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猫、剥げかけ。小説の為に写真を撮りたくなった日。
ストーリーセラーを読んで。少しでも興味深い人には大抵おすすめの本を聞く中で、普段は専門書や哲学書、古典を勧めていただくことが多い中で久々に小説を読みました。
写真は記憶に栞を挟む行為であり、今の自分の感性の確認であり、環世界を質量に残しておきたい、唯それだけですが、素敵な文章に出会うとそれに合う写真を撮りたいと、そう思えたので記録しておきます。(今日の感覚を、将来の自分に覚えていて欲しい)
「仕事を辞めるか、このまま死に至るか。二つに一つです。」
二元論などこの世にないと思う自分が否応なしに引き込まれる、セネカやキェルケゴールを思い出させる言葉で物語は始まり、決して情景を描写するわけでなくても、あぁ、この頭にある景色を写真に残したいと思える小説。ストーリーセラー、素敵な出会いでした。
どこまでいってもアンコンシャスバイアスには気付けず、キャリアを語る人間は無意識に職業貴賤をし、成功や充足を他人の軸に求めていく。常識や非常識は時代により変わるのでなく、あくまで主観的な感世界の中で規定したい。そう思って写真を撮り続ける中で、物語の為に写真を撮れたらどれだけ素敵だろうかと思います。
出会えて良かったと思える機会を、余白を感じるすべての瞬間に敬意を払いながら、「このまま死に至る」のがあと数時間後だったとしても、後悔がない人生は活字と向き合う時、真剣に人と対話する時、そして写真を撮る時です。これもまた明日と明後日で変わり続けていく楽しみを見つけながら。
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先日も尊敬する方が若くしてこの世を去ってしまいました。心からご冥福をお祈りします。どうか安らかに。
安らかに死ねるような日々を生きようと、強く思いながら、会いたい人には会える時に、スティグマのない社会を見るまでは泥臭く生にしがみつく執念を、日々昇華させていく。
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