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子供のおちんちん力と大人の将来

男の子の親なら一度は耳にしたであろうパワーワード「おちんちん力」。
大人の想像の右斜め上をいく、好奇心旺盛な男の子特有の行動のことだ。
このおちんちん力を伸ばしてあげることが、男の子育児のツボの一つらしい。結果の程は分からないが、我が家の小1男子を観察していると、特有なおちんちん力というのは確かにあるように思える。

例えば、
傘をさすと、わざと半分閉じて歩きたがる。
裸いっちょで顔にパンツをかぶり、「パンツマン」なるヒーローに大変身。
真っ直ぐ行けば10歩の距離も、ヒマラヤ登山隊最終アタックばりに、ソファーの背面絶壁を這い上がり、登頂先では頭からの直滑降ダイブを繰り広げ、目的地直前でトランポリンの網に溺れるという難関ルートを開拓してみたり…。


そんな彼がある日、私に尋ねてきた。

「ママは将来なにになりたいの?」

って。


親としては、何でも夢を持つといいよ、とか、経験することの面白さとかをちょいちょい伝えはじめている訳だが、この返しは想像していなかった。どんな答えを返しても、納得しないのか彼は同じようなことを何度も尋ねてくる。

そして。
とうに不惑を超えた自分が今、生き方迷走中という事実に直面している。正しくは、気づかないようどこかにしまい込んでいたのを、彼の一言で表舞台にずりっと引きずり出され、向き合わされている。


多少なりの経験が積み重なって、仕事ではキャリアの天井もくっきり見えている。結果、何事も塩梅よくつじつま合わせが得意になった。挑まない、守りの人生の選択。

その一方、何かもやっとした感情が胸の奥底で鈍く渦巻いていたりもする。昔話の意地悪ばあたさんだか魔女だかが高笑いしながら混ぜている、訳の分からない鍋の中身みたいに、ぐるぐるぐつぐつとした何か。

結局、塩梅なんて何にもついていないのだ。経験を積んだ分、ただ理論的になっただけ。本質的に大事なものを置きざりにしてきた居心地の悪さを感じながらも、仕方がないさと言い訳をしているだけ。

そりゃ全然言葉に力がないし、何にも伝わらない。彼はそれを最初から感じ、故に何度も尋ねてきたんだろう。おちんちん力って、男の子のDNAに刻まれた、ある種野生の本能らしいから。


この先も君から教えられることの方が多いかもしれない。君のおちんちん力がどれくらいのものか、まだまだ全然わからないし。
だから私は、自分にも真っ直ぐに向き合い寄り添わなきゃならない。いつか、私の言葉にほんの少しでも力が宿って君に届くといいなと、強く思うから。

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