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NHK BS世界のドキュメンタリー『青い募金箱 イスラエル建国の真実』を見て

暑い。この異様な暑さで、週末の2日間じゃ疲れが取れないどころか、暑さのせいでくたびれる日々。以前から思ってたけど、もういい加減週休3日にしてくれ!と心の叫びが段々強くなってる。
(今回の画像は今年初めに雪が積もった時のもの。少しでも涼しく!とこんな写真を選ぶくらい疲れてる(笑))
ここ数週間、映画館に行くのも、DELE(スペイン政府が実施しているスペイン語検定)に向けた勉強も、この暑さでダレてほとんどせずに終わった。これだけ暑すぎると、最低限の家事をこなすだけでもかなりの体力消耗で、どうやって夏を生き延びるか悩ましい状態だ。
(そんな中、この週末はまさにDELE本番。ひとまず試験は受け終えたけど、7月の回に申し込んだ2ヶ月前の自分を呪いたい…)

いつもながら長い前置きになったが、ここから本題。
もう先月の話だが、NHK BSで『青い募金箱 イスラエル建国の真実』というドキュメンタリー番組を見た。番組のディレクターであるミハル・ワイツが、自身の曾祖父であり、イスラエル建国に尽力した人物でもあるヨセフ・ワイツが遺した日記と、国の公文書などの記録から、彼の「功績」に隠された建国の真実を正面から取り上げたものだ。子供の時に見た、森の中に埋もれた家屋に疑問を持った彼女は、ヨセフが推し進めた全国的な植樹活動に隠された事実を知り、この番組を制作したという。
ヨセフが故国ロシアを離れた日から(40年以上もの間!)欠かさず付けた膨大な量の日記を読んだミハルは、パレスチナへの入植活動が1930年代から既に行われていた事、またヨセフが携わった植樹活動は、土地を追われたアラブ人たちが二度とパレスチナへ戻れないように行ったものである事を知る。
ミハルは、番組内でヨセフの日記本文をそのまま紹介したり、ヨセフ本人を知る親族(ミハルの父や叔父たち)や、ミハルと同年代の従兄弟へのインタビューを通じて、イスラエル建国への思いや苦悩、そしてその後イスラエルが歩んだ道のりについて、世代間の意見の相違を取り上げる。

ミハルや他の制作者たちは、ヨセフが関わってきた活動を一方的に断じたり、隠しも美化もせずに取り上げ、さらにワイツ家が負った「責任」(ひいてはイスラエルに残された課題)に正面から向き合っており、その姿勢に驚いた。
私たち人間は、自分に関する事を良く見せたがり、そのために真実を曲げる事も少なくない。また物事を分かりやすく一方的に分類・判断したりする事も多い。ミハルたちはこの複雑なテーマに対してそうした事は一切せず、真摯にこの課題に向き合っている。
今まさに私たちに必要な事を見せてくれたこの番組は必見だ。


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