2018年10月10日~19日
10月10日
退院が近くなってきて、だいぶ身体が楽になってきたので、友人が貸してくれた映画DVDを見ることにした。
「蜩ノ記」
役所広司さんの人生指南的セリフと、岡田准一さんの殺陣。
映画や演技を語れるほど詳しくないけれど、闘病中に見るということに縁を感じてしまった。
生きる意味を考えさせられる、静かできれいな情景描写で、しっかり治療に立ち向かおうというエネルギーをもらえた気がする。
夜は「プリンセストヨトミ」も見た。
こんなこともありうるかもなぁと思える設定で面白かったけど、さすが舞台が大阪だけに、たくさんの食の描写があって、元気になったら大阪遊びに行っていろんなおいしいものを食べたいと思った。
病院食はさすがに飽きた。
血液検査結果
赤血球 281 /μl (標準値:380~480/μl)
ヘモグロビン 8.6 g/dl (標準値:12~16g/dl)
血小板 12.6 万/μl (標準値:10~49万/μl)
白血球 1620 /μl (標準値:4000~8500/μl)
しっかり回復期に入ったみたい。
10月11日
今日も映画DVDの日。
「柘榴坂の仇討」
あんまり時代劇は見てこなかったので、すべてがそうなのかわからないけれど、自分が観たものは総じて静かで美しい情景描写と、心の機微を感じることができて、寂しい雰囲気の作品でも、観た後に不思議と心温まる気がする。
本と一緒で、受け手側のとらえ方次第で感じることは変わってくるだろうから、私の場合は闘病に必要なものを、読んだもの観たものから得ようと思っているのかもしれない。
本や映画、音楽、ラジオ。
いろんな逃げ場を作っておこう。
10月12日
睡眠不足の朝。
昨夜の担当看護師さんから、移植時のことで不安になることをいろいろ言われてしまったので、眠りが浅くなり大変な目にあった。
今日の午後から一時退院。
多分本人は悪気はなくて、私が気を抜かないために釘を刺す意味で言ってくれたんだと思うけれど、せっかくの一時退院なのだから、気楽に送り出してもらいたかった。
10月13日
4クール目まで体力回復とリフレッシュを兼ねた一時退院。
病院外での生活初日は、たいして動けないけれど、気を張ってしまうのでクタクタに疲れ、眠りまくった。
10月14日
一時退院の定例になってきたけど、今日は神社に参拝へ行き、治療の経過報告と病気平癒の祈願と移植についての報告をした。
日曜日ということもあり、今回は子供たちも一緒。
子供たちと少し遊ぶために、神社近くの公園に足を延ばし、妻と遊んでいる姿を見守って過ごした。
その後友人のお店の周年イベントへ顔を出して、少しおしゃべりをさせてもらった。
10月15日
妻と近所のカフェにランチに行った。
健康な時の日常を、普通の時間を取り戻すように、楽しい時間を過ごしたくて。
食後のコーヒーを飲みながら、一時病気のことを考えないように、二人の時間を楽しんだ。
夜は両親が近所のレストランに頼んでくれた、私の好物の一つビーフシチューのテイクアウトをして、子供たちと一緒に楽しく食事をした。
10月16日
祖父母の墓参りに行き、闘病の報告。
その後、ちょっと贅沢なランチをしに、イタリアンのお店に行ってみた。
何枚か写真を撮ったけど、綺麗に取れたのはこれだけ。
治療費がかさんで大変なはずだけど、妻からは、そこは気にせず次の治療に向けておいしく食べてリフレッシュしてと言われた。
本当にありがたい。
ランチを終えてから、前回の一時退院でチャレンジしたテニスに今回もチャレンジすることに。
お世話になっているコーチにお願いして、レッスンのない時間を抑えてもらった。
リハビリを頑張っていたからか、前回よりも動けたので結構スッキリできた。
とはいえ、息切れは凄い。無理は出来ない。
10月17日
首に違和感がある。
鈍い痛みが出てきた。
なんだろう?
気になるけど、今日は妻の実家に顔を出すだけにして、それ以外はのんびり過ごすことにした。
10月18日
一時退院中のチャレンジテニス2回目。
首の違和感がさらにひどくなって、気付いた時には蕁麻疹のようなものが出てきた。
ちょっと無理しすぎたかな?
自宅に帰ったら、関東にいる高校・大学の同級生から凄いプレゼントが届いた。
テニスのイベントで来日していた、ワウリンカ選手に会うことができたらしく、私の病気のことを伝えてTシャツにサインを入れてもらったと手紙を添えて送ってきてくれた。
手紙には、これを着てテニスをする日を目標にしろと書いてあった。
もったいなくて、これを着て汗をかくとかはできないけれど、回復してテニスする姿を写真にして、ワウリンカ選手に手紙を送ることを目標の一つに加えようと思う。
10月19日
ミュージシャンの友人が仕事の合間をぬって、再入院する前においしいものを食べて、楽しくおしゃべりしようとランチに誘ってくれた。
病気になる前からちょくちょく一緒にランチをしていた、行きつけのお蕎麦屋さん。
店主さんに病気の報告をして、またしばらく顔を出せない旨と元気になってまた来ますと伝えた。
行きつけのお店に、当たり前のように行けるようになることも目標の一つだ。
続く
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