GARIO

同人大衆小説家。死んだように見える生者。あるいは生きているように見える死者

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最近の記事

遺書代わりコラム その3

自分がこの世で一番不幸だと思いたいわたしとしては、周囲の人が不幸になるのは許せないことだ。この世で不幸なのはわたしだけであってほしい。勝手に不幸を蔓延させないでいただきたい。 人というのは愚かな存在で、社会的距離が遠い(知らない国の知らない人の苦しみ・幸せなどわかるはずがない)とか、時間的距離が遠い(自分たちの言動の50年後の影響などわかるはずがない)話をうまく想像できないし、ほんとうにやるべきことがわかっていても、見栄とか小銭のために軽率に振る舞う。強い信念とか固い意思を

    • 遺書代わりコラム その2

      生きるのも大変だが、死ぬのも大変だ。 調理という行為の重大性に気づかない人は幸せだ。そういう人は人生を通してちゃんと調理されたものを食べてきたのであって、エサを食ったことがないと思われるからである。つまり、この世の食べ物はすべてちゃんと調理されていると思っていて、ときにエサがあることを知らない。これほど幸せなことがあるだろうか。美味いものを、そうと知らずに食べる人こそが本当の幸福の持ち主だ。 知ること、自由であること、権利を持つこと、力があること。これらは一般に望ましいこ

      • 遺書代わりコラム その1

        ずいぶんと長い間、死にたいと思い続けて、今も惰性で生きている。そろそろ決着をつけるべきかと思ったのが昨年の終わり。理想では、あと4年で死にたい。 死ぬと決めたところで、それまでは生きなければならず、生きているからには、ものを食べ、ものを考え、起きたり寝たり、金を使ったりするわけで、結局、死ぬことを望んでいる以外は、わたしは紛れもなく生き物である。生き物としてのわたしは、上から食べて下から出すように、何かを見聞きして、それについて考えると、どこかに出力したくなる。積極的にもの

      遺書代わりコラム その3