iPhoneの夜間撮影性能への驚き
先日、夜のウォーキングの最中に見事な紅芙蓉の花を見かけました。
黄昏時の宵闇の中で街灯に照らされた姿が美しく、写真に収めたいと思いながらも、そういう時に限ってカメラを持っていないのです。
空の色は刻々と変化し、カメラを取りに戻る余裕もない。
とは言えそのまま見逃すにはもったいなく、まぁ、撮らないよりはマシか、ということでiPhoneで撮ってみることにしました。
昨年購入した私のiPhone 13 Proではカメラの性能が大きく進化していることは普段から使っていて理解していましたが、それは昼間に限った話。
スマホに入る小さなサイズの画像センサーで夜景を撮ったところでノイズだらけの写真になるだろう、という思い込みから夜間の撮影はデジカメで行い、今までiPhoneでの撮影はほとんど試していませんでした。
大きな間違いでした。
驚くほどノイズがなく、かつ色合いや階調、輪郭がしっかり表現された写真が取れました。
世の中の大半の方からすると今さら何を驚いているんだ、という話なのでしょうが、小さな画像センサーは暗所に弱い、というカメラマニア特有の思い込みにより完全に誤解していました。
この結果に写欲を刺激され、ウォーキングの最中にあれこれ設定を試しながら夜景を撮り歩いたのですが、びっくりするほど楽しかったです。
iPhoneのナイトモードという長時間露光の機能と露出補正、トーン補正、フィルターなどの設定を使うことで、スマホの小さなカメラから出てきたとは思えない写真が撮れます。
シャッターを押すだけでこの仕上がりになることが信じられません。
例えば私の持っているデジカメ、X-E4でも同等の写真は撮れるでしょうし、より自分のイメージに近い写真に仕上げることも可能です。
しかしそれには、RAWで撮影して各種パラメーターを念入りに調整して現像する必要があります。PCに画像編集ソフト、そして知識も手間も必要です。
iPhoneではそれが2~3秒の間に自動で処理されます。
幾重ものガラスレンズで濾過し集束させた光を大きなフィルム、画像センサーで受け止める。
ノイズの少ない良い画像はそうやって出来上がるものと今までは思っていました。
一方、iPhoneはプラスチックレンズを通して小さな画像センサーで捉えた光をプロセッサーで解析し、人の目にはこう見えているであろう光景を再現するために光を再構築する。
iPhoneの有り余る計算能力を用いればここまで出来るのか、と率直に驚いています。
スマホの片隅に押し込まれている制約だらけでの光学系でも、光さえ届いていれば後処理で十分以上にきれいな写真が出力できる時代になったことを実感します。
色々と複雑な心境になる現実ではありますが、とりあえずはこの文明の驚異での撮影を楽しんでみようと思います。
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