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「自分の価値を把握する事」について

働く人としての自分の価値

あくまで働いて作る価値に対する対価という意味の価値の話なのでそれ以外の人としての価値がどうこうは一切含みません。
これまで20年以上働いて来ましたが、自分が市場的にどれくらいの価値があるのか正確に把握している人もいれば、かなり高めに誤解されている方、少し低く見積もっている方、全く考えていない方、さまざまなタイプの方がいらっしゃると感じて来ました。

給料を上げたり、長く働けるようにする為には自分の価値が客観視できているかどうかは主導権を自分で持つ為には有用な手段の一つとなります。
単純に自分の市場価値が年収3,000万円なのに年収300万円で働いていたとするといくらでも上げる方法がある状態ですし。
雇っている会社としても年収を上げてでも残って欲しい人材という状況になります。
今日は自分の価値を把握する為の方法とそれにまつわる事をすこしまとめて書いてみようと思います。

企業は正確に社員の価値が把握できない

世の中には非常に効果的な評価制度を採用し、さらにそれを随時見直す事で社員の成長すべき道と会社の進む方向をキレイにリンクさせる事が出来ている場合もきっとあると思います。
そしてそうなろうと努力している会社もたくさんあると思います、、、が
残念ながらそれが全く機能していない、裏目に出ているケースもたくさんあります。

外部からの中途の方が給料が高いケース

たとえばよく経験した場合だとベンチャー企業で初期からジョインしていて、会社共に成長して来た社員と新規採用したマネージャーで新規採用したマネージャーの方が引くほど年収が高い場合があります。
その際に、新規採用したマネージャーがその価値がある場合はまだマシなんですがよくあるのが既存の社員の方が圧倒的に優秀である場合です。
そして残念な事にこの年収差が、なぜかバレてしまうんです。
そして起こりうる最悪のケースは新規採用のマネージャーは早々に退職、既存でいたスタッフも転職して年収が上がるという状況です。
これは既存のスタッフにとっては自分の市場価値を知るよいきっかけですが、会社にとっては貴重な人材を失うという状況になってしまいます。

KPIの設定に問題があるケース

営業の場合数値的にわかりやすいのでサンプルにすると
①目標の倍、毎月受注する営業
②目標数値通りに毎月受注する営業

この2人を比較した場合、当然①が優秀という評価になると思います。
ただ下記になるとどうでしょう
①目標の倍、毎月受注するが9割が早期の途中解約となる営業
②目標数値通りに毎月受注し途中解約が一切発生しない営業
かなり変わりますよね。
プロセスはさておき①の営業は顧客にとって問題がある可能性が高いです。
ただこの状態でも①が優秀という評価を行う場合がざらにあります。
そしてびっくりすることに①が問題である事を組織のメンバーが全員把握していたりします。
理由はいくつか想定できるんですが、こういった評価をすると良い人材は辞めてしまいますよね。

出来ている事が当たり前になってしまう

既存スタッフの努力、すでにあるものは当たり前に感じてしまうのが通常の人間の判断基準のようで、普通に生きていると空気に価値を感じないようなものですね。
退社した方の業務を引き継ぐ事は誰しも経験があると思うんですが、2,3人辞めた状態で人員補給もない状態で、事業の各数値を改善し利益を増やした事があるんですが、業務としては相当無理をしていました。
その時に上役から言われた事は、「少ない人数でも回るってことだよね」的な内容でした、私のレポート内容がお粗末なのか、相手の理解力が乏しいのかはわかりませんがこれもあるあるなんだろうなと思っています。
個人的には創意工夫を学び、チームメンバーの力に頼る事を学び、自分のできる事の幅を学ぶ良い機会になったと思っています。

相対的な価値の把握

基本的に給与は業界で決まるという内容をよく見ますがその通りだと思います。コンサルで1000万円以上の年収だった人が事業会社で600万円程度の年収になる、またこの逆もあると思います。
なので年収自体は業界水準という変数を持てばいいので各業界の年収水準を調査していく事で調べる事が可能です。
少し注意が必要なのは業界や企業単位の平均年収といった数字がよく出ていますが、平均はいろんな条件が混ざってしまうので可能な限り、自分の年代や職種を加味した情報収集が出来ればより有用だと思います。

社内で比較

社員数が一定以上在籍している会社で働いている場合、これは価値把握する上でとてもやりやすい状況です、同業種の方が多ければ単純に実績の比較を行った上でその差について何が影響しているのかを考える事が可能です。
その際に大事になるのは「会社の評価基準」「上司の評価基準」「一般的な評価基準」のそれぞれの視点を持つ事です。
この3つが一致していると働きやすいんですが、ばらばらになっている場合もあります、その場合自分の目的に合わせて優先順位づけが必要になるんですが、優先順位づけできるくらい把握可能な人は出世も転職も余裕だと思います。
そして大事な事は「一般的な評価基準」です。これが自分の地力となりますのでこの視点で各メンバーと客観的な比較を行っていきましょう。
仕事の能力は、優劣というよりはどこにステータスを振っているかつまり得意や不得意とどれくらいそこを磨いているかの掛け算になると思っているので、不得意をどうカバーして、得意をどう活かすと評価基準が上がるのかって考えるようにしています。
これは同業種だけではく、違う業種でも社内で優秀だと感じる方を対象にどんどん比較してみればいいと思っています。
この比較をまとめていくと社内で自分の評価が妥当なのか、または過小評価されているのか、過大評価されているのかが言えるようになると思います。

社外で比較

社外の人と接点がある仕事も限られているので、きっかけは制限されますが社外の人と働く際にその人が「一般的な評価基準」でどういった得意・不得意があるのかを考えます。そしてその会社の平均年収は簡単に調べられるので役職と実績から年収を予測してみます。
これによって相手の会社と自分の会社で同じ能力があった場合、どちらが給与が高くなるのかが想像できるようになります。
ここまで考えればせっかくなのでなぜその差が出るのかまで考えていくと非常に将来に有益だと思います。
例えばビジネスモデル上、利益率が良いから
会社や業界が伸びていて採用が多いから
会社の方針がそうだから
などいろいろな理由が推測できます。こういった推測について議論できる相手がいると自分の調査能力、推理力、市場理解などがいかほどなのかわかるので面白い体験になります。

採用で比較する

これは自分の業種で出ている採用についてプレイヤー、マネージャーそれぞれどれくらいの給与帯で採用されているか情報をあつめる方法です。
ここでこれまでの比較、推理がかなり効いてくるのですが会社と業種を調べるとスキルとして何が必要か、どういった成果がその事業にとってプラスかが仮説出来るようになります。
その仮説をもとに何が評価されてその給与なのか、またはどんな人材が世の中に求められているのか類推する事が可能になります。

おまけ:外注と比較する

おまけです、今は外部委託が非常に行いやすい時代になってきました、派遣も含めてさまざまん部門で外部委託が可能です。
もちろん外部委託費用はさまざまなコスト分が上乗せになるので単純な比較にはなりませんが外部委託と自社採用で迷う転換点がわかればこれも価値の比較に使える材料になります。

絶対的な価値の把握

基本的には世の中は市場原理、相対評価の方が強いと思っているのですが、相対的な価値は変化しますしあやふやです。個人的には理屈で積み上げた価値の方がわかりやすくて好きです。

利益から算出する

これが一番シンプルですね、自分がいる事で会社にどれほど利益が出るのか、自分以外の関連人件費やオフィス費用などもろもろも考えて計算していく事になるんですが、これは利益がちゃんと出ている状況の会社ならわかりやすくて簡単です。
ただまだ始まったばかりの新規事業やベンチャーの場合はこれが単純にはできないので今の成果がどれくらいの将来価値となるのかロードマップの進捗的にどうなのかといった仮説ロジックが必要になります。

3倍の価値を提供する

昔、撮影が終わった時にプロのカメラマンから聞いた言葉なんですが、設定している価格より3倍払ってもいいと思える写真を撮るように意識しています。
という事でした、これは労働時間ではなくスキルを提供しているからこそ至った意識なんだろうと思いますが、非常に心に残った事を記憶しています。
いろいろ自分の価値を把握するために仮説を積み上げた後で自分自身が大事にしている事は顧客や所属している会社にとって非常にお買い得だったと思われるような「結果」が作る事です。
それが続けられれば、自分の価値がどんどん上げられる可能性があるという事だと思っています。
仮にお買い得を作る事が出来るなら、それを買い叩こうとする人は相手にしなくてもよい、それくらいの価値があるなら追加で払ってもよいそういった方との仕事だけを選べると思っています。
まだまだ出来る事を増やしたいと思う毎日です。

筆者紹介

現在、都内ベンチャー企業で勤務
40代半ばの現段階で勤めた会社は8社目
ありがたい事に転職をする毎に待遇は上がって来ています。
最終学歴は高卒で、大学を中退したタイミングで小規模な広告制作会社の営業としてキャリアをスタートしました。
基本的には営業属性の仕事が多かったですが様々な業種に関わり、初めて転職した30代前半では苦戦の連続でした。
たまたま4社目の会社の仕事がハマって、そこから仕事の仕方が見えてきました。
いろいろな事をまとめてみると面白いかなと思い、コレを書いています。

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