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創作大賞に小説が間に合わなかった男のボヤき



創作大賞2023に参加した感想

7万字を超える小説を生まれて初めて書きました。
小説については後ほど触れるとして、まずはご報告。

note創作大賞2023に応募しました。今回は2作です。
エッセイ部門に「いつか映画監督になるキミへ」
漫画原作部門に「ウチのおカゲさんは加減ってもんを知らねぇ!!」

冒頭で気になって下さった方は、ご一読お願い申し上げます。
(サクサク読めちゃうボリュームだと思います。)

そういえばエッセイも漫画原作も正式に書き方を調べたことがなかったので、Google検索欄に「エッセイ 書き方」とか「漫画原作 例」とか初心者丸出しのキーワードを打ち込むアプローチで少しずつ文章を固めました。

エッセイは難しかった。途中で余計な描写が入ったりして、小説っぽい方に引っ張られてしまう。「いやこのカメラ、どこに付いてるやつや」と自身にツッコミを入れたり、「これはエッセイ、エッセイ」と呟きながら淡々と書くことに徹したり。新鮮な経験をさせていただきました。

漫画原作は書いていて楽しかった。応募後にランニングしながら見た動画コンテンツで「上手な漫画原作はナレーションには頼らない」と言い放たれてショックを受けたりもしたけど、自分はナレーションとセリフの行ったり来たりの部分を書いてる時が最も活き活きしていた気がする。テレビの構成を書く作業に似ているからだと思った。

7万字の小説はどこへ?

で、本題。

Q.最初に触れた7万字の小説はどこへ行った?
A.間に合いませんでした。

どんな小説を書こうと思ったかと言うと、最近投稿して評判をいただいていたコチラの17,000字の記事「嘘が、心斎橋に飾られていた。」を30,000字くらいの小説にしようと思ったんです。

30,000字を目指した理由は、募集要項に20,000字以上と書いてあったから。また、せっかく膨らませるなら3,000字ほどチマチマ追加するのではなく、描写を入れたい箇所に全て肉付けするつもりで、自由に伸び伸び書いてみようと思ったからでした。

結果、どうなったか?
伸び伸び書きすぎたよね。

書けば書くほど心臓がドクドク高鳴ります。
"これ絶対しんどいやつやで…"
"これ絶対終わらんくなるやつやで…"
頭の中にいる万年筆の妖精と原稿用紙の妖精が声を揃えて「やめとけ」とボクに語りかけてきました。普通こういう時、二つの声は対立するはずでは?

それでも、心斎橋のノンフィクションから始まる、バチバチのフィクションを読みたくなってしまったんです。スタバでオーツミルクラテを飲んでいたら、突然思いついてしまったんですから。

未提出の小説のあらすじは、こんな感じ。
(創作大賞2023に間に合わなかった第1話の冒頭より抜粋。笑泣)

あらすじ

全国津々浦々の温泉地を巡る旅番組配属のボク(25)は、事実を誇張するのが苦手でロケ地のプレゼンが一度も採用されず絶望していた。

そんな中、有馬温泉の帰りに寄った大阪で【世渡り力の権化】みたいな関西弁の女子大生と出会う。相手の胸中を読む鋭い洞察力の根源には、8歳のエイプリルフールに失踪した父の影があり…。

過酷な温泉巡りの合間、嘘に敏感すぎる恋人と逢瀬する日々が幕を開ける。しかし永遠に続くと思った幸せは、ある人物の交通事故で思わぬ方向へ。

パリピな友人、生意気な後輩、スナックを営む彼女の母、ニート時代を救った恩師、異常な契約で結ばれたセックスフレンド。

誰一人欠けても辿り着けない、消えた彼女の父に迫る。

仕事、恋愛、謎解きの要素が全て詰まっていて、いささか興奮したのを覚えています。

大変そうだけどやってみたい。
その衝動に負けました。

気づけば「一休.com」で箱根の山奥にある旅館を予約していました。

平均で1日2時間文章を書き進めていたけれど、それでは到底足りないと判断して、和室・素泊まりプランを2泊3日で抑えました。総額55,000円は思い切った出費でしたが、後に引けない状況を作ることができました。東京から電車に揺られること3時間30分。設備の充実した素敵なお宿に出会いました。

箱根の旅館で執筆してみたら…

和を感じる畳に広いローテーブル。ベランダには山間を望む球体の露天風呂が付いていました。夜7時に閉まってしまうデイリーヤマザキで非常食と水を購入すれば、ずっと部屋の中で生活が完結します。執筆を邪魔するものは何もありません。

さぁ、思う存分書こうではありませんか。

…しかし人間、そんなに何時間もぶっ通しで集中できるように作られてはおりませんでした。ここで、とある疑問が浮かびます。

ボク、映像なら何十時間でも編集に没入できるのに、文章だと集中力が持続しないの、なぁぜなぁぜ?

答えは簡単でした。

ボクは文章の「最適解」をまだあまり知らないのです。それ即ち文に入れる言葉を選ぶ度に、脳がじわじわ労力を消費している状態。

映像だと「こういうケースは、こう繋ぐのが一番見やすい!」「笑える!」「ドキドキする!」とケースごとの最適解をインプット済みです。脳に労働させずともほぼオートで両の手は動いてくれます。

長文の執筆でも上記の領域に到達すれば、全体を俯瞰してバランスを整えたり、一貫した雰囲気の演出をかける余力を残しながら書けるのかな、なんて思いました。

だっておかしいよね。ボクが書けば書くほどゴールが遠ざかるようなのだから。文章の膨らませ方が明らかにおかしかったです。全体を俯瞰で捉えようとしたけれど、いざ手が動くと前から順番に仕上げようとする甘さが出た。

映像を編集できるから、台本や脚本を書けるからと、「もしかしたら小説だって書けちゃうんじゃないか」と考えるのは、あまりに傲慢だったようです。思い返せば、映像の台本では絵で撮りづらい概念的な表現は排除する傾向があります。逆に小説では分かりやすさを程よく抑えるとろこに醍醐味があったりします。全く似て非なるものだったのですね。そして箱根の山にまで篭り自分自身にプレッシャーをかけ過ぎたせいか、知恵熱が出て、帰宅後はしばらく寝込むことになりました。本末転倒にも程があります。

創作大賞2023運営スタッフ様へ

でも今回のnote創作大賞に応募してみて(一部応募しようとして挫折して)文章を書くことの奥深さを一層知る機会になりました。本当に良かったです。

それに7万字まで書いた文章が間に合わなくても「文章は楽しい」と今思えるので、書くことに本当に魅せられ始めているんだなぁと自分自身の変化を実感しております。ボクは創作大賞2023の経験を忘れません。全ての始まりが2023年7月17日だったと、5年後くらいに笑って言えるような文筆家になれているといいなと、切に思います。運営スタッフ様は貴重な機会を有難うございます。これからも大変な期間は続くと思いますが、くれぐれもお体にはご自愛くださいませ。

さぁ、何万字規模の小説を書ける人間になると決めたとあらば、これからやるべきことは明白です。

これからやること

・極小の脳の労力で「最適解」に近い文章を書けるまで、執筆経験と読書経験を増やす。時間と脳をフルで使うべきは、その上に成り立つ「演出」をかける時こそ。

・映像と文章の編集は全く違うものであると認識し直し、レベル0の気持ちでどんどん人様から吸収する(そして教えてもらう)気持ちを持つこと。

・「沢山の人に読んでもらう文章」と「作品性を我がままに追求するもの」をしっかり分けてから取り掛かること。文章もあくまで手段に変わりない。文章ごとに設定したKPIを見失わないように。(迷い=時間消耗に繋がるので)

・ボディビルダーが計画性を持って日々筋トレするように、文筆家は計画性を持って日々文章を書くこと。大会1ヶ月前に慌ててジムに入会してランニングし始めても、舞台にすら上がれないケースも(今回のボクの小説)。

新しいマガジンを作りました。自分の思考整理用のマガジンです。主に「書くこと」についての考察する場にする予定ですが、日記のような位置づけにスライドするかもしれません。映像経験を執筆に有効に落とし込む方法はないか?そんなことを考えるボクの頭の中を整理する場所にしようと思っています。気が向いたら覗いてあげてください。監視されないとダメなタイプです。

皆様が書くを習慣化する為に気をつけていること、ワンポイントアドバイスなどあれば、ぜひお願いします〜。それでは。

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