自分ひとりではなくチームで挑む。そこにレースの意味がある
今年再始動したガーデンクリニックのレーシングチーム「G.C.R.T」。今回は、なぜ僕がレーシングチームを作りたいと思ったのかをお話したいと思います。ただ車が好きだから?走ることが好きだから?もちろん、それも理由のひとつです。でもそれ以上に“ひとつのチームであること”、そこに意味を感じているからなんです。
世界最高峰レースが教えてくれたチームの形
もう何度もお話ししていて申し訳ないのですが(笑)、子供の頃から車が大好きでした。僕が子供のころはスーパーカーブーム。とにかく早くて、カッコいいデザインの車に憧れていました。当時も今も花形のレースと言えば、世界最高峰のフォーミュラカーレース「F1」。若いころはもちろん実際に見に行くことはなかなかできませんが、その分F1のドキュメンタリーや映画は良く見ていました。そうしているうちに、車やレースのカッコよさだけではなく、レースを取り巻く人間たちにも自分がすごく惹かれていることに気がついたんです。
F1は日本の鈴鹿をはじめ、世界各地のサーキットを転戦します。ドライバーやスタッフ、そしてその家族たちも一緒に世界中を巡るんです。サーキットでは小さな子供も一緒にレースを見ていたり、それこそ奥さんがストップウオッチでタイムを計っていたり。レースチーム自体がひとつの家族のような感じなんですね。さらに同じメンバーで転戦しているので、ライバルとなる他のチームとも仲がいいんです。世界随一のモータースポーツですから、車の性能やドライバーのテクニック、そして迫力ある走りという部分にスポットライトがあたりますが、その裏には結果を出すために時に厳しく、でも実はみんなで楽しみながら一緒にレースを作っていく世界がある。その姿に憧れました。
沸き起こる感動をわかちあう場に
僕も学生時代はカートレースに没頭しましたが、当時はただただ走るのが好きでした。でもひとりで研鑽を積むだけではなく、レースで負ければくやしいし、勝てば本当にうれしいといった純粋な気持ちを、モータースポーツを愛する仲間と分かち合いたい。そしてチームの一体感やモータースポーツの感動を、共有する場を作りたい。そんな思いとF1の裏にある家族のようなチームの形、それがこのG.C.R.T結成の大きな理由になりました。
次世代が上を目指す、そのチャンスを作る
そしてもう一つ、今の僕ができることは若い人にチャンスを作ること。このチームでの経験が、彼らにとって次のステップへとなって欲しい。そんな夢をつかめる場にしたいんです。僕が若いころにはできなかったチーム作りも、年を重ね立場が変わった今だからこそできることだと信じています。
前回お知らせしたように、今年からは藤波清斗選手と今橋彩佳選手をドライバーとして迎え、すでに良い結果を出し始めています。監督は黒澤琢弥さん、その他に沢山のメカニックの方々、そして車好きの僕の夢を後押ししてくれているガーデンクリニックのスタッフたち、すべての皆さんに感謝しています。
もちろん今も走ることが単純に好きなので、いつかはまたレースに復帰したいと密かに思ってはいますが(笑)
今はとにかく若いメンバーが心置きなく活躍できるようチームビルディングをするのが僕の役目です。この「ガーデンクリニックレーシングチーム(G.C.R.T)」というチームで、これからもモータースポーツをとことん楽しみたいと思っています。
元の記事: https://www.garden-senbi.jp/chairmancolumn/vol-21/
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