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ストリートを監視する東京風紀委員会

街中で見かけるステッカー

街中を歩いていると、いたるところでステッカーを見かける。
初めは景色の一部だった。
しかし、去年の秋頃に高田馬場を歩いているときにふと一枚のステッカーに目が行った。
それが、東京風紀委員会を初めて認識した時だった。

高田馬場の駅前で見かけた東京風紀委員会

涼宮ハルヒをオマージュしたポーズ。
「ダメよ。ゼッタイ。」という薬物乱用防止のスローガンをオマージュしたコピー。
そして左下に書いてある「東京風紀委員会」というあるのかないのかよくわからない組織。
なんとなく興味を惹かれてしまって調べてみたが、あまり情報もなかった。
その謎の組織っぽさにワクワクしてしまった。

調べて出てきた情報

調べて出てきた情報は以下の通りだった。
・Twitter、Instagramのアカウントがある
・画像の女の子は存波うゆという名前らしい
・うゆちゃんは東京風紀委員会の委員長(といっても、ほかの委員の存在は全く感じられない……)らしい
・ストリートの治安を見張るというコンセプトらしい
といった程度だった。

横長で大きめのステッカー。よく見る隈取りのステッカーのオマージュか。

また、個展を開催するとTwitterアカウントで言っていたので、足を運ぶことにした。

個展

アートには疎く、ましてやストリートアートなんて少しも知らなかった自分が個展に行くなんてちょっぴり緊張した。
個展の会場に行くと、中央にどどんと机が置かれていた。
以下、会場で撮った写真を何枚か。

中央に置かれた委員長の机には、いろんなストリートアーティストによっていたずらがされていた


交番にこういうのあるよね~


没収とかしてるんだ。なお、没収品を自由に使ってステッカーを描いて貼り付けてよいというふうになっていた。
ステッカーを貼っている委員長。キャンバスに描かれた委員長、本物のステッカー、アクリル板のレイヤーになっていて、対象物(配電盤等)から見ているような感覚になる。

この個展でだいぶ東京風紀委員会について知ることができた。
・東京風紀委員会は落書きする人を勝手に取り締まっている
・それはおそらく存波うゆ個人の活動である
・存波うゆは実在する!

不在の立て札があることによって逆説的に委員長が存在するような感覚になったり、勝手に治安を守ろうとして自分もステッカーを貼っちゃう自己言及的なおかしさだったりと、存波うゆのことが好きになっちゃう個展だった。

その後も追っているが、グループ展、Tシャツ販売、二度目の個展、ついには銀座の蔦屋書店での展示など成長著しい東京風紀委員会。
みなさんのお住まいの近くにも貼られているかもしれませんね。

インターネットからアングラ感が失われた今、路地裏が在りし日のインターネットなのかもしれない
秋葉原某所。これは持ち主の依頼か。
渋谷区某所。A4サイズのステッカーをミシンで繋げた巨大ステッカー。
同じところ。
今はもう塗られてしまった。しかし、委員長からしたら真っ白なキャンバスに見えるのかもしれない。

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