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架空日報 _ 折り鶴工房

折り鶴工房で働くようになってから3年。
モノづくりが身近にある環境というのは自分の肌に合っていたようで、これまでに勤めてきたどのような立派な企業よりも、この小さな工房での仕事に満足している。

折り鶴工房で働いている。

……と、いうと、大抵の人は目を丸くする。
折り鶴に工房があるとは思いも寄らなかった、という驚きと、折り鶴で商売が成り立つのか?……と、いう懐疑が半々のようだった。

毎日折り鶴をせっせと折る職人たちを横目で見ては、世の中には不思議な需要と供給があるものだ、と思う。

自分はといえば指先美しく凛とした折り鶴を折る職人……ではなく、折られた鶴たちを箱に入れて出荷する担当だ。
箱詰めと出荷、といえばなんだか簡単な仕事のように思えるかもしれないが、これが案外、気を遣う。

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