O型野郎

・僕の血液型は「O型」なんですが、どうでしょうか?そう言われた時の印象は。
・ネットでざっくり調べてみたところ。
・「仲間意識が強く統率力もあるので、リーダーとしての資質がある。 親しみやすく性格も表裏がないため、人をひきつける魅力がある。自分が損しても相手の為ならと、頼まれると何でも引き受けるほどの社交性をもっている。」
・違う、違う。こういう上位数%にあたる優等生の話が聞きたいんじゃなくて! もっと大衆的な「O型」にぶち当たる印象を知りたいんですよ。
・楽観的
・大雑把
・血液型が「O型」と言われて思い浮かべるのは、まずこの2つでしょ。
・僕が小学生くらいの頃は「〇型の説明書」みたいのが大分流行っていましたが、時は流れ、令和となった今。「血液型と性格の因果関係はない」がベースの考え方になってしまいましたね。
ただ、僕としてはなにかしらの因果関係がなくては困る。デバフがかかっていない状態で自分のスペックがこれだとしたら辛すぎる。と思って仕方がないわけです。
・僕は今ライターまがいの仕事をしており、原稿を書くうえで会社独自の表記ルールがいくつかあるんですよ。普段使いするうえでは漢字で表記するものがひらがなにしたり。表現上使ってはいない言葉があったり。
・まぁそういった独自のルールの中で文章を書いているわけです。上司に渡されたルールブックを片手に、いざ原稿を作成し提出!
・帰ってきた紙面には、赤字がびっしり。まぁ正直その時点でかなり泣けるんですが、今回そこは割愛。
・そのなかのひとつに×「一緒」〇「いっしょ」という赤字があったのです。その回は修正後、無事OKがもらえました。
・次回の原稿作成⇒提出。まぁこの流れで大体お察しですが、めちゃくちゃ表記ミスりました。漢字にしなきゃいけないものはひらがなだし、ひらがなにしなきゃいけないものは漢字だし。
しっかりあべこべな原稿を作った僕は上司からしたらどう映ったのだろうか。真っ赤な返却原稿を見て僕は少しだけ頭を抱えた。あまつさえ僕の渾身の「レンチンで天丼が簡単に~」という三連続韻踏みキャッチコピーにべっとりと赤線がはいっており、これもかなり効いた。
・ついに三度目の原稿提出がやってきた。「仏の顔も三度まで」「三度目の正直」3という数字はめちゃくちゃ大事。僕はそう思っているし、世界のナベアツだってそう思っているに決まっている。
・今後この会社で働くうえで信用ポイントを失うわけにはいかない。そう思って自分なりの表記リスト正誤表を作り、提出前に二度確認作業を行った。
・そして半ば祈るような気持ちで、原稿を提出した。
「これでもし、赤字がなかったら上司を昼飯に誘おう…」そう思いながら原稿の戻りを待った。
・翌日出社すると自分のデスクに、先日提出した原稿が何の気なしに置いてあった。すぐに確認する気になんて当然なれないので、the band apartの名曲、「waiting」の歌詞なんかを調べて、「夏に聴きたくなる曲といえばこれしかねーな」とか思考をはちゃめちゃにぶっ飛ばしていた。
・しかし、こんなことをしている間にも時給は発生しているのだ、いつまでも目を背けるわけにはいかない。意を決して僕は自席のクリアファイルを開いた。なんの番狂わせもなくまっ赤っ赤な原稿を目の当たり僕は勢いよくファイルを閉じた。そして朝から少しだけ頭を抱えた。
全てをあきらめて再度ファイルを開いたらそこには、赤字がびっしり。その中にひときわ大きく書かれた×「一緒」〇「いっしょ」と手書きの赤字が。僕は派手に頭を抱えた。
・並みの人間では自己嫌悪に陥るであろう状況でありながら、僕は30分後にはケロッとした気持ちで仕事に臨んでいた。
・楽観主義で大雑把。そう、僕はまさしく「O型野郎」。
きっとこの文章も赤字まみれなんだうなぁ…

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