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小説

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結晶



大文字山は京都に住む者にとっては身近な存在で、ぼくと彼女の初めてのデートも五山の送り火だった。

ふたりが別れることになった時、何故か大文字山に登ろうということになった。

それは儀式の様なものかも知れないが、寒く、乗り気じゃない彼女を引き摺り出して山を登った。

防寒が過ぎて山頂に着く頃には少し汗ばんでいるほどだった。

山頂でぼくらはぼくらが住んだ街を眺めた。

狭いようだが行ったことの無

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