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新作だけど懐かしさも感じる「トランスフォーマー ビースト覚醒」

トランスフォーマーの映画シリーズは、マイケル・ベイのシリーズも大体映画館で見ていましたが、シリーズ後半になるとちょっと食傷気味な部分もありました。
本作は「バンブルビー」から続くリブート2作目と位置付けされており、主人公のノアがオートボットの一体であるミラージュのバディとなって、地球を襲う危機に立ち向かう展開となっており、マイケル・ベイの一作目を彷彿とさせる部分も結構あるリブート作になっていたと思います。

本作の目玉といえばやはり、日本だとビーストウォーズとして有名なマクシマルたちゴリラやチーターのトランスフォーマーたちとの共闘でしょう。
ゴリラ型のオプティマスプライマルの存在感は抜群。可能ならもう少し早く活躍してほしかったなあ、と。

彼らとはペルーで合流するのですが、南米といえばナスカの地上絵等、古代遺跡で有名な地。一昔前のフィクションだと、こういう遺跡は宇宙から来た存在が作った、という流れになりそうで、実際ノアも「あれってもしかしてあなたたちが作ったのでは?」と尋ねるのですが、プライマルから「いや、あれは高度な文明を持った当時の人間が作った」と否定してくれたのが、今の映画としての良心を感じました。現地の人を差別する時代じゃないんですよね……。

ストーリーは上述のように、地球の危機にオートボットたちと少数の人間たちが手を組んで立ち向かう、といういい意味で「いつものTF」なのですが、ノアとミラージュのバディ感は従来のシリーズより強化されていました。特にクライマックスで傷ついたミラージュが、ノアにパーツを強化服のように移し、一体となって戦う様子は新鮮でした。ストーリーの流れの無理のなさと合わせて、とても良い友情合体でした。一方で本作に限るとノアの、「元兵士で電子工学の天才」という設定がほとんど活かされていなかったのが残念でした。
設定がストーリーに活かされていたのはもう一人の人間、エレーナの方でしたね。考古学のインターンで、正職員から知識だけ頼りにされているような待遇を送っていましたが、本作でその知識と応用力を遺憾なく発揮しており、最初から最後まで便利キャラになっていましたね。

マクガフィンであるトランスワープの鍵を巡って敵であるユニクロンと戦いを繰り返すわけですが、結構最初の方から「そんな危険なもの、壊しちゃえばいいじゃん」という解決法が提示されているんですよね。ノアも実際それを実行しようとするのですが、オートボットたちの思いを汲んで思いとどまるわけですが、最後には結局オプティマスプライムが破壊しちゃうわけで。それなら最初から壊しておけよ、というツッコミも多少あるのですが、そこは「その時ベストと思われることを実行している」わけで、思ったよりシナリオへのグダグダ感は少なかったです。まあ、オプティマスプライムの無策感はずっと感じてましたが、それは彼の通常運転だしなあ。

とりあえず、トランスフォーマーシリーズに求めている、派手なトランスフォームアクションと人間との友情と大勝利!はきちんと入っていましたし、上映時間も2時間ちょっととコンパクトなのに、物足りなさは全くないという、とても良くできたリブート作だったと思います。ドルビーアトモス版で鑑賞しましたが、期待している派手な音響も楽しめましたので、大画面で頭空っぽにして楽しめる作品だと思いました。
人気キャラのバンブルビーも、序盤一時退場しますが、クライマックスでは美味しい見せ場があって良かったと思いますよ。

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