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2023年10月に読んだ本

 こんにちは。

 気づけば2023年も残り2か月になってました。
 
 暑い日が長く続くせいか夏が終わったと思ったら年末、みたいな感覚になってしまっているようにも思えますね。

 といったところで2023年10月の読書記録です。


1. 砂糖の世界史

 コーヒーの次は砂糖を通して世界史を読み解きました。
 砂糖というものがどう生まれ、どう広がり、どう世界を動かしていったかということが分かりやすくまとめられていたと思います。
 「砂糖をより多くより効率的に生み出すにはどうしたらいいか?」という問題に対して、「奴隷を使ってプランテーションを行う」という回答を出した人類の冷淡過ぎる合理性には背筋が凍るような錯覚を覚えるほどでしたね。というように砂糖と人類の関りには長らく「奴隷制度」という世界史の闇の部分が要所要所で顔を覗かせているわけでして、そこに触れないわけにはいかない、というのは分かるのですが中盤以降は砂糖そのものというより奴隷制度についての説明が多くなっていたところが少し気になりました。
 とはいえ中世~近世欧州史、特に英国の産業革命に至るまでの裏で砂糖が果たした役割や、その立ち位置が徐々に変わっていく様はとても興味深いものだったと思いました。

2. 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

 認知バイアスに関する入門書です。
 人の頭や心が物事を捉える際にどう動き、それがどう行動に移っていくのか、その中で何故非論理的・非合理的な選択をしてしまうのかといったことが9つのテーマでそれぞれ分かりやすく解説されてました。
 それぞれのテーマについてより深く知りたい場合に多くの参考文献が章ごとに紹介されているのでとっかかりとしてもおススメ出来そうです。
 紹介されている内容が本当に「あるある」だったり、出された問題に意図したように引っかかってしまったりといったことを通じて、人間の論理性・合理性ってアテにならないんだな……と悲しい気持ちになりそうではあったんですが、「裏を返せばこういうこと」といったようにある面では愚かしく見える人間の認知が、別の面では賢さの表れだったりするといった説明がなされていたため、「だから人間はダメです!」で終わらないのが良かったと思います。
 個人的に気になるところとして、言語と認知の関係性については昔から興味がある分野でもあるので、ここで紹介されていた文献にもいずれ目を通したいなと思いました。

3. 日本の伝統 発酵の科学

 発酵というのはどういった現象なのかといったところから、何故発酵食品は美味しく健康に良いとされているのかといったところまで、発酵にまつわる様々な側面を科学的な視点から解説した一冊。
 発酵というのがいかに繊細かつ計算された手法で行われているのかというのがよく分かると同時に、人類の「食」に対する飽きることない探求心のようなものが感じられる内容でした。
 タイトルには「日本の伝統」と入っていますが、外国の発酵食品(ヨーグルトとか)も同じように触れられています。
 序盤に「発酵と腐敗を分けるもの」のくだりがあるのですが、まさに至言。本書において私の中ではここが一番印象的だったかなと思います。

終わりに

 本とゲームは積めば積むほど良い、なんてことを言う人もいますが……

 Kindleで興味を持った本をストックし続けていたら結構な冊数になってしまっているのでやっぱり消化ペースというものは考えないといけないと思います。時間は有限ですしね。

 それではまた。

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