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会議は目に見えているものが全て

『さてと、会議が始まったから内職するか…。』
相沢はいつものように会議中に明日のお客さんへの営業資料を作るのにパワーポイントを立ち上げた。

「では今日の議題のスライドを画面共有しますね。」
先週から相沢と同じ部署に配属された高柳はファシリテーターとして説明を開始した。

Zoomの画面共有はパソコンの画面に最大化されて表示されるので、相沢の画面にも今日の議題の資料が表示された。

『おっと…。営業資料の画面が後ろになったか…。まぁ、しばらくは聴いてやるか。』
高柳の説明が続き、概要の説明をしていった。そろそろ説明が終わりそうだと思った相沢はパワーポイントの表示を戻して内職を再開した。

「概要は分かっていただけたと思いますので、資料は変えて、話し合い用のボードを画面共有しますね。」

『え〜!?また、画面が専有されてしまった…。』
舌打ちしながら画面を内職に戻そうとした…が

「相沢さんはこのテーマには昔から苦しめられたのではないかと思いますが、ベテランとしてご意見をいただけるとありがたいのですが…。思い出すのも大変ですから、あくまで今の立場からの考えで教えてもらえませんか?」

『ん?俺の専門知ってるんだ…。聞かれた答えるけどね。』
話し出す相沢。相沢の発言をボードに書き取っていく高柳。
相沢の話からいろんな人が高柳に質問を受けながら話していく。相沢はどんどん書き出されていくMiroというボードをしっかり目で追っている。みんなが知りたそうなことや持論を展開して会議に没頭してパワーポイントを触ることはなかった。

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