見出し画像

Case19.【依存症と脳】すぐにもらえる小さい報酬と将来にもらえる大きい報酬

すぐに食べられるファストフードのハンバーガーと、

予約2年待ちのミシュラン三つ星レストラン、どっちを選ぶ?

(空腹で死にそうならファストフードを選ぶかもしれないけど)

人間は「すぐに」もらえる報酬ほど、その価値を大きく感じ、もらえる時間が遅くなると徐々に価値が減少していくという性質を持っており、
これを「時間割引」や「時間選好」と呼びます。

これは経済学などではマーケティングとかでも使われているんだけど
依存症の分野でも結構使う知識です。

割引率(価値が減少する割合)がとても大きいと、「すぐもらえないと、ほとんどうれしくない」という状態になり、目の前の報酬を選びがち。

一方、割引率がとても小さいと、価値は緩やかに減っていくので、将来のことも考慮した行動ができます。

このような割引率の違いから「目先のことしか判断できないせっかちな人」と「がまんでき、自己統制できる人」の違いが生じるんだとか。


遅延報酬割引
薬物依存(Vuchinich&Simpson,1998)やギャンブル障害(Dixon et al,2003)では遅延報酬割引が高いと言われており、即時の報酬や快楽の価値を高く見積もり、長期的な利益の価値を低く見積もる。その結果、目先の利益を得るために嘘をついたり、ルールを破ったりすることを正当化することがある。遅延報酬割引が高いことで、将来の悪影響や罰を軽視し、即時の欲求を満たす行動を優先する思考パターンが、不誠実な行動や犯罪へと繋がることがある。

遅延報酬割引

大谷選手の通訳、水原さんの金銭横領も
めちゃくちゃ話題になった今日このごろ。

大谷選手がギャンブル障害に興味をもってくれるといいな


つまり、短期的なご褒美のほうが、長期的なご褒美や不利益よりもずっとずっと価値が高いって見積もっちゃう性質のこと。

「目先のご褒美にとびついちゃうんですよね」ってよく説明してる。


まて!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?