ホンダオデッセイはいい車だよ(笑)「デッドプール&ウルヴァリン」
本noteを書いている時点で、既に私はDolby Atmos字幕版の予約を完了しました。吹替版と字幕版の違い等の感想は、また追記で書くと思いますが、それくらい楽しかったです。多幸感あふれるヒーロー映画はやっぱり最高ですね。語るべきテーマの重厚さは作品に重みや箔を与えてくれますが、やはり多くの観客がヒーロー映画に求めているものの第一は、爽快なエンターテインメント性。そういう意味で本作は、観客を楽しませることに全力を注いだ作品になっていたと思います。
ストーリーは、アベンジャーズの加入を断られ、目的を見失ってしまったウェイド・ウィルソン(デッドプール)が、TVA(時間変異取締局)から、彼の時間軸を消滅させると聞かされ、それ阻止するためウルヴァリンと手を組む、というのも。
相変わらずメタネタ多いし冒頭から観客に喋りかけてくるし、カメオを超えてしっかり共演している俳優も超豪華な、エンドゲーム後私達が初めて見るお祭り映画(ギャグ多め)になっていました。
とは言え本作を楽しむために、何見とけばいい、見なければいけない、と聞かれると、私は「そんなこと気にしないで、とにかく行けばいいよ」と答えたい作品になっていると思いました。
といいますのも、まず本作、現在動いているMCUと、そんなに強くリンクしていません。確かにロキで主要な役割を担っていたTVAは登場しますが、その説明は劇中でしてくれますし、ドラマでメインだったロキもメビウスも登場しません。それ以外ではキャプテン・アメリカとかソーとかハルクとか、有名なキャラがちらっと登場する程度で、ガッツリ見てなくてもああ、こういうキャラいたよね、くらい知っていれば充分楽しめると思います。
逆に例えば作品が制作中止になって主演俳優がめちゃくちゃ落ち込んだと言われる「ガンビット」がそのチャニング・テイタムでガッツリ登場して大活躍していたり、ヒュー・ジャックマンのウルヴァリン最終作「ローガン」で涙を誘ったローラが成長した姿で登場していたりと、20世紀フォックス時代のX-メンやファンタスティック・フォー、はてはブレイドなど、ディズニー体制になって忘れ去られようとしている作品とその主人公たちにフォーカスを当てていたのが印象的でした。ではやはりそれらの作品を予習していたほうがいいのでは?と思われるかもしれませんが、私はああ、そういう作品もあったよね、くらいの知識があれば充分だし、無いなら無いで(私もエレクトラ、誰だっけ?になりました)、ああ、過去に廃棄扱いされたキャラたちなんだね、という理解で楽しめると思います。
その他にもコミックネタ、アニメネタなど沢山入っており、特にウルヴァリンが黄色い衣装でマスクをかぶるくだり、私はどちらもそこまで親しんでいない(コミック版のシビル・ウォーは読んでいますが)ので、別に感慨深くはありませんでしたが、漫画実写化で同じような展開になったら熱くなると思うので、「気持ちは分かるよ……」な気分で鑑賞していました。
メタネタ、ギャグが楽しいのは勿論なのですが、アクションシーンも本当にお金かけてることが伝わる内容でした。デッドプールは特に1では、予算の少なさを逆手に取って、火薬量(CG量?)少なめになるように、銃撃戦控えめなアクションでした。2では結構増量していましたが、それでもX-フォースを一瞬でリストラするなど、すかしたギャグ的なアクションが多い印象でした。
それが本作では、冒頭から中盤、クライマックスの100人(と1匹)デップー大集合でのアクションまで、本当にお金かかっているなあと感心しました。特にデッドプール&ウルヴァリン、ローラ、エレクトラにブレイド、ガンビット揃い踏みのアクションなど、各々の活躍シーンも含めて大満足な出来でした。
でもそれ故に、1,2での「やらんのかーい!」とツッコミたくなるすかしたアクションも懐かしくなったりも。ファンは贅沢ですね。
基本ストーリーは1がラブストーリー、2がファミリームービー(自称)だとすると、3となる本作は結構しっかりヒーロー映画になっていたと思います。メインヴィランであるカサンドラ・ノヴァの存在感も良かったですし、終始笑えて終盤ちょっとホロッときて、最後は笑ってエンドロールを最後まで見る、そんな映画でした。
吹替版は、いわゆる話題づくり吹き替えは皆無、デップーの加瀬康之さんは流石の軽妙なしゃべりで変わらない魅力、ウルヴァリンの山路和弘さんは貫禄たっぷりの存在感でした。カサンドラ・ノヴァは佐倉綾音さんで、こっちはフレッシュだけど不気味な塩梅。
さらに豪華キャストに合わせて多彩な吹替が堪能できましたが、個人的には別バースデップーの子安さんに笑わせてもらいました。
とにかくデップーが喋りまくる作品なので、字幕では全て網羅するのは難しいはず。ネイティブレベルでヒアリングが難しい方は、吹替版がとても素晴らしいオプションになっていると思います。
まあ確かに内輪ネタ多めの作品ではあります。ロッテントマトで見かけたネガティブな批評に、「オンライン化が進んだ時代のファンサービス」と書かれていたように、SNS時代になってFOXが倒産してディズニーに吸収された話などを嬉々として語る層向けの作品になっている部分はあるかと思います。私個人としてはめちゃくちゃ楽しめたので、予習なんて気にせず映画館に行ってほしい作品なのですが、あんまり内部事情とかに興味のない方々の感想も気になるところです。
追記:字幕版の感想
週末にDolby Atmos字幕版の鑑賞をしてきました。事前に吹替版で鑑賞していたこともあり、字幕で拾いきれない細かいネタも理解することができ、とてもよい鑑賞体験になりました。字幕版と吹替版の大きな違いは、ナイスプールのセリフと、ローガンとローラの夜のやり取りですね。ローラとのやり取りは、字幕版というか原語の方が良かったと思いました。
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