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2021年12月に読んだ本と今年読んだ本

 12月に読んだ本は2冊で、2021年に読んだ本は合計63冊だった。平均は月に5冊程度で、だいたい週に1冊以上読んでいた計算になる。


 感覚的には「一般的には多く読んでいる方だけれど、読書家にしては少ない方」と感じている。「一年で100冊」が一つの読書家ラインだと思っていて、別にそこに優劣は無いんだけれど、100冊読める人は凄いなぁと感じる。


 「じゃあ2022年は年間100冊を目指すのか」と問われると別にそんな意識はさらさら無くて、むしろ2021年よりペースは落ちるだろうなと思っている。


 「月に5冊、週に1冊」は自分にしてはかなり調子が良い方で、この12月のように月に2冊しか読めないことがざらに発生するだろうなあという予感がある。


 それにやはり無理して読んで、読書を嫌いになりたくないという想いが強い。これは仕事ではなくあくまでも趣味であり、自由でかつ無責任にやっていきたい。


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2021年12月の読書メーター

読んだ本の数:2冊
読んだページ数:304ページ
ナイス数:46ナイス


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■別冊100分de名著 「日本人」とは何者か? (教養・文化シリーズ)

 日本人の思想や思考様式の特徴を問われたらなんと答えるだろう。無宗教、勤勉、真面目、主張しない、空気を読む、年長者を敬う、などなど人によって考えはまちまちかもしれない。本著は九鬼周造・折口信夫・河合隼雄・鈴木大拙の4人の名著からその問いについて改めて捉え直すきっかけを与えてくれる。
 九鬼は江戸から発生した「いき」の文化に注目し「媚態」「意気地」「諦め」の三要素が「いき」を構成するととらまえた。例えば恋愛(本書内では特に「遊女の恋愛」)においては、ほのぼのとした幸せではなく、”互いを思いあいつつ、極限ぎりぎりまで近づきながらも、互いに執着をせず、淡々と瀟洒な心持ちでいる。そうした垢抜したところがあってこそ「いき」”と説く。
 ”死者と時空を越えてコミュニケートする感覚が、古来日本にはあったのではないか”と折口著『死者の書』から読み取れると本書は述べている。生死のみならず「境を越える」ことは折口の中で大きなテーマとなっており、人とモノの境、性別の境を越えることが日本ではしばしば起きる。例えば、日本の神話では、ヤマトタケルが女装をしてクマソを討ち倒すし、「八百万の神々」という概念に代表されるように”モノの中にカミを見る。モノを通して神性に至る。”これらは言語化が難しいが日本人ならではのこの特性を、意識にのぼらせてほしいと述べている。
 『古事記』にはしばしば「無為の神」すなわち、登場はするものの全く実態がなく、はたらきもしない存在がいることに河合は注目した。この、存在はあるが中身は無い「中空」に太古昔から発展してきた日本人の思想や宗教、社会構造の原型があるとするのが本論の趣旨である。分かりやすい例でいうと信号に青と赤のほかに黄があるように、A/非Aという二択にせず、真ん中に三つ目を置くことによって、どちらも生かすことができる。この空虚、すなわち存在しないはずの”空気”を重要視するあまり個人の個性や自己主張を軽視することが日本人の態度であると述べられており、太平洋戦争における様々な失敗が引き起こされたのだと主張する『失敗の本質』という書についても本著で言及がされている。
 『日本的霊性』の著者・鈴木大拙は先に述べた河合の中空構造をより論理化した時に見えてくるものとする。禅宗徒である鈴木は、「立ち居振る舞いや作法、日々の作業が思想に繋がり、生活の隅々で活かされるようになること(大地性)」、「自分に目の前にある幻想や妄想を取り払うことで世界がクリアに見えてくること(莫妄想)」、「0か1か、右か左か、上か下か、海か山かといった”分別”を取り払って、もっと根源にある”智”を働かせること(無分別智)」の三つをもって霊性を説明している。

読了日:12月30日 著者:松岡 正剛,赤坂 真理,斎藤 環,中沢 新一


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■老人と海 (1966年) (新潮文庫)

 100分de名著をきっかけにヘミングウェイを初めて読んでみた。
 海の上で巨大なカジキマグロと三日三晩闘う老人・サンチャゴの孤独感が味わい深い。と同時に、その獲物に自己を投影し、自分と対等な存在(自分は魚を殺そうとするし、魚もまた自分を殺そうとしている存在)なのだという''生命に対する敬意''が老人の言動や行動からつぶさに感じられる。生の魚を船上で食らう様子も鮮やかで、少年マノーリンの存在もまた闘いの物語に細やかな花を添える。

読了日:12月31日 著者:ヘミングウェイ


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2021年の読書メーター

読んだ本の数:63冊
読んだページ数:16011ページ
ナイス数:1933ナイス


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【お知らせ】

 読書記録をまとめ始めて、ついに1年(12か月)が経ちました!すごい~!


 2022年も継続してこのまとめを続けていきたいと思う一方で、実は一つ不満なことがあります。


 読書メーターの文字数(240文字)に、本を要約・説明・感じたことをまとめるのは、前々からかなり限界が来ているように感じていました。


 毎回文字数を削り、伝えたい思いや引用したい文を削りながら作成しているのが少し窮屈に感じるようになってきました。


 そこで、文学用のTwitterアカウント・並びにnoteアカウントをこの度新設しました~。わーいぱちぱち~。







 そして、これらのアカウントにはもう一つの”役割”があります。


 それは、物語を書くこと、それを発信することです。


 どれくらいの頻度で活動できるのか、どのような形で発信していくのかはまだまだ未定であり、ゆっくりと考えていければと考えていますが、、、



 実は既に文学フリマに出店することが決まっています。


 場所は京都、みやこめっせ!


 日程は2022/1/16(日)の11~16時!!


 なんと一週間後です!!!


 急すぎてごめんなさいm(__)m


 こちらに情報が上がっているので是非チェックしてみてください。入場は無料です。


 そして、もしご都合がつけば足を運んでみてください。


 作者名:深山悠河 
 作品名:『深い山に悠々と河は流れる』
 ジャンル:純文学
 ブース:い-37

で出店予定です。


 表紙はknpcraftさんに描いていただき、素敵な作品に仕上がっています。



(※オミクロン株の感染急拡大の中で予定通り開催されるかは極めて不透明と言わざるを得ない状況ですので、開催有無は公式Twitterなどから正確な情報を得るようにしてください、私も極力発信するようにします)。



 Twitterとnoteの方もよければフォローをよろしくお願いします。





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