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スター・トレック ピカード シーズン3とシリーズ全般を振り返る。

2020年から始まったドラマシリーズ スタートレック:ピカードがシーズン3で完結しました。
新スタートレック(TNG)は、私が名古屋に住んでいる頃、深夜に毎週放送されていました。カーク船長が主人公のスタートレック(TOS)は、劇場版を何作か視聴する程度でしたが、TNGはかなりハマって毎週鑑賞、続くディープ・スペース・ナイン(DS9)やボイジャー(VOY)も見ていました。
本作はTNGの主人公であるピカードのその後を描く物語で、彼が様々な試練を乗り越え、最後の旅を続けるものとなっていました。

シーズン1ではデータをはじめとするアンドロイドが禁止され、ピカード自身も宇宙艦隊から離れた身で、最後の冒険に命をかける物語。宿敵ロミュランと人工生命たちの企みを新たな仲間たちと阻止した結果、人工生命のボディであるシンスに意識を移し、生きながらえることになりました。

シーズン2ではこれもスタートレック定番の過去改変もので。Qやガイナンといった懐かしい面々と再開しつつ、ボーグの野望を阻止しつつ、歴史を修正します。

そして今の所ファイナルシーズンとなっているシーズン3では、ビバリー・クラッシャーとの間に密かに生まれていた息子と共に、可変種やその黒幕の野望に、かつての仲間と懐かしの船と共に立ち向かう物語となっていました。

スタートレック:ピカードは各シーズンで結構トーンが変わっており、特にシーズン1では、ピカードが不本意な退任をしたところから始まり、また世界にも不穏な空気が漂っており、人類の輝かしい未来を感じさせたTNGのオープニングからは考えられないほどの変わりようでした。
ピカードも自らかつての仲間を頼ることはよしとせず、代わりにラフィやリオス、アグネスといったはみ出し者たちと事件を解決していく様子が、ちょっと寂しくもありましたが、新鮮でした。

これがシーズン2になるとピカードも艦隊に復帰し、シーズン1の仲間たちもそれぞれ自分の居場所を見つける展開になり、リオスは過去に残り、アグネスはなんとボーグ・クイーンとなり、レギュラーから離脱していきました。

そしてシーズン3では、満を持しての同窓会編になるわけです。
個人的には、最初からこれが見たかった、という思いと、新たなる仲間たちの交流も経たからこその感慨があったんだなあ、という思いが両方あり、なんだかんだでシーズン全部楽しめたので、後者の思いの方が強いかな、という気分です。
前2シーズンでは小型艇で移動することが多かったピカードも、シーズン3ではライカーもかつて艦長を務めたU.S.Sタイタンに乗り、強敵たちと渡り合い、ついに最終回直前では懐かしのエンタープライズDにかつてのクルーたちと乗船することに。ここまで引っ張ったからこその感慨が、確かにそこにはありました。もう泣くしかない、この熱い展開!ってやつですよ。

シーズン3では前シリーズからのレギュラーがラフィ以外ほとんど活躍しなかったり、特にシーズン2でいい感じになったラリスの扱いとか雑すぎない?といった不満はありますが、最後を旧メンバーでポーカーしているシーンで締められると、なんかもう全部許すしかない、という気分になりました。

また、レギュラーとしてVOYのセブンオブナインが存在感を発揮したり、DS9のドミニオン戦争に深く関わる可変種が敵として登場したりと、ピカードシリーズが、TNG以降の3作を総括するような内容になっていたのも、当時深夜放送を見続けた者たちへのご褒美のように感じました。

何より、終了から30年近く経ってもメインキャストが健在で、しかも日本語吹替版の声優さんもほとんどオリジナルキャストで演じていただいたことが、ノスタルジーと新しい物語を十二分に堪能できた最大の要素だったと思います。

また、冒頭にも掲載したサントラも素晴らしく。前2シーズンと打って変わってTNGのサントラからの流用が増えましたが、それが最高のタイミングで流れることで、否応なしに盛り上がる、音楽の力を感じました。

正直、本シリーズをいきなり視聴することはお勧めできませんが、かつてちらっとでもTNGを見ていた、最近配信で見た人であれば、楽しめるシリーズであることは間違いないと思います。
Amazon プライム・ビデオで全話視聴できますので、未見の方はぜひ。
※ピカード1~3はアマプラですが、新スター・トレックはNetflixで見れます。

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