

ターミネーター1・2を観た人なら覚えているが、本作がなぜ評価が高いシリーズだったのかわかる人は多いが1と2は比較的優秀なキャラクターたちがメインを張っていたり、内輪揉めでの喧嘩もなるべくなかったこと。

だが、本作は基本的に未来からきた女戦士・女戦士から守られる少女・歴戦の戦士サラコナーの3人が割と本気でいがみ合い、エゴをむき出しにして口喧嘩をしながら冒険していくという苦痛極まりない人間パートを延々とみせられなければいけない。

ターミネーターをみているはずなのに、なぜ女同士の口論をみなくてはいけないんだろうか。

いい加減にしてほしいもんだ。

これが非常に退屈で、ようやくシュワちゃんが出てきたことで話が展開していくが彼が出てくるまではかなり長時間苦痛を強いられることになる。

サラ・コナーも2での優秀な女戦士としてのなりはなくなってしまい、特に活躍する場面もなく真っ先に戦闘でやられてしまう噛ませ犬として出てきて俺は大いに失望した。

多少カッコいい場面があってもいいはずだが、そういったところはほとんどない。

さらに演じるリンダ・ハミルトンも顔のしわがすさまじくまるでしわくちゃのミイラみたいになってしまっているのだ。

時の流れは非常に残酷だといえる。

彼女の代わりに活躍するのは未来から来た女サイボーグ戦士だが・・・。

非常に燃費が悪く短期間での戦いにしか向いていないというのだ。

さらに頻繁に薬物を摂取しないとまともに動けないどころか途中で死んでしまうらしい。どうやら薬物依存症の代わりに得た見せかけのサイボーグボディのようである。未来人類はアホの極みか?

④うざいポリコレ要素

以前別の記事であげたが、やっぱりポリコレ要素が出てまいりました。

しかもこれが非常に鬱陶しいのだ。

本作では今まで未来の象徴だったジョン・コナーは死に、その代わりにグアテマラで生活しているヒスパニックの少女が未来のカリスマとして出てくる。

さらに作中一行は一度、不法移民としてアメリカ政府に捕まるという珍ムーブをみせてくれる。

その描写はまるで「不法移民大歓迎!!」といった感じでトランプへのあてこすりにもみえる。

しかし、不法移民収容所のシーンはあっさりと終り結局映画の尺を間延びさせているだけでしかない。

さらに活躍するのはほとんど女性であり、男性は女性の引き立て役だと映画自身が宣言しているのだ。

その割には敵である新型ターミネーターを倒すのはシュワちゃん扮するT-800シリーズであり、ジョン・コナーに代わる新しい人類の希望である少女は終始悲鳴をあげ困惑しているだけでしかないのであった。

ポリコレを宣伝する割にはその腹の中には結局古い時代の感覚しか残っていないのだ。

近年では戦う女性がトレンドらしいが、それはアクション映画の中でしかできないのだろうか。

今一度「強い女性」の定義づけをもう一度しないといけないだろう。


総評

総合的にいえば、本作は微妙な映画であるのは間違いない。

好意的に言えば「ジェネシス」や「ターミネーター3」より面白い、だが悪く言えば「1」や「2」どころか「ターミネーター4」にすら劣っているとしかいいようがない。

というわけで本作の点数は

45/100点


が妥当なところだろう。

観に行って別に損はないが、得もないし正直過去作と比べるといささかレベルとクオリティは下がってしまうだろう。

悲しい話だが、シュワちゃんのキャリアは完全にこれで泥を塗って終わってしまったといったほうがいいかもしれない。

誰かが「ターミネーター」のフランチャイズは終わりといったらしいが、本当に終わりにしなければいけないかもしれない。



っていうかさ、この映画シュワちゃんとサラ・コナーほとんど脇役だしいらなくね????ってなってしまった。


本当は女二人で行く気だったのかもなあ・・・・。

うーん、もうターミネーターはやることなくなって終わりなのかもしれないね。

以前ワタミがいってたみたいな「プレデターvsターミネーター」ぐらいしか残されてないんじゃないかな・・・。






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