Vertical(バーティカル=業界特化型) SaaSとは?
こんにちは。GA technologies(ジーエーテクノロジーズ)グループ PRチームです。
いま大きく変わりつつある不動産業界に関する情報をお届けするマガジン「オープンファクトブック」。不動産業界のニュースや課題、業界を知る上で欠かせないキーワードなどを解説します。
今回のテーマは、不動産業界だけでなく、アナログなイメージが強く、今までテック化が遅れてきた様々な業界の変化を促進し注目されている「Vertical(バーティカル) SaaS」について、簡単にご紹介します。
Vertical(バーティカル)SaaSとは?
SaaSという場合、さまざまな業種で使えるサービス、例えば、チャットツールや名刺管理ツール、タスク管理ツール、それに会計・労務・人事・マーケティング・営業をサポートするツールなどを指すことが一般的です。これらは、Horizontal(ホリゾンタル)SaaSとも呼ばれています。Horizontalは「水平」という意味です。
一方、Verticalは「垂直」。つまり、Vertical(バーティカル)SaaSは、業界・業種に特化したSaaSのことを指します。
Vertical(バーティカル)SaaSが活用される業界は?
独自の法律や慣習があったり専門性が高かったりし、かつプレイヤーの多い業界で、業界特有の課題解決に使われるのがVertical(バーティカル)SaaSです。
具体的には、医療・不動産・建設・飲食・農業・製薬・福祉などの業界です。
海外の上場企業では、veeva(製薬)やProcore(建設)、Samsara(IoT)などが有名です。
Vertical(バーティカル)SaaSの魅力
業界に特化しているVertical(バーティカル)SaaSよりも、様々な業種で活用されるHorizontal(ホリゾンタル)SaaSの方が市場が大きいように感じられるかもしれません。しかし、Horizontal(ホリゾンタル)SaaSには、外資企業を含め多くの競合企業が存在します。
また、多くのHorizontal(ホリゾンタル)SaaSは企業の持つ課題の一部を解決するのに対して、Vertical(バーティカル)SaaSは、特定の業界構造そのものを変革する可能性を持ちます。また、業界に特化したビックデータの蓄積・解析は新しいビジネスチャンスにもなります。
人口減少による働き手不足や、米国を中心とした海外での多くの成功事例、そして、デジタル改革関連法の整備などに後押しされ、今後、様々なVertical(バーティカル)SaaSが大きく飛躍していくことが期待できます。
それでは、いくつか国内のユニークなVertical(バーティカル)SaaSの企業・サービスを紹介していきます。
①【医療】AI問診Ubie:Ubie株式会社
医療機関向け電子問診システム
生活者・患者向けに症状検索エンジン「ユビー」を、医療機関向けには、病院・クリニックでの問診のデジタル化と病名辞書により、医療現場の業務効率化をサポートする「ユビーAI問診」を提供しています。「ユビーAI問診」は2018年の提供開始以来全国1,000以上の医療機関に導入されています。
シリーズC ファーストクローズで35億円の資金調達を実施(累計調達額は79.8億円)するなど注目を集めています。
②【製薬】Musubi:株式会社カケハシ
薬局向け薬歴業務の効率化サービス
薬局・薬剤師と患者さん“双方”の薬局体験をより良く変える業務支援サービス薬局体験アシスタント「Musubi」を提供しています。タブレット端末を患者さんと一緒に見ながら服薬指導し、その場の画面タッチで薬歴のドラフトを自動で作成。さらに患者さんの健康状態や生活習慣にあわせたアドバイスを提示するなど+αの付加価値があり、薬歴業務の効率化と患者さんへの提供価値の向上を実現しています。
2017年8月のサービス提供開始から5年でユーザー薬局が全国6,000店を超えています。2019年グッドデザイン賞受賞。
③【建設】Andpad:株式会社アンドパッド
クラウド型建設プロジェクト管理サービス
「ANDPAD」は現場の効率化から経営改善まで一元管理できるクラウド型建設プロジェクト管理サービスです。2016年に提供を開始し、現在では利用社数130,000社を超え、国土交通省のNETIS (新技術情報提供システム) にも登録されており、33万人以上の建設・建築関係者が利用しています。
世界最大のベンチャーキャピタルである米セコイア・キャピタルの日本第一号案件の投資先でもあり、Forbes JAPAN『日本版クラウドトップ10』2018年/2019年連続、週刊東洋経済プラス「すごいベンチャー100」など多数の受賞歴もあります。
④【不動産】ITANDI BB:イタンジ株式会社
不動産会社向けリーシング業務のワンストップサービス
「ITANDI BB」は約3,000店舗の管理拠点で導入、約47,000店舗の仲介拠点で利用されている、賃貸管理会社・仲介会社向けSaaSサービスです。ARR前年比+64%(*1)と急成長。本サービスを通じた電子入居申込数は、年間約63万件(入居申込サービス利用数 2年連続No.1)、入居申込関連書類のペーパーレス化により年間約500万枚の紙の削減を達成するなど賃貸不動産業界のDXを推進しています。(*2)
(*1)ARR:Annual Recurring Revenue(年間経常収益)。各四半期末の⽉末MRRに12を乗じて算出。ITANDI BB+の2021年1⽉時点と2022年1⽉時点でのARRを⽐較
(*2)対象期間:2021年4月1日~2022年3月31日。No.1調査委託先:TPCマーケティングリサーチ株式会社(所在地:大阪府大阪市、代表取締役社長:松本 竜馬
いかがでしたでしょうか?
ここまで読んで、「Vertical(バーティカル)SaaSって、つまり法人が業務効率化できるサービスだよね?自分には関係ないかも?」と思われた方もいるかもしれません。
私たちのまわりを見回してみましょう。
逼迫する医療現場でのスムースな診察、迅速に届くフードデリバリーや、スマホからの保育園との連絡のやりとりなど、Vertical(バーティカル)SaaSは、実は私たちの生活にも大きなメリットをもたらしてくれているのです。
そう思うと、Vertical(バーティカル)SaaSという言葉を初めて聞かれた方にも、ぐっと身近なものに感じていただけるのではないでしょうか?
今後も不動産テックやそれを取り巻くさまざまな情報をご紹介していきます!
出典・参考
・巨大VCも注目の業界特化SaaS 秘めたる可能性とは?(日本経済新聞電子版 2020年10月20日)
・業界特化SaaSが持つ力、収益性や変革力、巨大VCも注目(日経産業新聞 2020年10月27日)
・「米国なら業界特化SaaSは評価される」。Sozo中村氏×MCデータプラスが語る、バーティカルSaaSの今(日刊工業新聞ニュースイッチ 2022年6月27日)
(*)画像参考記事
・「デザイン開発のコストを、より本質的な仕事に使いたい」
建築建設業界SaaSアンドパッドが取組むデザインシステム
・SaaSの種類|実は知らない?Horizontal SaaSとVertical SaaS
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設立:2013年3月
資本金:72億2481万6203円(2022年7月末時点)
事業内容:
・ネット不動産マーケットプレイス「RENOSY」の開発・運営
・SaaS型のBtoB PropTechプロダクトの開発
グループ会社:イタンジ株式会社、株式会社RENOSY PLUS、株式会社神居秒算など他10社
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