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[ゲーム分析#4] ”絶妙なバランス”でレベルアップの楽しさを実現したゲーム「Vampire Survivors」

今回のゲーム

現代社会サバイバーのみなさんこんにちは。ハルです。

今回分析するゲームは、2021年に公開され、poncleさんによって開発および発売されたローグライクゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム「Vampire Survivors」です。個人開発のゲームですね。

開発者poncleさんtwitter↓

このゲームは多くのストリーミング(配信者)でプレイされ拡散されました。私も配信者の方から知り、プレイしました。


ゲームルール

「Vampire Survivors」は、プレイヤーがキャラクターを操作し、モンスターを倒しながら30分間生き残ることを目指すゲーム。

プレイヤーはレベルアップによって新しい武器やアイテムを入手でき、モンスターを倒すとチェストを入手して武器やアイテムをレベルアップできます。

時間が経過するごとに敵が増え、最後には最強の敵「Death」が出現します。

右端にいるのが死神

アチーブメントを達成することで新しい武器やアイテム、キャラクター、ステージがアンロックされます。
また、プレイヤーはコインを支払ってキャラクターを購入し、タイトル画面の「パワーアップ」の項目で武器や装備を強化することができます。

感想

このゲーム正直最初、配信者の方がプレイしているのを見た時、何がそんな面白いんだ?なんて舐めてました。

少し配信を見ていくうちに、自分も触ってみたい!って思い、低価格なゲームだったこともあり、プレイしてみることに。

そう!これがいけなかった。安易に手を出してしまったのが。
このゲーム中毒性がやばい!!そこから朝までずっとやってしまいました。
その次の日も・・・また次の日も・・・(恐ろしい)

ルールが単純でレベルアップしていく感覚が分かりやすいので、単純に楽しいんですよね。

あと、何あの宝箱の演出!!パチンコみてぇな演出のせいで脳みそがピリッってなりましたね。

この音楽癖になる

低価格で手軽なので是非一度触ってみてください。(プレイされる場合はご覚悟を…)

Vampire Survivorsを分析

それでは今回も分解図にのっとり分析をしていきます。
分析方法は以下を参照。

▼分解図

▼グラフ

グラフ1
グラフ2

ゲームのプレイできる部分(幹)が72.9%、プレイできない部分(葉)が45.5%になりました。

この分析結果から、Vampire Survivorsはプレイできる部分が優れていると言えそうです。ゲームバランス、報酬要素、やりこみ、遊びやすさなどが特徴的です。

このような特徴を踏まえても、実際にプレイすることで楽しさを感じることができ、それがしっかりゲームとしての良さを出していますね。

この後、ピックアップして説明しますが、このゲームのルールは、30分間生き残ることです。ここまではありきたりなデザインですが、プレイヤーが成長を感じられやすいレベルデザイン、派手なエフェクト、気持ちよさがある為、プレイヤーは遊びの過程を楽しむことができるんですよね。

プレイヤーが成長を感じられる仕組みとして、一般的には「レベルアップ」と「プレイスキルの向上」が挙げられると思います。

Vampire Survivorsでは、武器や装備のレベルアップを導入しており、プレイヤーは強くなった状態で次のプレイを始めることができます。
つまりは、強くてニューゲームってことです。
さらに武器は1ゲーム内(30分の間)で経験値を集めることでレベルアップするように作られています。この武器進化がまた面白い要素ですね。

武器が進化する


この仕組みは、バランスが絶妙に取られており、徐々にクリアに向かうようにゲームを非常に面白くさせています。

これは製作者がうまく設定したとしか言えないですね。これが簡単すぎたり、難しすぎて成長・進歩を感じられにくいとプレイヤーは面白くないです。これが絶妙なバランスで実現されています。

つまり、「”絶妙なバランス”でレベルアップの楽しさを実現したゲーム」だといえるでしょう。

それではそれがどんなものなのか、他の良さは何なのか、細かくピックアップして見ていきましょう。

ここが凄い!①:成長が感じられやすいシステム

このゲームの目的は「30分生き残れ」です。
ルールは迫ってくる敵に体力を削られる前に倒しながら逃げることです。
この分かりやすい目的とルールが楽しく、そしてプレイヤーが成長を感じられる楽しさに繋がっています。

このゲーム初見では絶対にクリアできないような敵の強さになっています。
最初は10分や15分で途中で死ぬこともあるでしょう。
しかし、死んだあとに武器や装備のレベル上げることで徐々に18分、20分と生き残れるようになっていきます。

敵が処理しきれなくて死ぬ

「30分生き残れ」という明白な目的があるからこそ、プレイヤーは徐々に生存時間が伸びることで、成長を感じられます。

次は何分までいけるかという目標を立てやすい点も良い所ですね。

ここが凄い!②:絶妙なバランス

上でも少し触れたようにこのゲームは、レベルアップによる成長が楽しみの一つです。逆にそれ以外のプレイ技術の向上は対してクリアに影響はしません。(多少は避けるの上手くなるかも?)

そのため、プレイヤーが徐々にクリアに向かうようにデザインする必要があります。
しかし、このゲームは絶妙なバランスを実現しており、簡単すぎず、難しすぎない絶妙な難易度を実現しています。

ゲーム全体でも敵に倒される→レベルアップで楽になる。1ゲームの中(30分の中)でも敵に追いつめられる→武器のレベルアップで楽になる。
このギリギリを繰り返すのが楽しい。サバイバルゲーム的な楽しさですね。

意外と最後はギリギリ

この調整が失敗すると、歯ごたえのないゲームになったり、達成感や楽しさが得られないゲームになる恐れがあります。

ここが凄い!③:中毒性

プレイする部分が優れているゲームは中毒性を生みやすい傾向があります。このゲームもそうです。

30分というプレイ時間は、かなり手軽にできそうに感じます(実際は割と長い)
そしてレベルアップによって強化することができるため、次にプレイするときはもっと上手くいけると感じやすくなっています。

そしてゴールが見えてるとあと少しで30分いけそうだな・・・って思いやすくなります。

また、ゲームの終盤になると武器が強化され、敵をどんどん倒せるようになるため、非常に爽快です。無双系の楽しさがあります。

ここまでくると楽しい

時々現れる固い敵を倒すとでてくる宝箱。このルーレットの時の音楽も癖になるし、淡々とすすむゲームのスパイスになっています。このような飽きさせない工夫もあり、ゲームの中毒性を高める一因となっています。

特に、あともう少しでクリアできそうという感覚を味わうことができるゲームなため、「もう少しでクリアできるかも」という気持ちが高まります。このような仕組みは、プレイヤーに「もう一度プレイしたい」という中毒性を引き起こします。

他のゲームでは、ボス戦等でそのような気持ちになるプレーヤーが多いのではないでしょうか。(あれは自然的に思ってしまうモノ)
しかしこのゲームは絶妙な難易度設定で中毒性を意図的に起こしているように思われます。

ここが凄い!④:分かりやすさ追求した”UI”と見て分かる”硬さ”

まずはUIの話から。

ゲームにおけるUIっていうのは意外と重要です。
UIで大切なのは、何を見せるか、どこに見せるか、どう見せるかの3つです。細かい配慮が、ゲームプレイの快適性に大きく貢献します。

特に注意すべき点は、プレイヤーの目線です。プレイヤーがどこを見るか、どこに何を配置すれば見やすいかを考慮する必要があります。

Vampire Survivorsでは、プレイヤーが一番気にするのは「時間」と「近づいてくる敵」です。クリアまで(30分まで)あとどれくらいか?と体力を削らないように近づいてくる敵はいるかを一番プレイヤーは見ます。

あと必要なのは開けた視界と次の武器強化に必要な経験値の量ですね。
それでは実際のプレイ画面を見てみましょう

プレイ画面

この黒□がプレイヤーが近づいてくる敵を見る主な範囲だと思います。遠くにいる敵はあまり脅威ではないので、プレイヤーはまず近くを見ます。
赤〇が時間。黄色〇が経験値バーです。他の要素も全て上方向に配置されています。
優先順位としては、近づいてくる敵→時間→経験値です。

細かいですが、このUIはかなりプレイヤー目線に配慮されていると感じました。全て上方向に配置されていることでプレイヤーは上方向だけを見ることで必要な情報を取得できます。

もし要素が右や下に配置されている場合、プレイヤーは色々な方向を見る必要があり、プレイしにくくなりますよね?

時間が真上の中心に配置されているのも良い点です。左上とかではなく、中心に配置することで分かりやすく、上方向にチラッと視線を向けるだけで確認できます。

そして経験値バーも大きく上の表示されています。ここれは大きく配置することに意味があります。大きく配置することで、周辺視野でもどのくらいかが確認できるため、わざわざしっかり見る必要はないのです。

UIの設計においては、デザイナーがプレイヤーの視点を想定し、どのように情報を伝えるかを慎重に考える必要があります。Vampire Survivorsは分かりやすさを追求した良いUIと言っていいでしょう。

次は、見て分かる固さです。

Vampire Survivorsでは時折固い敵が出現し、そいつらが宝箱を落とします。
その固い敵だなと感じさせるのは意外と簡単なことではありません。

赤〇が固い敵

攻撃を与えても中々倒されないことからも分かりますが、今回着目したいのは、エフェクトや敵の動きです。

固い敵は、通常よりも動きが遅く、攻撃を受けた際には少し後退することがあります。特に、ノックアップの効果がより大きく感じられるため、敵が重く、固い印象を与えます。

このような細かい動きやエフェクトから、オブジェクトに「重さ」と「硬さ」を表現することができます。

当たり前のことかもしれませんが、それをしっかり見て分かるだけで表現するというのは、ゲームにより深みを与えることができます。

最後に

ここまでVampire Survivorsを分析してきました。

分析してみると、様々な小さい配慮から遊びやすさを実現し、レベルアップの仕組みから中毒性・楽しさを実現し、それを損なわないような絶妙なバランスをデザインしていることが分かりました。
つまり、Vampire Survivorsは”絶妙なバランス”でレベルアップの楽しさを実現したゲームだと言えるでしょう。

モルタッチオが一番好き

手軽にできるゲームなので是非一度プレイしてみてください。↓

個人的に今回の記事はよくできたと思いました。私の言いたいことが上手く言葉にできた気がします。しかしこのゲームは分析すればするほど良いゲームだなと感じましたね。

次に分析するゲームはまだ未定ですが、今プレイしてるSableになるかなと思います。結構分析って時間かかるし、カロリー高いんですよねぇ。ChatGPTくんのおかげで添削の時間が減ったのでまだ楽になりましたが。

では次のゲーム分析でお会いしましょう。コメントでご意見お待ちしております。では、また。

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