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機動戦士ガンダム 水星の魔女 プロローグ~第1話「魔女と花嫁」雑感

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とりあえず何話かまとめてか、各話ごとかわかりませんが、noteに感想をまとめていく予定です。

さて本作は、TV版ガンダムとしては鉄血のオルフェンズ以来の新作になります。初代ガンダムから追っかけてきている身としては、本作もとても楽しみにしていました。
今回はプロローグ~1話~小説「ゆりかごの星」の感想を書き連ねたいと思います。

プロローグ

初出は7月14日のイベント放送&配信。配信で見てたら何度も負荷がかかって途切れ途切れになり、めんどくさいことするなあ、と思ったものです。

その後一般配信を経て1話の前週に地上波放送と、きちんと話題作りにも貢献していました。
世界観説明として、とても優れた0話だったと思います。”主人公”エリーの幼少期と家族の絆、彼らが開発しているガンドのモビルスーツ(ロボット)への技術転用の進捗、そしてそれを快く思わない他企業、軍部からの妨害と、本編の”主人公”スレッタがアスティカシア高等専門学園に入学する前に、彼らに、ガンダムに何が起こったかを伝える物語となっていました。
※エリー=スレッタとはまだ本編では名言されていないので、一応”主人公”とさせていただきました。

プロローグで重要だと思ったのは、ルブリスとエリーの関係性。お母さんエレノアがなかなか先の段階に進めなかったルブリスの性能試験について、エリーがルブリスに兄弟として語りかけることで、目覚めた(繋がりを持った?)り、彼女との相性が良いのか、パーメットスコアを上げても拒絶反応が出ないなど、ロボットと人との繋がりを感じさせる描写が強く印象に残りました。後述の小説からも、またそれをベースにした主題歌「祝福」からも、本作はガンダムと共に前へ進む主人公の物語、ということが示されていたと思いました。
※パーメットとは
太陽系内に偏在する鉱物から発見された元素で、素材や推進剤に使われるのみならず、人体に流入させることで身体拡張機能を与えることもできるらしい、本作のサイコフレーム+阿頼耶識のようなマテリアル。パーメットスコアはおそらくパーメットの注入量のレベル表記かと思われます。

第1話「魔女と花嫁」

なんだかんだあって水星からアスティカシア高等専門学園(これなんか略称でないなかあ?)に入学することになったスレッタが、入港前に漂流しているミオリネを見つけ、助けたつもりが逆に恨まれ、更にミオリネがMS決闘に勝った者の婚約者になると知って、エアリアル(おそらくルブリスの偽装発展機)で彼女のために戦いに挑む、というストーリー。

かなり重い顛末を描いていたプロローグから一転、一見内気な田舎者少女が繰り広げる学園コメディのような雰囲気で始まった第1話ですが、ベネリットグループの異常な成果主義(ちょっと漫画的過ぎないかとも思ったり)や、その思想に基づいた、好きなものは何でも決闘で奪い取れるルールが支配する学園内と、そこでトロフィー扱いされるミオリネと、表向きよりはかなりハードな世界観であることには変わらないと感じました。

個人的に好きなシーンは2点。一つは横恋慕さんことグエルがミオリネの菜園を荒らしているところで、助けを求めた上でお尻を叩くシーン。彼女の正義感と引っ込み思案さ、きちんと他者にも正しいことを促すことができるが、いざという時は自分で判断できる性格であることが行動で示されたと思いました。
もう一つは決闘で、エアリアル起動で登場者がミオリネだったという「外し」のシーン。ここは本当に良かった。視聴者がみんなガンダムで無双するんでしょ、と思っていたところを敢えて外し、しかもスレッタが冒頭でミオリネを勝手に救って、勝手に決闘を受けたことについての返しにもなっているし、何よりミオリネが自分のことは自分で決める、と強い意志表示を1話から示したのが素晴らしかった。
エアリアルの最終的な無双はまあ、既定路線なので特に感想は無いですが、映像きれいでしたね。

小説「ゆりかごの星」

本作のメインシナリオライターである大河内一楼による外伝小説であり、テーマソング「祝福」の原作小説が、1話放送直後に公開されておりました。

これを素直に読む限り、プロローグ後水星に逃れた母子が学園に入学する直前までの物語を、ガンダムエアリアル視点で描いたものとなっていました。
エリクト・サマヤがいつスレッタ・マーキュリーになったのか、ルブリスがいつエアリアルになったは不明ですが、スレッタはエアリアルの中で素直ないい子に育ち、その間お母さんは水星と地球を行き来しつつ(時間的にどれ位で往復できるもんなんでしょ?)、復讐の機会を狙っていたようです。
本作のエアリアルくん(一人称僕なので便宜上)の健気なこと。兄弟のように思っているスレッタのため、呪い呪われた未来を断ち切るため、共に戦う決意を固めるロボットの気持ちは、まさに令和のグレートマジンガー。スレッタと一緒に悪を討ってください。
ゆりかごの星の見て、YOASOBIの「祝福」を各種サブスクサービスで聞いて、MVを見る、を繰り返すことで、現時点最高レベルの感情の高ぶりを味わえる気がします。おすすめ。

ここまで見て、テーマ的にはかなり現代社会も意識した作品になっており、それはジェンダーもそうですが、スレッタが長い水星生活で同世代の子たちと話したことのない描写は、コロナ禍の学生を連想しました。この辺りをどう昇華してクライマックスにつなげていくか、今後も楽しみです。

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