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バナナに恩返し ~Doleのバナナがすこぶる美味しい~


ここ2ヶ月ほど、2日に1本ほどのペースでバナナを食べている。


けれども本来の私は決して、"バナナフリーク"というワケではない。


今までバナナに対する評価は、“テンションによる”というものだった。
バナナシェイクやバナナタルトなどは好きだ。クレープにも苺よりバナナが入っていて欲しい。と、なるとどちらかというと好きな方になるのだろうが、こと生のバナナとなると食べられるか否かが途端に“テンションによる”のであった。
独特の食感やもったりした甘味を持つバナナは、真夏日などに食べるには少々重たいし、また、その腹持ちの良さから平常時では食べるタイミングもなかなか難しい。
まれに“バナナな気分”になった時にはそれらを覚悟した上で購入するが、控えめに3本買っても3本目を持て余したりする。



それが、これまでの私とバナナの付き合い方だった。



時を遡ること今からちょうど2ヶ月ほど前……7月の暑い日のことだった。
例年決まって夏バテを起こし、無自覚な食欲減退が習慣になっている私は、なんとなくバナナが食べたくなった。
平日は毎日仕事へ出る母は、いつも仕事が終わると“なにか欲しいものある?”とラインしてくれる。我が母親ながら成人済みの無職に寛大すぎると思うのだが、そんな母親の子どもである私は遠慮なくその待遇を享受している。
その日も母からのラインが入ったタイミングで、丁重にバナナを申し出た。
普段あまりにも食に興味がないためか、母は私が食べ物に興味を示すとかなり分かりやすく喜ぶ。母の中での私のイメージは筋トレ好きの生活能力皆無ゲーム中毒者である。
帰宅した母は、嬉しそうに「バナナ買ってきたよ!」と言ってくれた。
そうして、現在のバナナがいかに進化しているか、価格帯やブランドがいかに豊富であるかを熱心にプレゼンし、その中でも”ちょっとイイ“バナナを買ったことなどを意気揚々と報告してくれた。


守りたい、その笑顔。


そんな母が買ってきてくれたのが、”Dole スウィーティオ“である。
金枠の施されたパッケージシールのサブタイトルには“じっくり育成、高地栽培。甘さぎっしり”とまで書かれている。今記事を書くためにまじまじと見て初めて知ったのだが、どうやらGABAも入っているらしい。よくわからないが最近のバナナすご。


このバナナが、とんでもなく美味しかった。


まず、どの1本、どの房を食べてもすべてが完璧に熟しており、バナナ特有の青っぽさや生臭さ、嫌な後味が一切ない。また、果肉は均一に柔らかく、口ざわりが良く、丹念にこされた餡のごとくなめらかだ。そして、甘さ。どこまでも優しく、しかし深みとコクのある甘さはよく熟成されている。けれども重すぎず後味はあくまでもさっぱりしていて、たしかに“甘さぎっしり”なのであった。
さらにこのバナナのすごいところはもうひとつある。
通常バナナは日が経つと皮にシュガースポットと呼ばれる黒い斑点が見られるようになり、中の果肉にも若干黒ずみが発生してくる。しかし、このDoleのバナナは1週間経ってチーターばりにシュガースポットが発生しても、中の果肉は美しい生成色を保ったままなのである。痛みは一切ない。だからといって買った当日に食べても完熟と言える甘さなのでこのもちの良さが不思議なのだが、素人の私にはとにかくすごいとしか言いようがない。


そんな風にしてこのバナナにすっかり感心してしまった私は、母に上記のような感想を熱弁し、感謝し、大層気に入ったことを伝えた。それ以降、気を良くした母は買い物が比較的軽い日や、バナナがなくなりそうになると定期的に補充してくれるようになった。
かくして私は2ヶ月間同じバナナを食べ続けているのだった。


これまでバナナのブランド買いなどしたことがなかったが、本当に好みのものに出会ってしまうとなかなか他のものに手が出なくなるものである。加えて、食に対するお気に入り志向が強いため、あれこれ試してみた結果それが一番だと決めると一定期間それしか買わなくなる。


また、常備するようになって気がついたがバナナはかなりの万能食だ。
今まで"テンションによる"としていたのはバナナ特有(だと思っていた)生臭さといったネガティブな部分を乗り越えるのに気合いが必要なだけであり、バナナ自体は実はいつでも食べられるのであった。いうなれば牡蠣のようなものである。
毎朝朝食はあまり食べない私だが、バナナがあれば健康的に朝を過ごせている感じがするし、そうでなくても昼下がりのちょっとしたおやつにも最適だ。おやつにバナナというのもこれまた健康的な感じがして良い。



そして一番良いのはゲーム中に簡単に食べられるという点だ。



最近の私はゲームをやるために無職をやっている節があるため、快適なゲーム環境を整えることに余念がない。その中で最も力を入れているのが栄養バランスだ。
ゲームに、いや、ゲームだけではないがとにかく何かに熱中したことのある人は誰でも覚えがあると思うが、目の前のものに没頭すると人は寝食を忘れてしまうものだ。
元来食への興味が薄い私は、特にその傾向が強い。
5、6時間平気でゲームをして、ソフトを終了した途端に体調不良を自覚したことは1度や2度ではない。ゲームに熱中しすぎて摂取カロリーが不足し、貧血や低血糖症を起こしてしまうのだ。その辛さを身をもって経験し、学んだ最近の私は、1日に必要な栄養素とカロリーを効率良く摂取することに並々ならぬ執着を持っている。なぜなら体調不良といった余計なことに気を取られず好きなだけゲームをしたいからだ。
そんな私にとって1本食べるだけで100kcalも摂取で
き、しかも美味しくてGABAまで入っているDoleのバナナはまさに完全食と言って差し支えのない存在となったのである。



また、そのおいしさと手軽さから毎日気軽に食べることが出来たため、今年の夏はそこまで夏バテしている感じもなく乗り越えることができた。(それでも7月から8月にかけて2kgは痩せたようだ)




昨晩、祖母に連絡するため数週間ぶりにショートメールを開いたところ、見たくはないメッセージを受信していることに気がついた。
そのメッセージを見た瞬間、精神がドッと消耗し、それ以降何も手につかなくなってしまった。(ちなみに祖母にはなんとか連絡を入れた)
生きることに対する面倒くささが最大値になり、(面倒なあまり消えたいという意味での)死にたい気持ちになり、そんな風に思わされることが苦痛で悲しさが込み上げてきてさめざめと泣いた。
ネットでマンガなどを読んでスロウにやり過ごそうとするも虚しく、そのような精神状態では寝つくことが出来ず、意識を手放したのは4時を過ぎてからだった。
それでも家人を見送るために8時には目が覚めた。十分な睡眠とは言いづらかったがこんなことで1日を費やすのもバカバカしい。そう思い、なんとか起き上がってしばらくぼーっとしてから丁寧に顔を洗うなどし、心身を少しずつ立て直していった。


だが、10時を過ぎても寝不足の身体と落ち込み気味の精神には食欲がわいてこなかった。
それでも何か食べなければそもそもの活力がわいてこないことは経験済みだ。
家の中を見渡したとき、目に入ったのがバナナだった。
先週買ったもので、黒い斑点というよりも黄色い斑点といったほうが正しいくらいには追熟してしまっているDoleのバナナだ。


さすがのコイツでもちょっとヤバいかな……


そう思いながらおそるおそる皮をむいたバナナは、これまでのものと同様、やっぱりピカピカできれいで、そしてすこぶる美味しかった。なんだかそれがとても頼もしく、嬉しかった。手のひらサイズの黄色い彼が落ち込んだ私を励まし、生命力を分けてくれたような気さえした。


おかげで元気が出たのだ。


そこで、心身ともに元気を与えてくれたDoleのバナナのために、今日はこの記事を書くことに決めた。



最近旅の記事と日々の記事を並行して書いたり、2000字くらい書いた記事をボツにするようなことが続いていたので、頭を使わずになにかものすごくどうでも良いことを思い切り書きたい、という気持ちもあった。バナナの記事とはピンポイントにも程があるが、想像以上に楽しく、日常生活の1つのことに注力して書くのも良いものだと思えた。



結果としてDoleのバナナは私に3つのものを与えてくれた。



ひとつめは、午前中活動するためのエネルギー。
ふたつめは、悲しみを乗り越えて今日いちにちを過ごすための元気。
そしてみっつめは、本日の記事のテーマである。



これで6本298円なのだから驚きだ。
ありがとう、バナナ。
ありがとう、Doleのスウィーティオ。



この記事を読んでくれた人が"バナナな気分"になったとき、手に取るのがDoleのスウィーティオでありますように。



そんな願いを込めて……。








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