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書籍『障害児イクメンの家計簿』(仮) 第2章 障害者手帳の取得は、障害者家族のセンターピン

章題は、「センターピン理論」を障害者家族に適用した表現です。

ボーリングでストライクをとるには、一番前の真ん中にある「センターピン」を倒すことが必須条件になります。どんなに速いボールを投げても、「センターピン」に当たらなけば、ストライクは取れません。

障害者家族にとっての「センターピン」が障害者手帳なのです。

我が子のケースです。出産時に先天性の厚生労働省が定める指定難病に罹患していることが分かりました。出産した病院の医療ソーシャルワーカーさんに相談したこともありました。
医療ソーシャルワーカーさんとは、患者や家族の経済的、心理的な悩みや課題などを相談にのり、より良い社会生活が送れるように支援してくれる人です。

しかし、難病者は医療費の特典はあるものの、生活を下支えするのには心許ない感じでした。
難病の子どもが無事退院して、数年が経過しました。

ある日の診察で「装具を作ってはどうか?」、「装具を作るには身体障害者手帳を申請するのが良い」と主治医から助言がありました。

身体障害者手帳を取得することは、我が子が障害児と認定されることを意味します。親としては、受け入れ難い事実です。一方、我が子に必要な福祉は受けさせたいという気持ちもありました。夫婦で相談した結果、身体障害者手帳を申請することを決断しました。

身体障害者手帳を取得してから、我が家の家計事情は一変しました。多くの障害者手当や障害者サービスなどを受けることにより、時短勤務や通院による欠勤により、これまでの7割程度に落ち込んでいた手取りの補填になりました。
これまでの疎外感から、世の中が支えてくれている安心感も得て、精神的にも余裕が生まれました。

これまで知らなかった生活の扉が開いた瞬間でした。その扉の入り口にあるのがボーリングで言う「センターピン」が「障害者手帳」なのです。

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