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SFL Pro-JP 2021リーグ結果振り返り【第4節まで】

格闘ゲーム「ストリートファイターV」の長期戦リーグ『SFL Pro-JP 2021リーグ』ですが、第4節で序盤は終了し、これから中盤戦という所ですが、ここまでで幾つかのトピックを振り返ります。

(出展:https://sf.esports.capcom.com/)

グッパチとFAVがやはり2強

第4節Day2終了時点順位
1位 Good 8 Squad(13ポイント)
2位 v6プラス FAV Rohto Z!(13ポイント)
3位 忍ism Gaming(8ポイント)
4位 Mildom Beast(8ポイント)
5位 魚群(7ポイント)
6位 Saishunkan Sol 熊本(6ポイント)
7位 コミュファDetonatioN(6ポイント)
8位 名古屋OJA BODY STAR(6ポイント)

「グッパチ」ことグッドエイトスクアッドと、FAVロートZの2チームが13ポイント獲得と、やはり群を抜いて強いです。
下位チームとはダブルスコアを付けているほど差があります。
ただ、これは予想通りなので特に驚きはありません。

後半戦もこの2チーム中心に優勝争いし、野球のクライマックスシリーズのように、3位チームを交えてプレーオフのような形になると思われます。
プレーオフについては選手は知らされていますが、まだ運営から詳しい情報は出ていません。
2021/11/1追記:5位までプレーオフがあると情報が一般公開されました。

3位の忍ismと4位のミルダムビーストは健闘しています。
忍ismは昨年初参加で結果は惨敗でしたが、若手で既に日本トップクラスのひぐち選手がSFL2021で加わった事、後述しているように藤村選手の復活が大きいです。
藤村選手を出すだけで毎回確実に1ポイントアドバンテージがある感じです。
忍ismは、ももち選手使用キャラのあきらが高火力なものの安定させ辛いこと、大谷選手の豪鬼とリュウをどこで使うのか(豪鬼を使っていたプロの大半が別のキャラに変更しています。)といった運用の難しさはありますが、上位も狙える位置です。

ビーストはドラフト枠でJeSUライセンス新規獲得者から2名を採用していることから、普通に考えるとややハンデがありますが、大健闘と言えると思います。
ふ~ど選手でポイントが取れている事が大きいです。
ただ、ときどバイソンのように対ガイルのカウンターキャラが出てきているので、ウメハラ選手も今後ポイントが取れるかは不透明です。
あとは、ドラフト採用枠のYHC-餅選手も、オンライン大会では上位の常連でしたが、プロばかりのリーグでは苦戦している印象です。

5位の魚群から8位の名古屋は混戦ですが、ドラフト2名採用チームの熊本が善戦といった感じでしょうか。
やはりネモ選手個人の力とオーダー戦略が光っています。
Shuto選手が内容はいいだけに今後爆発してくれば上位もあると思います。

魚群は本来のチーム力からすると苦戦です。まちゃぼー選手、もけ選手といったプロ選手が調子が出ていないのが厳しいです。
リーダーのマゴ選手が調子を取り戻して2ポイントを取り続ければ上位進出もあります。

この中では名古屋とDetonatioNは厳しいかもしれません。
名古屋はドラフト採用枠のあきら選手がなぜか?リーダーになっていますが、MOV選手がポイントを取りきれず、ポイントが狙えるのがどぐら選手とあきら選手だけになってしまっています。

DetonatioNは、リーダーの板ザン選手の持ちキャラ弱体化、ナウマン選手のさくらがホーム、アウェイ両方でやや使いづらいこと、立川選手は元々他ゲーからの復帰組でブランクがある事などから、ポイントが狙えるのが竹内ジョン選手だけになっています。幸い竹内ジョン選手のコーディーが刺さってポイントは取れていますが、他の選手でポイントを取れないようだと下位に転落する可能性が高いです。

選手個人ランクでは藤村選手・ときど選手が2トップ

選手個人の成績は選手ランキングというページに掲載されています。

この中の上位は藤村選手、ときど選手の二名が強いですね。
藤村選手はキャミィで完全復活。人間とは思えない機械のような動きで相手を「処理」していきます。
ときど選手は最強キャラ・ユリアンのほかバイソンも手駒にし、ユリアンがやや分が悪い対ガイル対策も万全です。
ガチくん選手、ふ~ど選手、ぷげら選手などもポイントゲッターとして活躍しています。

ドラフト採用枠の選手は、全体的に厳しい戦いを強いられています。
ドラフト選手の中では、あきら選手が健闘しています。

また、プロ選手、ドラフト採用枠問わずの現象ですが、オーダーされず試合に中々出場が出来ない選手も出始めています。
4節終了時点で、4試合出場する選手もいれば、1試合しか出場していない選手もいます。

ときど選手がバイソン被せで勝利も物議を醸す

第3節Day2でのv6プラス FAV Rohto Z!とMildom Beastの対戦で大将戦で
ウメハラ選手のガイルにときど選手が持ちキャラのユリアンでなく、バイソンを出して勝利しました。
これについては、ときど選手の戦略を褒める声もありましたが、「キャラ被せが卑怯」と指摘する声もあり物議を醸しました。

普通に考えると、ガイルは全対応出来るキャラで、いわゆるSランクティアー(最強キャラ)の一角ですが、バイソンはガイルに有利を付けられる数少ないキャラだと思われます。
理論上はバイソンを使えれば、ガイル対策にはなります。
これまでずっとバイソンを使ってきたぷげら選手などは、現状のシーンでガイルに有利を得られるポジションにあります。

ただ、実際にはガイル対策にバイソンを練習しつつ、手持ちのキャラも練度が落ちないようにするという所までやる選手はほとんどいません。
しかし、それをやってのけるのがときどという選手の凄さです。
ときど選手はウメハラ選手にユリアンでも行けるが、より勝率を高めるためバイソンの練度を高め、しかもその情報を直前まで秘匿したからこそ成り立った戦略だと思います。

SFLのホームアンドアウェイというルールは被せを前提にしており、選手間では、普通に情報戦が行われています。
SFLの期間中は、「どの人にどの選手のどのキャラを出すか」という情報を常に探りあい、読みあいが行われています。
例えば試合に出ない選手も練習してCFNのリプレイに動画を残したり、SFLで使う予定のないキャラであえて沢山練習してブラフにしたり、といった事は普通に行われています。
これは選手の個人配信を見れば分かります。全員が承知している事です。
今回のウメハラ・ときど戦もその延長線上にあり、決して卑怯という批判には当たらないと思います。
仮の話ですが、ときどバイソンに被せてウメハラファンが出るという展開も考えられたのがSFLというリーグ戦です。

藤村選手の復活

これまでいぶきというキャラを使って数々の実績を残してきた忍ism Gamingの藤村選手ですが、いぶきの弱体化によってここ数年は苦しんできました。
が、キャラクターをキャミィに変え、デバイスもレバーレスに変えて、SFL2021では4戦全勝という目覚しい結果を残しています。
SFL最終シーズンで、藤村選手がようやく間に合った、という見方も出来ます。
CPT2021は、日本大会1と2でマゴ選手、ひぐち選手が優勝しましたが、次の優勝者に一番近いのは藤村選手だと思っています。
キャミィといえばあきら選手やマゴ選手が第一人者として名前が上がりますが、現時点では瞬間的に藤村キャミィが最強だと思います。
まるでプログラムされたかのように最適な動きしかしていません。
試合を見ている人は分かると思いますが、あの動きと反応は、同じ人間とは思えません。

一勝も出来ない選手の苦しい状態からのリカバリーにも注目

SFLというリーグは長期戦のため、負け続けるとこの選手は一勝もしていないという選手が出てきます。
そういう選手がいつ初勝利を掴むのか、負け続けてどういう対策や努力をして次の対決に向かうのか、チームとしてそういう選手を毎回起用するのか、リザーブにおいて調子を戻させるのかといった様々な見方が出来ます。
第4節まで一勝もしていない選手は、以下の選手です。
MOV選手、YHC-餅選手、もけ選手、まちゃぼー選手、大谷選手、立川選手

自分は負け続けている選手やチームが、次回までにどのようなリカバリーをするのかも注目して見ています。

第4節までのベストバウト選出

個人的ベストバウトは、第4節Day2のももち(あきら) vs sako(メナト)の試合です。

【Match➀ 大将戦】ももち(あきら)vs sako(メナト)「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021」第4節 Day2

この試合はももちあきらが先行するもsakoメナトが追い付くシーソーゲームで、最後まで縺れましたが、最後はsako選手が接戦を制した激戦でした。
どちらが勝ってもおかしくはなかったと思います。

一見リーチで圧倒的に不利に見えるあきらを、大将戦でピックしたももち選手が、メナトをあと一歩まで追い詰めたのは驚きでした。

この試合では、ももち選手はあきらの代名詞であるVスキルⅡ「通天打(超火力コンボにつながるエアバースト)」ではなく、VスキルⅠ「気功練成(きこうれんせい)」をピックしていましたが、この気功練成で立ち回りをカバーし、要所でもダメージに繋がっていました。
ただ、最終局面での気功練成のコマンドミス?でラウンドを落としたのが致命的で、敗戦に繋がってしまいました。

sako選手も、あきらが新キャラで出た際に集中的にやり込んでいたため、ももち選手の戦略を見切って試合の中で対応していき、最後はパワーに劣るメナトがあきらを端に追い込んでいく様は圧巻でした。

普段はランクマッチはせず、トレーニングモードのみで練習するsako選手ですが、今回はラウンジやランクマッチで実戦を重ねており、チームのために
やり方を変えてでも勝つというsako選手の執念を感じさせた勝利でした。

この対戦は、素人から見ると両方とも凄いという感想しか出ないのですが、
プロの超上級者から見てどういうやり取りがあったのかは、ときどさんの配信で分析されていますのでそちらを見るのが分かり易いと思います。

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