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スキルアップについて

はじめに

世の中でリスキリングという言葉をよく聞くようになり、学び直しについての必要性がテーマに上がっているようです。
ただこういう曖昧な言葉がテーマになる場合、その解釈にはとても大きな幅をもってしまい、価値のある事からやっているフリ、無価値なものまで玉石混合となってしまうのが世の常だと思っています。
今回テーマにある「スキル」とはなんぞやという部分にまで触れてしまうととんでもないボリュームになりそうな気がするのでそこはいったん置いて、これまでいろいろな人と働いてきた中で自分なりに感じるスキルアップについてまとめて行きたいとおもいます。

面接官の時によくしていた質問

面接をする側の時によく使っていた質問が「あなたが行なっているスキルアップに関する取り組みを教えてください。」というものでした。
この質問の目的は次の三つの確認を行う事です。
①_仕事を行う上で「スキル」とは何かの解像度
②_スキルアップの体系的な理解度
③_将来ビジョンの明確さと熱量

質問の回答で被面接者がどのくらいの状態かが大体わかると思っています。
今回はこの質問の解答例をもとにスキルアップについて書いてみます。

ちなみに質問した中で想定していたより多くの方が「特に何もしていません。」という回答でした。
スキルアップを意識している人としていない人の割合、働いている人の中でどれくらいのシェアになっているのかとても気になります。

スキルアップを簡単にまとめると

スキルアップを簡単にまとめると
A_「何か」が出来るようになる
B_「何か」が出来る能力が上がる

この2つに大別されると思います。
ツール系だと非常にわかりやすく例えば
Excelでマクロが使える、SQL(Structured Query Language=構造化問い合わせ言語)を使って簡単なデータベースなら作れる
といった具合に何がどれくらい出来るという事が簡単に言語化できます。
それと比較すると、過去の実績を軸にした内容、例えば人事で評価制度を作った事がある、セールスマーケティングでIS(Inside sales=内勤営業)の立ち上げを行なった、前職でPMI(Post Merger Integration=経営統合プロセス)をマネジメントしました。といった内容の場合はそれがどれくらいのレベルで、その人がどれくらいの影響力があって、どんなスキルを活かしたのかを認識するのが簡単ではない状況になります。

ちょっと脱線しましたが仕事は「何か」が出来るの積み重ねなのでその「何か」をどれくらい正確に把握しているかが一つの要素となります。

質問の回答例からのまとめ

では質問の回答例をいくつかのパターンで書いていきます。

解答例:資格の勉強を行なっています。

これは結構良く聞く内容です、資格と業務の内容がはっきり連動するケースもあるので一つの模範解答と言えるかもしれません。
ですがこの回答の際に注意する点は「その資格がとれたらなんになるの??」という目的がよくわからないケースが適度に紛れ込んでいます。
一口に資格と言っても世の中にはたくさんの資格があります。
私も何の為にとったのか、とってから一回も使う機会のなかった資格を持っています。
この回答を聞いた場合はその資格を取る事で「何」が出来るようになりたいか掘り下げていくとその相手の計画性やスキルの理解が把握できます。
ちなみにこの類似回答が「語学の勉強をしています。」です。

解答例:他者とのギャップを理解して改善するようにしています。

次は近しい人間とのギャップを埋めるという方法でスキルアップを捉えているケースです、個人的にはこれが出来る環境にある方は非常に羨ましいと思います。
具体的な例でいくと、先輩のプレゼン資料を集めて真似している、成績が優秀な相手からフィードバックをもらって改善点を探すといった行動がこれにあたります。
これは近しい人に限らず、ネットや書籍で対象を見つける場合もあてはまると思いますが、個人的には自分もよくやる方法です。
たまたま運良く上手く行ったというのは悪くはないんですが、基本は結果に原因があり再現性の高い実行が理想なので、上手く結果を出している人と自分のギャップを理解して埋める事は成長を早めると思っています。
その際に自分視点だけではポイントがわからないケースもあるので他者視点を活用するのも非常に有効です。

解答例:定期的に読書をしています。

これはそれほど聞かないですが、たまにあります。
おそらく読書好きな方にとって、読書はスキルアップではないんでしょうね。この場合ですが決して読書がスキルアップではないという事はなく、「知る=出来る」といったケースも世の中にはたくさんあるので知識を増やす事がスキルアップにつながるケースは多々あります。
スキルアップとして読書をとらえる場合について確認するのは次のポイントになります。
あくまでスキルアップとしてなので、読書はこういう事を考えてするべきという意味ではありません。
①_どのように本を選んでいるのか
②_読書の目的、目標設定はあるか
③_読書のインプットに対してどのようなアウトプットを設定しているか

知識を得るということは大事ですが、行動が生じないインプットは仕事としては何も生み出しません。また目的のない行動も効率が下がり結果を生み出しにくくなります。
読書という行動はある程度、何かをやっている感が出るのでだらだら読んで、本棚に並べていると達成感をもたらしてしまうので、ついつい読んだ本を並べる事が目的にならないよう自分自身も注意が必要だと思っています。

解答例:その時必要なテーマと目標を決めて行動しながらスキルアップを行なっています。

これはお手本がいない場合に取る方法の一つかと思いますが、設定している結果に対して現在の延長線上に結果が見えない場合、何かを変えなくてはならない、なので課題・テーマを設定して変えるべき方法を検討していくというプロセスになるかと思います。
振り返ると具体的に「何」が出来るようになったかは言語化出来るんですが、出来るようになるまではこれがまとまらない場合も多々あります。
基本的な私も含めて一般的な人間の場合、世界ではじめてやるような事はないのでお手本はどこかにあるはずなんですが、ドンピシャのお手本がない場合は自分で考えつつ、参考も集めつつといった対応になるんじゃないかと思います。
この回答の場合は過去の実績で何を目標にして、どんな成果が出たのかを聞く事で、かなりその人の状況の理解が進む事になります。

最後に

今回は質問に対する解答という形で書いて行きましたが、実はこの「あなたが行なっているスキルアップに関する取り組みを教えてください。」という質問、自分がされた事はありません。
なので一般的に面接で使われるいい質問ではない可能性があります、なので仮に答えを準備していても使う機会は訪れないかも、、、ですが逆に被面接者の時に「御社では社員のスキルアップの為にどんな支援や制度がありますか?」という形で質問してみてはいかがでしょうか、きっちりわかりやすく制度について説明してくれる場合もあれば、なんだそれ役に立つのかという制度を案内される場合もありますし、全然ありません、といった場合もあります。
自分がマネージャーの場合、メンバーが意識するしないに関わらず日々の業務をきっちり行う事でスキルが身についているといった状況が作れるのがベストだと考えているんですが、理想の為にはまだまだ自分自身がスキルアップしていく必要がありそうです。

筆者紹介

現在、都内ベンチャー企業で勤務
40代半ばの現段階で勤めた会社は8社目
ありがたい事に転職をする毎に待遇は上がって来ています。
最終学歴は高卒で、大学を中退したタイミングで小規模な広告制作会社の営業としてキャリアをスタートしました。
基本的には営業属性の仕事が多かったですが様々な業種に関わり、初めて転職した30代前半では苦戦の連続でした。
たまたま4社目の会社の仕事がハマって、そこから仕事の仕方が見えてきました。
そして業務の中で逆に面接をする機会も非常に多く持つ事が出来ました。
転職の両面に関わったからこそ感じている、いろいろな事をまとめてみると面白いかなと思い、コレを書いています。

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