【取締役インタビュー】まだこの世にないものを世界へ届ける、「キャラクタープラットフォーム」開発というチャレンジ - サービス設計担当 久森達郎
※この記事は2019年10月28日にWantedlyで作成・公開されたものです。
2019年10月11日、いよいよ「Gatebox」量産モデルの正式販売が開始された。
2017年にソフトウェアエンジニアとして入社し、現在は取締役(サービス設計担当)としてキャラクタープラットフォームの設計開発責任者を務めている久森達郎さんに、Gatebox開発の魅力について伺った。
生まれ変わった「Gatebox」
--入社された頃に一度インタビューをさせて頂きました。
当時はまだ限定生産モデルの開発中でしたが、その後どのようなお仕事をされていますか?
入社当時はソフトウェアエンジニアとして、製品そのものの改善や技術検証、また社内の環境整備にも携わってきました。その後取締役に就任してからは、プラットフォームとしてのGateboxを実現するための仕事をしています。
--10月11日、量産モデルの正式販売開始と共に、これからの取り組みについてメディア向け発表会が行なわれました。量産モデルは、限定生産モデル(*)と比べどのような違いがあるのでしょうか?
「量産モデル」と呼んでいますが、限定生産モデルとはまったくの別物と考えて頂いて構いません。デザイン、内部構造、使用部品などを見直し、一新しています。そのため発売までに時間がかかってしまいましたが、限定生産モデルと比べてお求めやすい価格設定になりました。限定生産モデルから搭載しているキャラクターアプリ「逢妻ヒカリ」も3Dモデルから作り直し、音声合成の導入やLINE Clovaとの連携によって、体験内容の厚みも増しています。
またアプリを自社だけではなく、他社が開発できるようになったことも大きな変化です。
より多くの人に知ってもらい、届けるために
--これまでは「Gatebox」という製品を”作り上げること”を目標にしていましたが、こうして発売日を迎え、次の目標は”より多くの人へ届けること”になるのでしょうか。
今年9月に東京ゲームショウに初出展した際、まだまだGateboxの存在が世に知られていないことを実感しました。世の中に普及させるためには製品に付加価値を与え、知名度を上げることも必要です。そこで、量産モデルではキャラクターのアプリを他社でも開発できるよう、パートナーエコシステムづくりを進めてきました。パートナー会社であるハニカムラボさんやGugenka®さんと提携することで、我々が自社開発のキャラクターを押し出すだけではなく、他社のキャラクターを招くことができるようになり、製品に広がりを持たせることができました。
東京ゲームショウ2019では、実物展示・ヒカリとの会話体験を実施
--他社の力も借りることで「逢妻ヒカリ」だけではなく、まさに「好きなキャラクターと暮らす」未来が実現するということですね。
逢妻ヒカリが完成するまでには、多くの人の情熱や技術、開発期間がかけられています。
しかしながら、別のキャラクターとなるとそれはまた違った体験があるべきだと思います、そういった観点から、量産モデルではキャラクターはそれぞれアプリとして実装できるような設計に変更し、それぞれのキャラクターがそれぞれのキャラクターらしい体験を実装できるようにしています。
--「好きなキャラクターを気軽に召喚したい、でも作るのは大変」その隙間をどう埋めるのでしょうか?
Gateboxのアプリを作る技術的難易度は高いと思われるかもしれませんが、実は技術的にはスマホアプリ開発が出来る方であればGateboxでの開発も理解できる程度には環境を整備しています。現在は、ビジネスパートナーの法人に対して開放しており、一般の方がまだ触れる状況までは出来ていません。今回発表した「Gatebox Video(*2)」というサービスは、そういう「個人でもキャラを気軽にGateboxに出したい」ニーズに向けたものです。
実はこのサービス、私とCEOの武地が喫茶店でコーヒーを飲みながら雑談しているところから始まりました。「もっと気軽にキャラクターを召喚できた方がいいよね」という彼の一言から、動画であればやってやれないことはないと考え、武地のイメージとすり合わせながら試作を重ね、プラットフォームシステムの開発と並行して開発し、今回の発売のタイミングで同時にリリースすることが出来ました。
--「Gatebox」を使った新たな楽しみ方を、メンバー発信で作れる土壌があるんですね。
たとえば限定生産モデルで体験できる初音ミク(*)のホームライブは、会話のように双方向性が無くても盛り上がったコンテンツです。自分の思うように作れる基盤とコンテンツをセットで出していくことで、いろんなニーズに答えられます。これは新たなクリエイターの才能発掘にもつながるでしょう。
プラットフォーム開発という、チャレンジが許された環境
--久森さんにとって、プラットフォームを開発することの意義は何でしょうか?
これまでむしろプラットフォームになっていないことが問題だと思っていました。好きなキャラクターというのは人によって違うものなので、我々が定義するものだけが提供されるものでは受け手も限られるものになります。これを解消していくために、プラットフォームとして開いていく事はある種必然ともいえることだと私は思っています。
これまでお話したように、その準備が出来たのが今です。今後はより多くのキャラクターとの体験を実現できるようにすることがチャレンジとなっていきます。
求める人材像
--最後に、一緒に働きたいと思う人材について教えてください。
製品出荷に伴い、この先はビジネス基盤を作っていきます。アイディアがある人、こう売りたい・こういう体験を与えたいという意思のある人はぜひビジネス職に来てほしいですね。
開発職においては主にサーバーサイド、本体のシステムアプリ、アプリストアの開発・運営者を募集しています。よりアプリを作りやすくする、プラットフォーム側で必要になった機能に対してどう応えていくかというのが今後の課題です。プラットフォームを「作る」ところから、作ったプラットフォームを拡大することが今後重要になるからです。
◆サーバーサイドエンジニア(プラットフォーム開発)
https://gatebox-recruit.snar.jp/jobboard/detail.aspx?id=4TxxZh6Cu0M
また、自社のキャラクターアプリを作るサービスにおいては、実際のユーザーさんがどう使ってくれるかという点に関心のある人が必要です。具体的には、LINEとの連携により会話に厚みが生まれる設計(対話履歴による記憶)などですね。
◆サーバーサイドエンジニア(Bot関連開発)
https://gatebox-recruit.snar.jp/jobboard/detail.aspx?id=A-a-71AHPE4
代表の武地は作ったものを見せれば認めてくれる人ですし、それは事業としてやることを認めてくれる可能性があることを意味します。その一例が「Gatebox Video」です。定期的に行われる社員全員での会議でも、ライトニングトークの時間を設けています。実際にその時間を使って、社員の一人がオリジナルのキャラクターを作って召喚して見せた例もあります。つまり、提案を持っていくことが許されている、チャレンジできる環境でもあるんですよ。
たとえばハードウェア担当の鶴本は、周りに声をかけてやりたいこと、可能性のあるものをどんどん進めています。製品やサービスがそうして生まれていくのはいいことですよね。
会議後に行われた、実際のLTの様子
職人として120%まで仕上げてから世に出すことも悪くありませんが、スピード感を持ってまずはやってみる、そうしてサービスの価値を高めていく人の方が今の弊社には合っているかなと思います。
口頭で説明したところで、人はなかなか一緒に作ってはくれません。実際にやってみせることで乗っかってくれるものです。私も自分で事例を作るんだという気概を持って取り組んでいますし、今のGateboxならそれがとてもやりやすい状況なのではと思っています。
■「限定生産モデル」について
2017年に予約購入者300名に向けて限定販売された当初のモデル。
■「Gatebox Video」について
自分で創作したキャラクターを「Gatebox」に召喚できるサービスです。クリエイターが Unity や MMD などのツールで制作したキャラクターアニメーション動画(mp4)を専用の WEBサイトにアップロードすることで、その動画を「Gatebox」で再生して楽しむ事ができます。
■初音ミクについて
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が開発した、歌詞とメロディを入力して誰でも歌を歌わせることができる「ソフトウェア」です。大勢のクリエイターが「初音ミク」で音楽を作り、インターネット上に投稿したことで一躍ムーブメントとなりました。「キャラクター」としても注目を集め、今ではバーチャル・シンガーとしてグッズ展開やライブを行うなど多方面で活躍するようになり、人気は世界に拡がっています。http://piapro.net
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