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ゲームの思い出:ポケットモンスター赤緑 その2

 僕は、朝起きるのが得意だった。目覚まし時計と言うものは社会人になってから初めて使ったし、おおよそ寝坊と言うものをしたことが無かった。小学生の頃から学校に行く前に毎朝のランニングを日課としていた程度には早く起きていた。

 朝起きて時計を見る。4時半。まだ寝ている両親や妹が起きないように静かに寝室を出て、顔を洗い、冷蔵庫から水を出して少し飲む。ジャージに着替えるといつもの様にランニングに出かけた。
 一応ランニングに行ってくる、と書き置きをリビングのテーブルの机の上に置き、近所の公園に走りに行く。

 走りながらまだ見ぬポケモンに想いを馳せた。パッケージのドラゴンは、やはりヒトカゲの進化系なのだろうか?コクーンはスピアーと言う蜂の様なポケモンに進化したけど、同じサナギの様なポケモンのトランセルはどんなポケモンに進化するのだろうか?やっぱりちょうちょ?運悪く急所に当たって倒してしまって以来一度も出てきていないピカチュウと言うポケモンにはまた会えるんだろうか?

 色々な事を考えているうちに日課のコースを完走し、家に帰る。

 家に帰ると、母親が起きていて、朝食の準備をしていた。
タオルで身体を拭いて着替えると、朝食を食べた。
母親の作るスクランブルエッグを、焼いてバターをたっぷり塗った食パンに挟み、サンドイッチの様にして食べる。これは僕の好物だ。

 ホットミルクを飲んでひと心地付いて時計を見ると6時を少し回った位だった。

 僕は自分が使った食器を洗うと、ゲームボーイの電源を入れた。幼馴染達が迎えに来るまではまだまだ時間がある。

 昨日の続き、トキワの森の途中から再スタートだ。

 トキワの森は最初のダンジョンということもあってか、あまり迷うような構造はしていない。出てくるポケモンもさほど強力なものは出てこない。どくけしの無い状態でビードルに毒にされたりでもしない限りは最初に貰えるポケモンどれを選んでもらくらくと突破出来る難易度である。

 普通のRPGなら僕はそのままトキワの森を抜けて次のニビシティに向かっていただろう。しかし、ポケットモンスターはポケモン図鑑を埋めるゲーム。僕はピカチュウを捕まえるまでトキワの森で粘る事にした。

 キャタピーがトランセル、そしてバタフリーに進化した辺りで幼馴染が迎えに来た。

ピカチュウはまだ一度も出てきていない。

学校に向かう途中、幼馴染達にポケットモンスターがいかに面白いかを語った。またかと言った目でこちらを見る幼馴染を無視して僕は話を続けた。

 学校が終わるのが待ち遠しかった。

学校が終わると全力で家に帰る。

帰宅してすぐゲームボーイの電源を入れる。

本来なら宿題をやらなくてはゲームはやっては行けないルール。しかし宿題なんて母親が帰ってくる少し前に始めればいい。
 母親が帰ってくる30分前にゲームを止め、宿題を始める。
 宿題をやっていても中身は全く頭に入ってこない。頭の中はポケモンの事ばかりだった。

 母親が帰ってきて夕飯の支度を始める。僕はそれを横目に作業的に宿題を終わらせた。

 母親が帰ってくるまでにヒトカゲはリザードに進化し、バタフリーは主力の一角を担うポケモンへと育っていた。

 夕飯を済ませると、僕は再びポケモンをプレイする。そして、程なくして遂にピカチュウをゲットした。僕は初代のピカチュウのデザインが一番好きだ。ころころと太っていてかわいいと思う。

 ピカチュウをゲットした。これで次の町へ進める。次の町、ニビシティでは初のボス戦が待っていた。
……が、バタフリーが全てを解決してくれた。先鋒で出したバタフリーはニビジムのジムリーダー、タケシのポケモンの攻撃を一度も受けることなく、ニビジムを攻略した。
ニビシティにはジムの他にも博物館があって、プテラノドンの様なポケモンの化石が展示されていた。正直金取るなよって内容に憤慨した覚えがある。

次の目的地、おつきみ山に向かおうとニビシティを出た辺りでお風呂が沸いたから入りなさいと母親から呼ばれた。

今日はここまでだ、と残念に思いつつも僕はレポートを書きとめ、ゲームボーイの電源を落とした。


続く


ポケットモンスター赤 ゲームボーイ

1996年2月27日発売。

発売:任天堂

※見出し画像は公式の物をお借りしています。問題があれば連絡をくださればすぐに消去します。


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