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コキの神はかく語りき

人間たちは愚かなのでこの世の樹をほとんどすべて切ってしまったという。それで仕方がないのでわたしのところへせっせとやってきては供物やら祝詞やら舞やらをおさめて帰っていくのだ。呆れてモノも言えないが、元よりモノが言える自分ではないので黙っている。

どんなに瑣末なことでも、期待され強要され押しつけられると次第に鬱陶しくなってくるのだから不思議だ。日頃から「やらなければいけないこと」は少ないハズなのに、人間たちの必死なせいで億劫になりつつある呼吸は、年々ゆるやかになっていく。

-小さき者たちよ、どうか諦めてくれ。

大きく吐いた絶望が遠くの海から押し寄せて、それ以降、星はぱたりと静かになった。


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