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【アメコミ映画】伝説の失敗作「グリーンランタン」についてレビュー

DC映画、どころか映画の歴史に残るレベルの大失敗を起こした伝説の映画「グリーンランタン」。

では、なぜそこまでクソ映画と呼ばれ海外では散々ネタにされているのだろうか。

その答えは「ファンの期待に沿えなかった」という事に尽きるだろう。


今回はただ単純に映画を紹介するだけではなく、まずこの作品にかけられていた期待などについて語ってみたいと思う。

今でこそ世界の興行成績をぶち上げているアメコミ映画だが、その当時は売れるのは一部のヒーローのみでそれ以外は大コケというパターンが多かったのだ。

さらに「グリーンランタン」といってもアメリカ人でもピンとこない。

それぐらいマイナーなヒーローだったのである。

しかし、それは一般層に限定すればでありアメコミ関係者・ファンの間では「あのグリーンランタンがとうとう映画化」という感じだったのだ。

というのも00年代のアメコミでいえばグリーンランタンはかなり期待値の高い作品であった。

特に「グリーンランタン:リバース」以降、ジェフ・ジョーンズが作ることとなったグリーンランタンシリーズは非常に好評で自分も呼んでいて非常に楽しかった覚えがある。

宇宙を守る警察機構であるグリーンランタンたち。それに対抗する黄色のランタンであるシネストロコア、第三勢力としてやってくるレッドランタン…そして死者を操るブラックランタン…。

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これらが色取りとバラエティ鮮やかに咲き乱れるそのカラフルさ…これがグリーンランタンの魅力であったはずだった。

ウォッチメン以降、風刺や社会正義などに口やかましくなったアメリカンコミックの中で純粋な冒険の面白さについて高らかに語った本作は多くの支持を受けた。

実際にDCコミックはバットマン・スーパーマンに次ぐ番頭的位置にグリーンランタンを置こうとしていたことがあった。

そんな中で作られたのが本作「グリーンランタン」である。

大体のファンは心配・期待それぞれを寄せながら本作を待っていた。

そして…とうとう公開された。

そして、観てしまった多くのファンは大体こんな感じになってしまった。


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かくいう俺もこのひとりだった。

本当…ガッカリである。

なんというか、ストーリーがゴチャゴチャしているのだよね。

恐らく原作の「シークレットオリジン」をベースにしているんだろうけど、まあ話がとっちらかっている。

さらに原作では「恐れを知らない快男児」として設定されているはずのハル・ジョーダンがグリーンランタンの使命にびびって逃げるチキン野郎に改悪されていたのだ。

おまけに多くのファンが期待していた宇宙をまたにかけたスケールの大きい大活躍シーンは全くと言っていいほど皆無で、その代わりストーリーの大部分を占めているのは陰気なヴィランであるヘクター・ハモンドの孤独な半生についやされている。

さらにこの描写がどこかねちっこく、侮蔑的で救いがない。

最終的にはラスボスに用済み扱いで殺されて死亡である、こんな扱いが悪いんだったらそこまで時間を費やして描く必要があったのか?

誰がビビって逃げだすチキン野郎のハルやヘクターハモンドの陰気な人生なんかに興味あるんですか?っていう話だよ…。

とかくとシリアスな話なのかと思いきや、本作はなんとコメディでありところどころで微妙なジョークシーンをいれてくるのだ。

これがまた寒い寒い…。

そんなわけで多くのファンは本作に失望。

見事、本作をきっかけにDC映画シリーズを展開しようとしていたワーナーは出鼻をくじかれてしまうのであった。


主演はライアン・レイノルズであるが、本作は彼のキャリアにも大ダメージを与え「デッドプール」がなければそのままハリウッドの海でおぼれていたこと請け合いになっていた。

レイノルズのアンチではないが、基本的にミスキャストもいいところだ。

って言うかビジュアルがダサい…。


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まあ、こんな調子ではDCはMCUに負けるのはもう時間の問題だったのだろう。

そんなわけで本作は見事黒歴史化に成功して、キャストやスタッフ、ファンからも弄られる始末になってしまったのである。


まあ、こんな本作でも一定数ファンはいるらしく、コメディ映画などで本作がバカにされると怒っているのであるが…。

原作ファンはこんな映画になってしまったことに今でも憤りと失望を抱いているのである。

しかも、最悪なことに本作と同じタイミングで原作コミックでも設定改変が行われてしまい一気にグリーンランタンの人気を失墜させてしまうのであった…。



ファンメイドの予告編が本編より面白い…といういつものパターンである。














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