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不妊治療で病んだら植物を育てよう

この行き場を無くしたあふれる母性をどうすればいいのか?不妊治療中、メンタルを病む人は少なくない。3年間ずっと不妊治療中の私もそのひとりだ。

がんばっても一向に終わりが見えない。私がはまっている不妊治療という沼を、周りはあっけなく通り過ぎていく。それがたまらなく虚しい。

そんなとき救いを求めてペット飼う人は多い。無論、幼少期から猫を飼っていた私は大賛成であるが、植物を育てることも同じくらい有力な候補に挙がってもいいと思う。

私は不妊治療でどうしようもなく病んでいた頃に、ほんの些細なきっかけで花苗をタダで入手した。とあるイベントで無料配布されていたのだ。

これまで植物を枯らしまくってきた自分だが、毎日水をやったり眺めていると、なんだ、かわいいじゃないか。だんだん愛着がわいてくる。毎日眺めているとほんの些細な成長も見逃さない。どうやらガーデニングは、孤独な不妊治療で行き場のない母性を抱えていた私にフィットしたらしい。

おまけに私の収集心に火をつけた。次々に新しい植物を増やしたくなった。なにせ植物は無限に種類があるのだ。世界に27万種ほどあるらしい。あれよあれよと、家に0個だった植物が半年で50個以上になっていた。

ベランダを埋め尽くす植物たち

以前はヒステリックを起こしやすく、あんなに突然泣き出すことも多かったのに、ガーデニングを始めてからすっかり精神は安定した。

正直、ただの「草」と思っていた植物たちは(失礼)、日に日に成長が見られる我が子のような存在になっていったのである。

単価が安いし何年も咲くので、治療費がかさむ不妊治療時のお財布にも優しい。「今月もダメだった、生理きた・・・」というとき、ご褒美として買っても罪悪感がない。ひとつ花を増やすだけで幸福度が倍増する。

今日も私の生活は植物の水やりからはじまる。

※不妊治療はほぼ常に妊娠の可能性がある状態なので、土いじりはトキソプラズマに注意して、必ず手袋をつけて手を洗うようにしています。


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