ゲーミフィケーションで服薬管理 「Mango Health」の紹介と現状
病院で処方された薬を飲み忘れる、そのような誰にでもある経験が、時には命を脅かすこともある。服薬管理は年齢・性別・地域に関わらず、今も続く全世界共通の課題だ。今回は、およそ10年前に服薬管理をアプリを用いて解決しようとした「Mango Health」の内容と現状について紹介する。
「Mango Healthとは?」
「Mango Health」は適切な服薬管理を用いて、アドヒアランス(患者が治療や服薬に対して積極的に関わり、その決定に沿った治療を受けること)の向上を目指し作成された無料アプリである。
主な機能としては、服薬リマインダー、薬の管理、薬の副作用を把握することが挙げられ、これらの機能を独自に設定することで、ユーザーは適切な服薬管理を行うことができる。
ここに、毎日の体調管理や服薬の有無を記載することで、薬の残数や薬の副作用の内容を事前に把握することができる。
ただ、この服薬管理だけではユーザーは楽しみがなく、飽きてしまうことが多い。そこで、Mango Healthは、「毎日の体調管理や服薬の有無を記載する」にポイントをつけることで楽しみを見出した。毎日溜まっていくポイントは、慈善団体への寄付や、様々なお店のギフトカードと交換することができる。
Mango Healthの現状
「Mango Health」は2013年にアメリカでリリースされたアプリであり、アプリ×ヘルスケアの事例では初期から存在する。
ビジネスモデルとしては、広告モデルでの運用を行っていた。
順調にDL数を伸ばしていたが、2018年に以前のCEOであった Jason Oberfest がAppleのヘルスケアチームに参画することが発表された。
その後2019年に、製薬メーカーと患者と薬や様々なサービスを結びつけるサービスを展開する「TrialCard」によって非公開の金額で買収された。
TrialCardはペイシェント・サポート・プログラム(PSP)を重視しており、この買収によって保険適用範囲の決定や薬剤の発送、最新の自己負担金給付の使用状況の追跡のような "舞台裏 "の活動の可視化を目指していく。
日本の服薬管理の現状
現在日本では、ポイントが獲得できるような服薬管理アプリは少しずつ増えてきており、今後はメジャーなサービスに統合されていくだろう。中でも楽天ヘルスケアは、今後服薬管理にもサービスを拡大し、利用により楽天ポイントが付与される仕組みを検討中である。
適切な服薬管理によって健康管理を行うだけでなく、流通量の適切な是正による医療費削減にもつながる世の中が日本でも到来してきている。
公式リンク
Mango Health: https://dokiedhuzhqa9.cloudfront.net/
参考記事
https://www.cnbc.com/2018/12/07/apple-hires-mango-health-ceojason-oberfest.html
https://wired.jp/2013/04/20/mangohealth/
https://www.mobihealthnews.com/news/north-america/mango-health-acquired-pharma-service-trialcard
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