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【89】イグアナから学ぶ:美しき生と死。自然界を支配するものとは

イグアナってどんなイメージでしょうか?恐竜みたいな見た目?怖そう?彼らの生きざまをテレビで拝見したので、今日はイグアナのあんなことやこんなことまで解説。これでイグアナに感動すること間違いなし。

●「ワイルドライフ」結構おススメです!
●狂暴そうなイグアナ、実は意外な一面が!?
●驚愕!水面走りができるバシリスク
●産まれてすぐに始まる敵だらけの世界
●滅ばないドラマがそこにはある

「ワイルドライフ」結構おススメです!

最近、父親からの勧めで「ワイルドライフ」という番組を見ています。NHKにて毎週月曜日夜に放映されている、大自然の生き物たちに徹底密着するドキュメンタリー番組です。最初は興味半分で見始め、ゆったりした内容であることから眠くなることもあるのですが(笑)、なかなか感動するところもあり、なんやかんやここ数か月見ています。

この番組では、長期間密着しているので、季節を通じて動物たちの生きざまを見ることができます。子孫を育むために他のオスや天敵と戦いあう生き物もいれば、絶滅危惧のなかをなんとか懸命に生き延びる動物もいます。彼らの「生きざま」を見ていると、かわいいと思えるものもあれば、なんだか心打たれるものがあったりします。

またハイスピードカメラや超高感度カメラ、水中カメラなどの最新機材で撮影していることから、映像も非常にクリアで美しいんですよね。よくこんなところで密着撮影しているな!と思えるような危険そうなジャングル、標高2,000メートルでの極限状態でのライチョウ観察、大地に君臨する野生動物たちの壮絶なるバトルスペクタルなど、ひとつの物語として完成度が高いと感じます。音楽も壮大で結構好きです。
(心地よすぎてたまにちょっと眠くなる内容もありますzzz)

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狂暴そうなイグアナ、実は意外な一面が!?

この番組を見る前から「生き物」について調べたくなることがよくありました。以前もモグラカワウソフクロウナナフシリュウグウノツカイなどnoteに投稿しましたが、どれもふとした会話の瞬間とかに調べたくなるんですよね。深海動物とかUMAとかも好きです。あいつらどうやって生きているんだ!?とか、なんでかわいいと思うんだろ?飼えるのかな?とか、こんな生き物いるのってありかよ!とか(ありです
※一人暮らしのお供として2年間ヤドカリを飼っていたことも^^

ということで、今回はイグアナとバシリスクについて放映されていたのですが、これは特に面白い回でした。いやー、面白い。

イグアナってどういうイメージでしょうか。

兄がアメリカ南部に住んでいる時に「道にいたよ」って聞いたことがあり驚いたことがあります。見た目はまるで恐竜のような皮膚と目つきで、襲い掛かってきたらひとたまりもないような風貌です。ってか、格好良すぎます。子供の頃怪獣ファンだった自分からしたらちょっと興奮してしまいますよこれ。さぞかし狂暴で野生界の重鎮だろ!って思いますよね。

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...と思いきや、実は彼らは草食動物

ナーヌー!?!?

聞いてへんで

しかも、動くのにとてもエネルギーを使うので基本的にボケ~~としています。変温動物の爬虫類であることから、夜は体が冷え切ってしまい、朝は太陽光たっぷり浴びた後でなければ動き出せないようです。熱帯雨林の木の上で優雅に寝ていることが多いのですが、朝目が覚めてもしばらくじっとしていて、「起きるか~」とのそのそ動き出す光景はまるで土曜日のお父さんです。

驚くのはまだまだ。彼らの求愛行動がなんともキュートなのです。といっては失礼かもしれませんが、ボビングといって、小刻みに首を振る行為があります。オスはこれでメスへ自分をアピールするんですね。

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面白かったのは既に他のオスに取られたメスに対して、ひたすらボビングしているオスがいたりします。たまに複数のオスがメスに向かって首をひたすら振っています。メスは既にオスゲットしていてまったく他に興味がないので、彼らを踏みつぶして移動したりするんですよ笑

可哀そうすぎるwwww

この首を振っているシーンがなんともいえない。見た目はあんなに怖そうなのに、ひたすらうんうん頷いているように見えるわけです。うむ、動物とは本当に神秘的。彼らは一生懸命、健気な行動をとっているのでしょうが、どうも見た目とのギャップがありすぎて。
※ボビングは挨拶や威嚇などにも使う、彼らのコミュニケーションです

驚愕!水面走りができるバシリスク

ちなみに、イグアナ科のなかでも、「キリストトカゲ」とも呼ばれるバシリスクは肉食動物です。こちらは全長60-80㎝とか(尻尾が長い)そんなに大きくないのですが、なかなか凶暴でイグアナの赤ちゃんをも呑み込んでしまうほどのポテンシャルの持ち主。

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しかも必殺技として「水面走り」ができます。これがまた驚愕。バシリスクはワニなどから逃げるために驚異的なスピードで水の上を走るんです。嘘だと思ったら動画みてください。バシリスクは天敵から守るために色々と進化してきたんですね。これは体が軽い時の方が効果的なので若い輩によく見られるらしい。もうあれです、ポテンシャル採用です。


今回のイグアナは草食の方で、最もポピュラーであろうグリーンイグアナになります。日本で飼育されているのも大半はグリーンイグアナだと思います。人に慣れたり、ハンドリング(手乗り)したりもできるらしいですよ。知能が高い為、飼い主の顔も覚えたり、名前を呼んだら反応したりするといいます。(飼いたくなってくる...)

産まれてすぐに始まる敵だらけの世界

最後に、自分が面白いと思ったのはイグアナの赤ちゃんたちの行動です。1回の産卵で80匹くらい生まれるらしいですが、なんと産まれた瞬間から独り立ち。母親はもういません。何匹か最初にピキピキと殻を割って頭ひょっこり出して登場。ちょっと『ジュラシックパーク』のヴェロキラプトルが生まれるシーンみたいですが、この光景がまた愛らしい。「おは♪」みたいな顔(´ω`*)
※ヴェロキラプトルは格好いいですからね!!!

赤ちゃんはトカゲみたいな見た目で目がクリクリしています。小さな指で葉っぱや枝を器用に掴んで進んでいきます。洞穴みたいなところから最初10匹くらいが地上に出ていくのですが、もうそこは敵だらけの世界です。よく考えたら爬虫類ですからね、鳥みたいに母親が卵温めたり見守ったりはしてくれません。超絶ハードモードの人生が誕生10秒で始まっています。80匹いても生き残るのはわずかなのでしょう。

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一寸先は闇とはこのことで、ちょっと気抜いたらすぐに天敵に食べられてしまいます。バシリスクは同じイグアナ科のくせに、不気味な目でイグアナベイビーにターゲットを定めると驚異的なスピードで捕えて、そのまま飲みこみむという天敵。生後間もないのにここで死んでしまう子供も多いのです。世界は残酷だ...

しかし、イグアナたちも賢い。彼らは団体行動をとるのです。兄弟たちと一緒に柔らかい草(硬いのは大人になってから♪)を食べて、兄弟たちと一緒に寝て、一緒に大好物の花を探しに行って、一日中ずっと一緒に移動するのです。家族行動ですね笑 中にリーダー格のような存在がいるらしく、そいつにくっついていくことが多いようです。(兄弟という感覚があるのかは知りませんが)

団体行動をとることで、天敵が近くに来たらすぐに誰かが気づけます。ですので、一匹よりは逃げきれる可能性が高まるわけです。「おい、後ろから来てるぞ!」と誰かが走り出せば、全員が一斉に走り出します。しかも、敵をかく乱するために、それぞれ別方向へ散るという目くらまし作戦も発動させるという賢さ。(賢くてかわいいなんてずるいゾ!)

兄弟たちは一緒に戦って育っていきます。

滅ばないドラマがそこにはある

僕はこの45分のドラマを見ることで、なんだかひとつの映画を観たような気分になりました。外敵や環境と戦いながらオスとメスがお互いに惹かれ合い結ばれ、その子供たちが生まれたてからサバイバル生活をチームワークで乗り越えていく。そしてその子供たちもいずれ大きくなって、木の上で暮らすようになり、子孫を繁栄させていく。筋書き通りの一日などありません。毎日戦争。気を抜けばすぐに死んでしまう世界で、彼らは地道に、しかし美しく命を育んでいます。

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生物の世界は本当に逞しいエネルギーで満ち溢れています。

いつも生物のことを考えると遺伝子って不思議だよなぁっていう結論にたどり着きます。何千年、何万年と受け継がれてきた遺伝子情報が刷り込まれているという理屈は分かるにせよ、あんなに小さな細胞の中にどうしてこんなにも情報が刻み込まれているのか不思議でたまらんのです。もはや遺伝子は宇宙人が授けた産物なんじゃないかって思えるくらいにものすごい。

彼らは誰かから丁寧に生き方を教わったわけではありません。天敵が来ても誰も助けたりしてくれません。娯楽やビジョンのために生きているわけでもありませんし、引きこもりニートになって安全に暮らすことはできません。

ただ、生きるのみ。

僕たちの見えないところで、彼らは今日も戦っています。
僕たち人間は、どんな遺伝子を未来に引き継がせていくのでしょうか。


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大自然の秩序は宇宙の建築家の存在を立証する。
イマヌエル・カント
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